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第106話『鏡の私、記憶の彼方で』

閃光の中、俺の放った《セラフィムバースト・改》は、真正面から“リリィ・ゼロ”へと襲いかかった。


しかし――


「迎撃プログラム、起動。《七層障壁・イミテーション・ソル》」


刹那、空間が軋んだ。


リリィ・ゼロが展開した魔法障壁が、俺の魔力を全て吸収・無効化していく。


「くっ……!」


その防御力、まさに本物の“魔術兵器”だ。


だが俺は引かない。


「お前は……誰かの命令で動く機械じゃない!」


俺は剣を握り直す。背後ではエリュとウケールが援護に回っていた。


「《雷刃・雷鎖》! 足止めは任せろ!」

「俺は囮になる! 行け、ヨシオ!」


リリィも魔力を展開する。

「お願い……もう一人の“私”!目を覚まして!」


彼女の声が空間を震わせた瞬間――


リリィ・ゼロの動きが止まった。



「記憶、干渉……確認」


その場に崩れ落ちた“リリィ・ゼロ”が、うつむいたまま呟く。


「私ハ……ナゼ、存在シテイル……?」


その声は、感情を持たない機械のものではなかった。震え、迷い、そして“孤独”がにじんでいた。


リリィがそっと彼女に近づく。


「あなたは私……だけど、私じゃない。

あなたは、誰かに“そうあるように作られた存在”だった。でも――」


リリィが涙ぐみながら手を差し出す。


「……自分がどう生きたいかは、自分で決められるの。私はそれを、ヨシオたちと出会って知ったから」


ヨシオはリリィの隣に立ち、静かに語りかける。


「生まれ方や過去がどうだろうと、関係ない。おまえが、自分で未来を選ぶなら――俺たちはその味方だ」


沈黙の中、リリィ・ゼロがそっと、手を伸ばす。


そして――


「……私ハ、“リリィ・ゼロ”。自分ヲ、選ブ」


その瞬間、地下施設を包んでいた全ての魔力が静かに沈んだ。


決戦は、終わった。



---



リリィ・ゼロは、施設の奥に残された制御装置のコアへと手を伸ばした。


「ココニ、私ヲ制御スル命令群ガ……。破壊シマス。ダカラ、私ハ……自由ニナル」


「いいの?」リリィが問う。「記憶が消えてしまうかもしれない」


「構ワナイ。記憶ヨリ、大事ナ“今”ヲ、モラッタカラ」


ヨシオは彼女にひとつだけ聞いた。


「これから、どうする?」


しばらく黙っていた彼女は、ふわりと笑った。


「……少シ、空ヲ、見タイ。雲ト、風ヲ、感ジタイ」


それは初めての、彼女の“願い”だった。



---


俺たちは、再び旅に出る。


リリィの過去、王国の陰謀、そして魔石の真相――まだ解き明かすべき謎は多い。


でも今は、この静かな空の下で――


「やっと、ほんとに仲間になれた気がするな」ウケールが笑う。


「“ゼロ”ではなく、“ひとり”として、ね」エリュも優しく呟いた。


リリィ・ゼロが、空を見上げた。


「アオイ、ネ……」


その一言に、俺たちはただ頷いた。



「面白かった!」








「続きが気になる、続きが読みたい!」








「今後どうなるの!!」








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