第101話『薄明の決意、旅路の再開』
ギルドの掲示板に張り出されたクエストの中に、一枚だけ異質な紙があった。
「……これは?」エリュがその紙を指差した。
『古代魔導兵器の遺跡調査。報酬:金貨500枚』
「高っ!」ウケールが思わず叫ぶ。「こりゃヤバいぞ。命がけ案件ってやつだ」
リリィが俺を見つめる。「どうする、ヨシオ?」
俺は少しだけ考えてから、答えた。
「……行こう。これは“前に進む”ためのクエストだ。俺たちの力が試される」
「……そうね」リリィが微笑む。「私たち、やれるよ。きっと」
「よし、決まりだな!」ウケールが拳を掲げた。「エリュ、準備はいいか!」
エリュは静かに頷いた。「――必ず、生きて帰る」
ルシェとリオナを喪った痛みは、今も癒えていない。でもその痛みを無駄にしないためにも、俺たちは止まるわけにはいかない。
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「……おっ!来たか。エリュ」
遠くから走ってくる少女の姿。旅用の外套に身を包んでいるが、その澄んだ銀髪は、風にたなびいて眩しかった。
「遅くなってごめん!私も、行く!」
「……無理するなよ。前みたいなことがあったら――」
「それでも、置いていかれるのは、もうイヤだから」
その瞳に宿る決意に、誰も異を唱える者はいなかった。
「……わかった。ようこそ、エリュ。俺たちの旅は、ここからだ」
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遺跡へ向かう道中、リリィと二人きりになる時間があった。
「ねえ、ヨシオ……昨日のこと、覚えてる?」
「忘れるわけないだろ。俺は――」
リリィは小さく笑って、指を俺の唇に当てた。
「言わなくていい。今はまだ、冒険の途中だから」
彼女の言葉に、俺は何も返せなかった。ただ、彼女の手を優しく握り返した。
――いつか、すべてが終わったときに。
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その夜、焚き火の明かりの中、俺たちは静かに武器を磨いていた。
新しい旅が始まる。今度は、失わないための戦いだ。
仲間とともに、未来へ。
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