第7章 ダンジョンの中で
村から出た3人はダンジョンの洞窟に向かう。
「そういえば、洞窟の前に大きな岩が入り口を塞いでいるらしいよ」
「マジか」
「心配するなぁよ、ワシが一斬りするだけじゃ」
と話している内に洞窟前に立つ3人。
「ここかダンジョン? 始めてきた」
「ワシもじゃ」
「マジか、初心者が行くようなダンジョンのレベルじゃないぞここ」
「「そうなの?」」
「話に聞いたけど、どうやらここのダンジョンはお宝が有るらしいけどそれと同時に途轍もないモンスターがいるとか。」
「じゃ~そのモンスターにあの盗賊さんはやられたんだね」
「さっさと其奴を倒してあの盗賊を助けてやろうじゃないか」
「カイジョーなぁ。 名前を言ってやろうな。ちゃんと名前があるんだから」
「「そうだっけ?」」
「…もういいよ。さっさとダンジョンに入るぞ」
ナギが入り口を塞いでる岩を斬ってどかした。
「じゃ~入ろうか」
●●●
洞窟のダンジョンは暗くって見えなかったのでナギが腰の剣を抜き魔力を注ぎ込んで炎を生み出して周りを照らした。
「これで回りが見えるようになったじゃろう」
「危ないよ、俺が魔法で明るくするから消せ」
「できるならさっさとやるのじゃ」
クロウは体を光らせる魔法を使った。
道が一方通行になっていた。3人はとにかく前に進むことにした。歩き続けていくと下り階段が現れ、下に行くと大きな空間の場所に着いた。周りを見ると部屋がいくつかありどこから行こうか話していると奥の部屋から人影が現れこちらい向かって走ってきた。その人物は仮面を被ったものが話しかけてきた。
「お前ら冒険者か? 入ってきたということは出入口が解放されたのか?」
「入り口の所にあった奴ならどかしちゃったよ」
「アレがあったせいで出れなくって困っていたんだ。幸いここにはネズミや昆虫、地下水があったから助かったがなぁ」
「あなたはここで何を?」
「アタシか? あたしはここの番人をしている、ネルラだ」
「私はリリネッドで、こっちの魔法使いがクロウ、こっちの白い子がナギです」
自己紹介をしたあとクロウが問いかける。
「話に聞いたけど、ここには冒険者や盗賊がよく来るってことはなんかあるんだろう?」
ネルラは少し怪しんだ後、話し出す。
「お前たちはここに何しに来た?」
「私達はここに来たことで呪いに掛かった盗賊を助けるために来たんだよ」
「呪い…」
「あなたではないの?」
「私ではない。 この奥にいる魔帝の幹部で十三ヶ騎士団の一人がやったんだろう。ここを住処にしているからな」
ネルラは少し悔しそうな表情をした。それを見たクロウは口を開く。
「ここにいる、ボケーっとした顔をした女はいずれ魔帝国の王を打ち破るとされる勇者だ」
「勇者!?」
「そんな、勇者が人助けの為にここまで」
「へ、あたし別n…!?」
クロウはリリネッドの口を押える。
「ここまで来たんだ。 なんか事情があるなら言ってくれ。絶対に後悔させない」
ネルラは3人を見つめた後、奥の通路に指をさしたあと歩きだす。
「こっちに来てくれ」
●●●
少し歩いた後に行き止まりに立ち止まり壁に手をやると見えない通路が現れた。4人はさらに歩いて行くと光り輝く場所にたどり着いた。リリネッドパーティーはその光景に驚いた。
中央には大自然に沸いている噴水にその周りに沢山の花が咲き、その上に小さな妖精が飛んでいた。
「ここは!?」
「妖精の園だ」
「妖精なんて、初めてみたぜぇ」
「外にもたくさんいるよ。見えてないだけで」
妖精たちがネルラに気が付いて集まる。
「ネルラ!!」「ネルラ、大丈夫だった?」「その人たちは?」「カノネが髪を引っ張るの?」「違うよ、ミィーノが悪いんだよ」
ネルラは一人一人に話しかけて対応した。少したった後、妖精たちは離れいった
「アタシはこの子たちを守るために番人をやっている。任されたの…大妖精様にねぇ」
「大妖精?」
「大妖精様はアイツが閉じ込めているんだ。大妖精様の力を奪いに。アイツのせいで妖精たちはここを自由に動けなくなってしまった。アタシでは対応が出来なくなってしまって」
「だから、宝があるって噂を流したのか?」
クロウが図星をつく。
「ああ、そうだよ。アイツを倒してくれるやつが来るのを待っていたんだ。だが誰も倒さず逃げて行ってしまうんだ」
リリネッドはがネルラに肩に手をポッんとたたいた後、笑顔で言った。
「話長い」
「うえぇ!!?」
「ようはソイツを倒せばいいんでしょ? 理由が長い、さっさと終わらせようよ。それに倒さなくても話をすれば聞いてくれるかもしれないし」
「そりゃ~お前さんが戦いたくないだけじゃろう」
「うん、えへへぇ」
ネルラはあきれた顔をする。クロウはそんな彼女に言う。
「安心しろ、俺たちがど~にかするからアイツは勇者って肩書だけで何もできない奴だ」
「マジか」
「それでも…」
「それでも?」
「数いる冒険者が抜けなかった剣を抜いた選ばれた人だ。そんな勇者を信じえてくれないか?」
ネルラはリリネッドを見て頷いた。
「じゃ~行こうか」
とリリネッドは歩きだして少し歩いた後、「で、どこにいるの?」と言った。
ネルラは本当に心底、心の底から心配になった。