第74章 命の代償と責任
10年前、とあるクエストの洞窟に中央国の兵を連れてラグルが入って行く。
中に入ると死体が二つに、大物魔物の死体が倒れている中央にたった一人、立っていた幼女が一人。
「ラグルさん、これもしかして…」
「多分なぁ」
ラグルは幼女に近寄ると震えながら殴りかかって来た。ラグルはその拳を止めようと手を出すがそこの拳からは『殺』っという背筋が凍り付くようなそんな感じをしたラグルは瞬間的に魔術で幼女えを止めた。
幼女は周りが見えてなくただ怖がって震えて、そして意識が飛んでいた。
「大丈夫だ、もう大丈夫」
幼女の頭を撫でてラグルは言った。
その周囲は今にも崩れそうな危険な状態であった。
●●●
機関車の〈7号車〉内にて。
ラグルは乗客の一人一人に周囲を守るシールド張った。
「そんな事をしても無理だぜぇ。こいつ等にもオレェの呪いをかけた」
「お前さんの呪いの魔術は攻撃した人の攻撃をそのまま返すだけで、攻撃したダメージを誰かに移すの魔術ではないはず。それに呪いの魔術には一定の条件があったはずだ。それを無視してできるはずがねぇ」
「呪術師でもないのに詳しいねぇ」
「ふん、まあね (だが、どうしたものか。コイツ自体は強くないはず。だとしたら対象者をコロコロと変えられる物か?)」
考え込むラグルにリボンが聞く。
「どうしますか?」
「相手さんのダメージ自体がこっちに移るなら攻撃は避けなければならない。でもダメージ自体を誰かに移すなら話は変わる。見極めるんだ。リボン」
「はい」
ハッテは狂ったような反り方をして笑い出しながらリボンに向かって行く。
リボンはハッテがの持つナイフの手を狙って攻撃してナイフを落とさせた。
ラグルは落ちたナイフを魔術で拾い上げて窓の外に投げた。
「これで武器はないっスね
だが、ハッテは余裕があるのか窓の外をみて「ああ、落とされた。気に入っていたのに…」と言った。
ラグルはその瞬間、乗客が居る部分だけ斬り取って落とした。衝撃を柔らかくする魔術を掛けて。
細い足場とドアのみを残した〈7号車〉が残った。連結は繋がっている為、揺れは激しくなった。
いきなりの事でリボンは足が崩れ落ちそうになったがラグルが〈6号車〉の窓から見えた中を確認して移動魔法でシュッんとリボンを移動させた。
次にラグルは〈7号車〉の周囲を魔術で作った箱を囲み作り上げた。
「すごい、一瞬な事で何が起きたかわからなかったよ」
「貴方の魔術は理解しました。説明しましょうか」
「じゃ~とりあえず聞いとこうかな」
「この〈7号車〉に入った瞬間から貴方の魔術は、呪術は発動していた。いや、列車の扉が閉まった瞬間から始まっていた。〈7号車〉にいる者すべてが対象者だと思いましてね。この四角い空間が大切で大事だった。それが条件。それを壊せばリセットされるでしょ」
「そうか、まあ~そう。閉まった瞬間から俺の呪術は発動した。あの空間にいたみんなが対象者だ。俺を殺したりしたら誰かが身代わりにできる。そして俺よりも魔力が強い奴は対象から外れるというより、一番後ろになるんだよね」
「今は、あっしとアンタだけだぜぇい」
「そうだけど、オレぇを倒すことはできないぜ」
「そうかな?」
ハッテは自分の首を絞める。
するとラグルの首が締まる。
「目が見えないから何が起きているか、わからないだろう?」
苦しそうな倒れこむラグルはその状態でもしゃべりだす。
「いや、ちゃんと見えてますぜ。ちゃんと、見えてる。アッシの目にはお前たちの魔力をビンビン感じてるぜえい!!」
苦しまないのを見えてハッテは悔しがりポケットにしまっていたナイフを取り出して自分の首に刺した。
「あの世に行ってなぁー!!!」
だがラグルは無事でいて普通に立ち上がり始めた。
「な、なんで?」
「それは言えないねぇ、アンタみたいな人殺しには」
ラグルは周囲の空間を解除するとハッテは自分の首から血が大量に出てそのまま倒れる。
倒れる直前に「し、死にたくない、助けて」と情けない顔を見えたがラグルは言う。
「すみません、あっし目が見えないので手を伸ばせないんですよ」
ハッテは、そのまま走る列車の地面に叩き削れていった。
ラグルは〈6号車〉に向かう中、見えない目で後方を見る。
「おやおや、コレは厄介だ」
●●●
ボロボロの〈9号車〉から〈8号車〉に移動したり戻ったりと戦う、中央国の六番隊 ・ログラムと魔帝王の側近・ザイリュウ。
「本当の厄介ですよ」
「ああ、ここまでやる相手がまだ人間にいるなんて思ってなかったぜ」
「ありがとうございます。ですが、一つ間違っています」
「ん?」
「私は人間ではなありません」
「そうか、すまなかった」
そう言ってまた戦闘が始まる。
狭い空間を大きく使って激しい戦いをする二人。




