第73章 血の気の多い奴ら
現在の列車の中。
〈1号車〉
・リリネッド(勇者)
・シズ & ノビオ(冒険者パーティ)
・ヴァンゲンハイム
〈2号車〉
・???、???
〈3号車〉
・ユウ & アサノ
・冒険者3人
〈4号車〉
・モナナ(魔物)
・ショーヒダ & ライ(冒険者パーティ)
〈5号車〉
スターンズ&タエコ(冒険者パーティ)
・6号車の護衛していた。
ーーーー【塞がれている】ーーーー
〈7号車〉
・ハッテ(切裂き魔)
・ラグル & リボン
ーーーー【塞がれている】ーーーーー
〈8号車〉
ザイリュウ(魔帝王の側近)
〈9号車〉
ログラム(中央国六番隊 )
〈貨物車1〉
〈貨物車2〉
数年前、アサノは虐められていた、ユウと出会う。
遠くの方で同年代に押されたり泥を投げられていたりされていた。
翌日、大雨の中で、火事がが起きたような場所で座り込んでいるユウを見かけた。
「ジブン、何しとん?」
「関係ないだろう」
目も観ずにそう答えるユウ。
「ここは、ジブンの家かな?」
黙るユウ。
「気に入ったわ。ジブン、ボクゥと世界を救わん?」
●●●
現在、〈2号車〉へと移動しようとするアサノの手を引っ張り止めるユウ。
「なんで」
「何が?」
「なんで勇者の剣なんか、狙うんだよ」
「そりゃ~おもろいから」
「で、でも」
ユウはアサノの耳を近づきコッソリ話す。
「勇者がいる事なんでみんな知ってるの?」
「そりゃ~…ボクゥが広めたさかいに」
「え…?」
アサノは胡散臭い笑顔でそう言った。
そして〈2号車〉の扉を開けるとその前には大男が立っていた。
「ちょっと退いてください」
「ダメだ、ここは立ち入り禁止だ」
「立ち入り禁止ってココはジブン専用の場所なんでっか?」
「いいから引き返せって言うても」
と後方の車両が爆破した音が響く。
「なんや?」
危機を感じた大男は扉を閉めた。
「全く、計画が丸潰れや」
「どうする?」
「行き方は他にもあるう。上や」
アサノは冒険者の二人の手を借りて上に上がる。
次にユウを上にあげる。
「さて、あとはジブンらやね」
「アサノ!! なんか!!」
ユウはアサノの肩を叩いて後方を指を差す。
〈9号車〉の上にログラムが下からくる攻撃を避けているのを見る。
その次に、シンノスケが飛んで行くのが見えた。
「なんや、何が起きとるん?」
「ほら、心配が勝ったよ。こんな塊、信用するんじゃ~なかった」
アサノは少し考えた後、下の冒険者3人を置いて前に進むことにした。
「予定変更や。 ユウちゃん、勇者の加勢に行くで」
「え?」
「さっき、勇者の仲間が飛ばされとったやろ?つまり今は一人や。助けんとあかんで」
●●●
ほぼ同時刻、〈2号車〉では。
乗客は5人。内4人はボディーガードでもう一人はか弱そうな女性。
「何かあったんですか?」
か弱そうな女性がそう言うと大男が答えた。
「問題ないです」
「でずが、先ほどからすごい騒ぎですが?」
「気のせいです」
か弱い女性は窓を見ると、飛ばされるシンノスケと目と目が合う。
その瞬間、スローに感じながら。
「あの~人が飛んで行きましたけど」
「気のせいです」
と屋根から人が歩く足音がした。
「足音しませんか?」
「気のせいです」
少し列車が曲がりに入った時、後方の方が見えて、女性がそこを見ると〈4号車〉と〈5号車〉所から大きな牛の頭をした物が大きくなり顔を出したのが見えた。
「あの~後方で」
「気のせいです。大丈夫です。我々がいますのでカリン様は安全に乗っていてください。本当は此処にいてはいけない人なんですよ。あなたは」
「解ってます」
1号車の扉の前に椅子を置いて通れないようにしている低い背の男が口を開く。
「おい、クエービィ。カリンお嬢様は、心配なんだよ。この列車は国的にも出来てほしくない産物。誰でもどこでも乗っていける乗り物なんかなあ。だからお嬢様は乗せて低評価させる目的だっだのに…」
「バンバ?」
「これでは低評価なんていらないだろう。もう収拾がつかないだろう」
バンバは立ち上がり窓を見ると。窓から後方を見る。
「これで機関車の失敗に終わったとして、もしカリン様に怪我でもしたら俺達も終わる。駅まであと数時間だ。それまで俺たちはカリン様に怪我をさせるな。わかったお前達!!」
「「「おう!!」」」
とそこに〈1号車〉から勇者の剣が飛んできて、柄がカリンの腕に当たる。
「痛い」
カリンは当たった腕を見ると腫れていた。
「よし、殺しに行くぞ」
血管が浮き出るほどブチキレてるバンバは銃を取り出して言った。
●●●
少し、前に戻りシンノスケが飛ばされたあとの〈1号車〉。
リリネッドが尋ねるとヴァンゲンハイムは大げさに名乗り始めた。
「貴方、何者?」
「やっと俺に興味だしてくれたんだね。俺はヴァンゲンハイム。ハソウルト国の王子だよ」
とヴァンゲンハイムの肩を掴む、ノビオ。
「お前、王子だか玉子だが知らないがてめぇ~みたいなのを止めるのが俺達の仕事だ」
シズが異様な臭いに気が付き、ノビオに叫ぶ。
「ノビオさん、ソイツから離れて、なんか人の臭いがしない!!」
続けてリリネッドもそれに気が付く。
「クン、クン、本当だ。前に嗅いだことがあるような? どこで?」
「そりゃ~、デラーズってやつとじゃないか」
「え?」
ヴァンゲンハイムは自分の牙を見せた。
「俺は吸血鬼だ。オイ、女。お前、『猛獣使い』か?ならわかって当然だな」
「やばいよ、ノビオさん。桁が違いすぎる」
「吸血鬼? そんなにヤバい奴なのか?」
「不死身よ」
「マジで!?」
二人がビビる中、リリネッドは後ろに背をおう剣を握り引き抜く。
「私は勇者。やらないとダメだよねここわ」
二人を守るように前に出るリリネッドは真っ直ぐ、ヴァンゲンハイムを見る。
だが、ヴァンゲンハイムはその目をみてうっとりしてします。
「いやは、美しく可愛らしい顔だ」
「うっえぇ~」
「怪我をさせなくはないが致し方ない」
と動き出す前にリリネッドは剣を投げつけた。
それを普通に避けるヴァンゲンハイム。
〈1号車〉と〈2号車〉の連結部分に降りてドアを開けようとアサノだったが靴の紐が解けているのに気が付きしゃがむ。同時にドアをぶち壊して剣が通り過ぎた。
「え? ナニ?」
少し遅れてから後ろのドアの隙間からカリンが怪我をしたのが見えたアサノ。その隙間からバンバと目が合うアサノ。
「やば」
●●●
ほぼ同時刻〈7号車〉にて。
ラグルが魔術で掛けた鎖から逃れた男はナイフ振り回す。
リボンは乗客を守りながら戦う。
「ガキを痛めつけるのおれぇ~すきなんだあぁ~。やわらかい皮膚ににぷにぷにの肉。無知だから泣き叫ぶしかできない瞬間を見ると興奮するんだぁ~」
リボンは男が油断したのを見て体に攻撃するも男は痛まず、逆にリボンが痛め始めた。
「な…んで?」
「リボン、待ちなさい」
ラグルはリボンの攻撃を止める。
「まさか、貴方、名を名乗りなさい」
「なんでぇ~。別にいいけど…ハッテだ」
ラグルは次にリボンに訪ねる。
「奴の手に大きな髑髏マークありませんか?」
「うん、あるっス」
「やはりですか」
「誰なんッスか?」
「アイツは切裂き魔のハッテ。噂では気づ付ける事が出来ない厄介な指名手配犯だ」
それを聞いて切裂き魔のハッテは嬉しそうに不気味な笑みをする。
「そんなに褒めるなよ、興奮するじゃ~ねぇ~かあ」
ラグルはリボンに言う。
「今一番やらなければいけに事は乗客を誰も死なせず、コイツを倒すことだ。できるかかリボン」
「聞かないでください。、できるしか回答がないじゃないッスか」
ハッテは嬉しそうに不気味な笑みの表情しながらナイフを舐めまくる。
「オレぇの魔術では誰もオレぇを傷付ける事も殺すこともできないまして、オレぇは呪術師
だ。呪いの魔術でお前達を痛めつけちゃうよ~。盲目ジジィにツルツルの少女。ああ~オレぇはついてる!!!」
二人はハッテの前に立ち向かう。




