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第64章 やはり勇者は命を狙われる運命になる


 洞窟に響きあがるリリネッドの驚く声。

「私、2ヶ月も眠っていたの?」

「ええ、それはもう」

「そうか…ごめんね。心配かけて」

「いえ、それは気にしないでください。それよりも」

「ん?」


 シンノスケは困った顔をする。リリネッドは首をかしげながら回りを見渡す。

「クロウとナギは? それにみんなはどうなったの?」

「いいですか、リリネッド。あなたが眠っている間、世界は大きく変わりました」


 シンノスケは話す。二ヶ月で世界に報じられた事と記事に掛かれたことを、リリネッド関する話を。



 世界はたった2ヶ月で変わった。

世界各国の王の9割が魔帝王の支配下になり。支配を断った国は滅んだ。


魔帝王の決定によりホワブラ国は新たな王に魔帝王の()()()()()()()()という人物が選ばれた。


バードライの近衛兵としてポウラ、サイガが付いたことが報じられた。


魔帝王は勇者の殺害するようを世界に報じ、遺体は王の元へ持ってくる事。


そして一か月後、魔帝界と天界国は戦争を起こすことも報じられた。


「とまあー、大変な状況です」

「私が狙われるのはもう慣れたから別にかん」

「で、ここからが重要な話です」

「うん」

「まず、ナギは先日の戦いで危険な状態になり、その時にクロウが対象しました。ただ、その後のことが分からないんです。戻っても来ませんし連絡もない」

「どうしたのかぁ~?」

「それと、クロウと一緒に行ったユースなんですけど」


 シンノスケはポケットから一枚のチラシをリリネッドに見せる。

チラシは赤い紙に黒い文字で書かれていた。そして一枚の写真もプリントされていた。

「世界を取り戻そう、我は革命を起こす者・ユース・ユーリ? なにこれぇ~」

「この紙に書かれている写真を見てください」

「う?…。 あ、ユースだ」

「はい、ユースが革命家となり何かをしようとしてます」

「大変そうだね」


 他人事みたいにという顔でリリネッドを見るも、本人はまったく危機感を感じていなかった。

「で、どうしますか。リリネッドは」

「どうするって…言われてもなぁ~…そういえば大妖精様にあいさつしないと」


とリリネッドが向かおうとした時、ずっと話を聞いていたネルラがリリネッドの前に立ち止める。

「いま、大妖精様は眠っている」

「ええ!?」

「勇者様を助けるために力を使ったんだ。無理もない、復活して間もないのに…」

「ごめん」

「怒ってるんじゃないよ。勇者様達は二人目の大妖精様を解放してくれたことで大妖精様は元気になった。ただ、妖精達が勇者様の戦いを報告や話を聞いて大妖精様は心配していたよ。そして危険と判断して助けてしまった。本当に優しい人だ」


 ネルラは真っ直ぐな目でリリネッドを見る。

「勇者様、大妖精様が早く目覚める為にあと二人の大妖精様に復活が必要だ。頼む」


 頭を下げるネルラ。それを観てリリネッドは頷き肩に手を置く。

「わかった、じゃ~早速行こうか」

「場所知ってるんですか」

「うん…どこだっけ」


 リリネッドはとぼけた顔でネルラに聞く。

「本当に大丈夫か?」




 ●●●



 リリネッド、シンノスケは歩き出した。

「いま天界に近づくのは危険なので双方の山へ行きましょう」

「そうだね、クロウ達もいるかもしれないし」


 シンノスケはリリネッドの顔を見る。

「リリネッド、これを」


 シンノスケはナギの刀をリリネッドに渡す。

「あ、ナギの…でもこれって危険なんじゃない?」

「問題ないです、魔力が吸われるだけですから。その代わり魔力でも攻撃を一切喰らう事は無いので。リリネッドが持っていた方がいいかと」

「そう…シンノスケがそう言うなら」


 リリネッドは腰に刀をぶら下げる。

「ちょっと重いかも」

「背をっている剣の方が重いのでは?」

「これ、全然重くないんだよね。持ってみる?」

「ハハハァ、ご冗談を。先に進みますよ」


 二人は先へと進む。



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