第62章 命
リヴァナラはリリネッドの首を引きちぎったり、足の関節を曲げながら圧し折ったり、股を広げ真っ二つにしたり、口に掴んで顎ごと、下に叩き落したりと死ぬぐらいの痛みと苦痛を味合わせてもリリネッドは立ち上がり何度もリヴァナラに立ち向かって来た。
リヴァナラから、観たリリネッドはの目は決して折れていなかった。だからと言ってリヴァナラもそれを楽しむように、どうしたら折れるんかどこまでしたら死んでくれるのか、そう思いながら。
そして折れた瞬間、その時点でリリネッドはリヴァナラに吸収は確定する。
「ねぇ～ねぇ～、もう辞めたら？ 俺には勝てないよ」
「嫌だ」
「(負けず嫌い？ いや、使命感とも違うな。この女、全く読めない。だから、面白い)」
リヴァナラは手の中から剣を取り出してリリネッドを真っ二つに仕様と動いたが剣で防がれたが右足で腹を目掛けて蹴るもリリネッドは苦しい表情を見せるも足を強く踏ん張って耐える。
「へぇ～やるようになったねぇ～。でも、まだまだ」
リヴァナラは何度も、何度も、何度も蹴り続けたあと、足の裏を太い棘生やして、消し続けた。
「ほら、ほら、ほらぁぁぁあああ！！！！」
リリネッドは膝から崩れ落ちる直前に剣を真上に投げる。
リヴァナラは何かするのではないかと思い、少し距離を取るために後ろに下がる。
だが、巨大なクモの巣が作られていた。
「な、なんだよぉ～これは！！」
黒い影の様なクモが近くにいた。リリネッドは無意識に出していて無意識に指示出していた。それを倒れる直前で気が付き、一瞬で行動に動いた。
リヴァナラはクモの巣で動けなかったが体から刃物を生やして抜け出そうと動く前に、リリネッドが剣の頭に紐を絡まして振り回す。最初は少しつづ、さらに大きくとどんどん大きく振り回す。
リヴァナラはクモの糸から抜け出しその剣を受け止めようと手を伸ばした瞬間、そのまま横に真っ二つになった。
「はあ！！？」
剣にはリリネッドの魔力と『世界最強万能型強烈甲賀剣』の力もあってリヴァナラを斬る事が出来た。
リヴァナラは上半身の方から復活しようと動く前に、リリネッドが先に動き、下半身がドロドロに溶けたのを見た後に振り回す剣で空中にいる上半身の方を攻撃を繰り出す。
リヴァナラは今までにない焦る表情を見せながら首だけを飛ばして、復活する。
リリネッドは剣を手元に戻し、そのまま剣をリヴァナラに向かって飛ばすも剣がぶつかる前に二つに分身を作り出して避けながらリリネッドに向かって行き二人のリヴァナラはリリネッドに攻撃を繰り出す。
だが、リリネッドは手を真下に向けると下の所に魔法陣が浮き出し青い光に包まれる。
リヴァナラは体が動けなくなり、体の中にあるアンデッドや呪いの力を持つ生き物が消滅し同時に分身体も消えた。
リリネッドは副職業の僧侶の魔術を使った。
リヴァナラの体から光の煙が大量に出て来た時、微かにリリネッドの耳に『ありがとう』という声が聞こえた。
リリネッドは手を止めることなく剣を引き寄せ、頭を手で押さえるリヴァナラの体にぶつける。
「ぐっうぁあああ！！！」
情けない声を出すリヴァナラは先まで余裕の表情から怒りに変わる。
「まさか４割ほど消されるとは思わなかった」
リヴァナラは体を復活させた同時に光の光線をリリネッドに向かって放つ。
リリネッドは剣を地面に突き刺して剣が持つ力を使う。
剣は盾の様なオーラを作り出して光の光線を防ぐ。
リヴァナラは光の光線を出し続けていると盾から抜け出すリリネッドに気が付き、光の光線を辞めて右腕を刃物に変えて攻撃をしようとしたが、抜け出した物はリリネッドではなく黒い影で出来た蜘蛛の糸だった。
リヴァナラはハッと後ろを振り向くとリリネッドはすでに次の攻撃を繰り出していた。
『世界最強万能型強烈甲賀剣』を複数オーラの魔力で作り出して両手足に剣を刺し地面に叩きつけた後、胸に本物の剣を突き刺す。
そいてリリネッドはシンノスケから教わった僧侶の一つの魔術を使う。
「眠れる魂よ、我が声を聞き、そして導きを指し示す。天よりさらに上を信じるなら声を聞きとどめよ『我が子にいい夢と未来を』」
リヴァナラが倒れる地面の床に魔法陣が生まれ青い光が放ち、体の中にいる魂が続ぎと開放していく。
「やめろぉぉぉおお！！！！」
『世界最強万能型強烈甲賀剣』が刺さているリヴァナラは抜け出すことができず、どんどん残機がなくなっていく。
「ねぇー知ってる？ 命って簡単になくなるし、簡単に消えるの。それが命。弄んじゃダメなんだよ」
「このガキがわかったような！！！」
「わかるよ」
リリネッドは胸に手を抑える。
「命は一回だからいいんだ。一回だから必死に生きれるし必死になれる。ころころと姿を変えて命を弄ぶ貴方は…」
リリネッド冷たい目で冷徹な言葉で、悲し表情でリヴァナラに向かって言う瞬間にリヴァナラは全身に魔力を放ち地面を壊し、下に落ちる前に肉体から血液に意識を移動して抜け出す。
肉体はドロドロとなり剣が一つだけ残った。
「危なかった！！」
リヴァナラは上を向くと悲し顔でリリネッドは見ていた。
「どいつもこいつも何が命は大切にだ。その命を無駄にしているから俺が貰ってるんだ」
リヴァナラは昔にたった一回だけあった勇者を思い出す。
●●●
リヴァナラは魔帝王と共に人間界に来た時の事。
魔帝王は一人の冒険者の男に話を掛けた。男は急に魔帝王を殴りつけた。
魔帝王を動けなくして男は近くの村の人たちを大声で呼んで言った。
「コイツは悪魔だ、みんなで追い払え」
そう言うと村の者たちは石や泥、中には馬糞などを投げてきた。
そして男は泥や糞などが付いた靴を魔帝王の口に近づかせていった。
「舐めろ、悪魔」
リヴァナラと魔帝王は去る瞬間、村の者たちが男を『勇者』と呼んでいたことを耳にする。
●●●
リヴァナラはその前から勇者の存在をしていた。
魔帝王などには内緒で人間界に来て生き物を吸収していた時に、記憶から勇者の活躍を観ていたから。
だが、活躍というより暴れて結果、人々を救っていたが多かった。第三者目線だからわかること。
勇者は言うのだ。
「命は大切に」
善人、正義、英雄そんな言葉が似あう奴だが、破壊者、悪魔、疫病神などが一番似合う奴でもあった。
勇者・リョウマと呼ばれていたし、『キム』とも『デストロ』など呼ばれていた。
結果、勇者・リョウマは世界を救うって、みなから勇者は世界を救う救世主として崇められた。
リヴァナラはデラーズの時、転生者を知り、自分の中にいる者たちの知識の中に不思議な力を持つ者がいり事がわかったしこことは別の世界の記憶も多少、だが読めた。
もしかしたら勇者は別の世界の者なのではと考えた。
「ほんと、転生人って」
リヴァナラは魔帝王に隠れ動くようになる。
●●●
リリネッドは下の階に降りて剣を手元に引き寄せた。
「もう辞めよう」
「はあ？」
「その方がいい」
リヴァナラは舐められた態度に怒り、魔力で回りにある物をすべて吹き飛ばした。
リリネッドは剣を刺して吹き飛ばされないように掴むも地面も壊れ下へと落下するも下も戦闘があったように地面がなくさらに落下していく。
リリネッドが上を向くとリヴァナラ姿が変わりは宙に浮いていた。
細い角と大きな翼など、先ほどとは違う、リヴァナラの本来の姿が解放された。
「もう出し惜しみは無しだ！！全魔力と全エネルギーを使って貴様をぶち殺す！！」
リヴァナラは猛スピードで落下していったリリネッドに向かって行く。
その勢いで建物は吹き飛んでいき見晴らしがよくなっていく。
9階にうまく着地したリリネッドはいま、自分にできる事を考える。
腹から出る血を抑えながら向かってくるリヴァナラへの対策を考える。
そしてリリネッドは何かをみつけて拾い上げる。
リヴァナラは9階へとたどり着く前にその階、その階とすれ違った生き物たちを吸収していった。
「つまんねぇ～記憶だ。もっと俺を満足させろよ！！」
リリネッドはその言葉を聞きいて剣から手を離して諦めた。
リヴァナラはそのままリリネッドを吸収した。
●●●
城の外、敵の軍隊の一部が縛られて拘束した状態でサイガ達は上の階の様子を外から見ていた。
「何が起きている。爆発や斬撃、怪物か現れたと思ったら、誰かが飛んで行ったとか、いったい何が起きている」
そこにヘラレスとジャダルクを背をって出てくるシンノスケ。
「彼らを頼みます」
「シンノスケ、ナギ達は無事なのか？」
シンノスケは言葉を閉ざした。がすぐに「大丈夫だ、いまは」と濁してシンノスケはまた城に入ろうとした時、城の瓦礫が落ちて来た。
周りのみんなは、拘束した者達をかついで避ける。シンノスケが上へとみるとリリネッドがリヴァナラに吸収された瞬間を目にする。
「り、リリネッド！！！」
●●●
リヴァナラの中でリリネッドは目を覚ます。
苦しむ人や泣き叫ぶ者、もう死んでしまって動かない人。
「よかった、まだ生きてた」
リリネッド手を前にして一息をついた後に「来い！！」と言った。
●●●
リヴァナラがリリネッドの過去の記憶を見ていた。
「なんだ、コイツ」
リヴァナラ眉を細めていた。そして笑う。
「ハハハァ、面白いぜこりゃ！！ 良くもまぁ勇者を名のれるぜコイツはよぉー。人助け？命？、くっっくくく…ハハハァ。マジで食ってるぜ。勇者に選ばれる奴ってのは狂ってないとなれないのかぁ～」
とみていると後ろから剣が向かってきてリヴァナラが上半身と下半身が分裂した。
「くっそ！！ またかよ！！」
分裂した切り口からリリネッドと生きてい人達を連れて出て来た。
「さすが、万能の剣。できると思えばやってくれる。でもできないことはできない。捻くれた剣だぁ」
リヴァナラはすでに回復してリリネッドの前に立つ。
「終わりにしようぜ、勇者」
「終わりに出来たらねぇ」
「まだ勝てると思ってんのか？ 魔力もほぼないお前が」
「まだあるよ」
「ん？」
リリネッドは右手を胸に当てる。
「力、貰うよ」
そう言ったあと、周りの光る玉がリリネッドの近くに集まりそのまま体の中に入って行った。
「こ、これはまさか」
「『妖精の願い』。妖精さんの魔力を使わせてもらう力」
「なぜ、お前の様な奴が妖精の力を！！」
リリネッドは右手を挙げて人差し指にして叫ぶ。
「『注目！！』」
そう言った瞬間、一定全方位の範囲が囲まれた。リヴァナラは身動きが出来なかった。
「これは、デラーズに掛けた技か。記憶で見たぞ。これでは倒せ…いや待てよ…お前、俺の中に何をいれた？ ま、まさか！！」
リリネッドは口角を上げる。
「ナギの刀を中を置いて言ったなぁぁぁああああ！！！」
リリネッドはピースする。
リヴァナラは取り出そうとするも動けないので取り出すことが出来なかった。
「そうか、この力は強いし意識や攻撃的な感情が出てはイケなかった」
リリネッドは近づき言う。
「もう辞めて自分の世界に帰ってください。お願いします」
頭を下げるリリネッドだったがリヴァナラは否定する。
「俺は帰らない。帰りたくない理由がある」
「理由って？」
頭を上げて首をかしげるリリネッド。
「お前は知らないと思うが魔帝王といると感情が高まり、感情が抑えられなくなるんだ。お前が倒したデラーズやアウロが感情が先走た結果があれだ」
となぜだかぺらぺらとしゃべってしまう口になってしまったリヴァナラ。
「(なんで俺はこんな話を…この力の能力か！！ それに魔力やエネルギーがどんどんなくなっていく。はやく刀を取り出さなければ)」
リヴァナラは殺意や攻撃的な気持ちを抑え込もうとしたがリヴァナラの中にいる魔物から出てる殺意が邪魔していた。
「(ふざけるな！！ この勇者を騙してやろうにもコイツは絶対に俺を信用していない。コイツの思考と記憶を見た俺にはわかる。コイツは俺が誤っても帰ると言っても決してこの力を解くことはない。俺の魔力が完全に消えるまでこの力を解くことは決してない。そう言っている、そう言う目をしている！！)」
だが、リリネッドのとってもいつまで自分の魔力が尽きるかわからなかった妖精たちから貰った魔力が持つかなんて初めての事でわからなかった。
「賭けだ」
そこにシンノスケが空間に入って来た。
「リリネッド」
シンノスケは普通に歩いてリリネッドに近づく。
リリネッドは顔に出ていないが腹から流れる血が大量に流れていた。
「(こんな状態で幹部を負いつけて…リリネッドはやはり選ばれた人) リリネッド回復させてもらいます」
「多分、今はできない」
シンノスケは魔術を使うが出なかった。
「なんで。攻撃の力ではないのに」
「シンノスケから発する無意識の防衛本能のせいかも。だからこれは賭け」
「賭け？」
「私の魔力と血で倒れるのが先か、幹部の魔力が尽きるのが先か。この力を一度、解除したらもう出せない。ここでコイツを倒さないとこの国は守れない。もう無駄な命を、戦いたくない人達を、未来を彼から助けてきゃ」
シンノスケはそっと腹の血を止めるために自分の服の布を使って抑える。
「今、僕にできる事はこれしかありません」
「ありがとう、シンノスケ」
汗流しながらリリネッドは意識を強くした。
リヴァナラは下を咬むことを考えてもそれを実行することもできず、中にいると人間すら取り出す事も出来ずにいた。
と城の限界が来たのか4.5階の柱が壊れたことで、リリネッドとシンノスケは空間事、落下していった。その瞬間、リヴァナラは浮いていたので落下せずそのままでいた。
そして空間から出た瞬間、刀を体から取り出して捨て、近くの足場に着地する。
「っくそ！！ (不思議な力が使えない！！ 魔力が少ない！！ 逃げｒ…)」
リヴァナラはリリネッドの目を思い出して引き返す足を戻す。
「(今に逃げたら…俺は…)」
リヴァナラは振り返ると同時に、下から剣の反動で上に上がって来たリリネッド。
傷はシンノスケに直していた。
リリネッドはリヴァナラのいる階に着地して見つめ合う。
二人とも息を切らしていた。
「リリネッド、いやここは勇者と言っておこうか」
「…。」
「我が王は旧勇者を探している。王と交渉したければ旧勇者を見つける事だな」
「なんでそんなことを私に？」
「さぁ～先の力が少し残ってるのかもな」
リリネッドは剣を構える。
「(残機は71回。だが、あの剣を人きりでもしたら俺は倒れる。だが、なぜだろうなぁ。逃げたら負けると思っちまったのは)」
全魔力を使って動き出すリヴァナラに、リリネッドは剣を突き出して前に出る。
外にいる者、深海底国に残された者、そして勇者の勝利をみんなが勇者を応援する。
その思いが剣に集まり力となり魔力となり大きく光りだした。
リリネッドは気にせず、前と進む、リヴァナラも全魔力を全身に纏いエネルギー球を左手に溜めて拳に変えて振り被りながらリリネッドに向かって殴りつける。
リリネッドは神、女神、黒い影に言われた「死にすぎ」や「不死身の力」を思い出す。そして誓うことにしたもう死なない。なるべく不死身の力を頼らないことを。そして額の傷に誓って負けないことを。
「勝つんだあ！！」
拳を剣で受け止めて衝撃を跳ね返し、リヴァナラがそれによろけた所で剣のブレイド部分でリヴァナラを勢いよく振り被りながら殴りぶっ飛ばす。
顔面にもろに喰らったリヴァナラはそのまま、4階の高さから落下して落ちる。
リリネッドは勢いでよろけるっも足を踏ん張って立つ。そして落ちた場所を確認しに行くと、そこにはリヴァナラはいなかった。
少し経ったあと、シンノスケが上がって来た。
「し、し、シンノスケ」
息を切らしながら名前を呼ぶ。そしてシンノスケも息を切らしながら言う。
「アイツは、空間を作って消えたって、観ていた人たちが言っていた」
「それって」
「多分だが…僕達の勝だ」
リリネッドはその言葉を聞いた途端に倒れた。
長い、長い支配は終わり、長い長い否定共存は終わり、長い長い戦いは終わるのであった。
だが、それぞれの想いをぶつけ合うのはこれから。国と国が上手くいくためにはこれからである。
それでも一歩、新たな時代のたった小さな一歩が動き出した。
誰も望まなかった、誰も予想できなかった、誰も期待してなかった、少女がそれを動かした。
利用されるだけの彼女が。
だが、波乱はすぐに訪れる。
兵士の一人が叫ぶ
「ま、ま、魔帝王だああぁぁぁあああああ！！！！！」
城の外で魔帝王が無音と共に現れた。
