第6章 新たな仲間と旅立ち
数年前の事、ヒジナシは古い城の中の庭に栽培を作っていた。そこだけ雪を積もらせないように工夫がされていて。
「やはりここはいい土だ」
ヒジナシが育てている野菜を見渡していると一体の魔物が何かを伝えに来た。
「何? 警備の魔物が全滅している?だと」
ヒジナシはその場所に向かう。
そこにはナギが魔物を斬りつけていた。
「これだけの魔物をこんなガキが?」
「なんじゃ、貴様か村に魔物の放っているのわ」
「魔物が村に……(そうか警備に出ている魔物が)」
「あの村はワシの育った村でなあ~あの村に手を出すならワシは貴様を斬る」
ヒジナシは倒れている魔物を見て考えた。
「俺たちはここから出ていくつもりはないし、魔物達も野放しをやめる気はない。こちらにも事情がある。だからこうしないか?」
「なんじゃ?」
「貴様からは獣のにおいがする戦い好きのにおいがなあ」
「じゃからどーしたのだ?」
「俺たちは5年間後にはここから出ていくつもりだ。その間、貴様は村に入ろうとする魔物を駆除すればいい」
「貴様を斬ればそんなこと関係なくなる…と言いたいがワルクナイ」
「(やはりこいつは戦場が好きなやつだったか。俺は嫌いだがな)、死んでも恨むなよ」
「そちらこそ魔物が全滅しないことにならないといいな」
「(5年あれば魔帝国に美味しい野菜を量産できる技術が完成できる。それにここの土の成分も取れる。うまくいけば深海底国とも話がまとめられる)」
ヒジナシとナギは約束の握手を交わした。
そしてそれからナギは雪林の中で一人で村を守り続けて遠目から観に来た人たちは彼女を見て〈鬼がいる〉と噂がたち近寄るものがいなくなった。
●●●
ヒジナシがいた城にリリネッド達はいた。ナギは燃えた野菜や植物の残骸を見ていた。
「俺たちは村に戻るけど、白ヤギさんはどーする?」
「誰が飲まずに食べるんじゃ。 ワシも降りる。 ここにいる理由がなくなったじゃから」
ナギが焦げている城を見て思う。
「ふん、いや…まあいいか。そんなことよりリリネッドよ」
「なに?」
「そのモコモコしたモンスターはおいて行けよ」
ヒジナシの本当の姿に戻ったモコモコしたモンスターのモコンス。
「でも、何もしてこないよこの子」
「だが、元はアレじゃぞ?」
リリネッドはすこし不服そうな顔をしながら手元から離して3人は村に戻ることにした。
●●●
村に戻ると村に女性のペギーサが待っていた。横には盗賊が杖を使って立っていた。
「あ、盗賊がいる」
「よし、敵じゃな。斬るか」
「ダ~メ」
ナギは構えた剣を下げる。
「体はよくなりました?」
「ああ、少しだけどなぁ。ありがとう助かった」
クロウが入ってしゃべる。
「誰にその呪いを付けられたんだ?」
「ここから北にある森に洞窟のダンジョン があってその中で仲間と入ったんだが魔物と出くわして仲間は俺をおいて逃げたから多分だけど大丈夫だと思うけど俺だけその魔物に呪いを付けられたってわけさぁ」
「北のダンジョンかぁ。行くか?」
「行かない。ところでお姉さん、雪林にいた魔物の幹部?は倒しておいたよ。これで寒さはなくなったね」
「あ、ありがとう…ございます」
ペギーサは何となく御礼を言った。
「でも、モンスターは普通に出てくるから栽培の時には近付いてくるけど…」
「そうだな、ど~する?」
「どーするって言われても…」
リリネッドはナギを見る。
「この子は、どうですか?用心棒に」
「用心棒?、こんな小さい子が」
「幹部を倒した子です、役に立つと思いますよ」
ペギーサは嬉しそうな顔で喜んだ。
「勇者様が言うなら」
と話が続きそうなところをナギが止める。
「待て、ワシがここの用心棒?、ふざけているのか」
「いやなの?」
「いやじゃな」
「なんで?村のために戦っていたんでしょ?」
「もう幹部もいないし村の恩も返した。モンスターが村に近寄っていたのは知らなかったじゃが関係ない。ワシはお前さんと旅がしたい。お前さんの…勇者との旅がしたいのじゃ」
とナギが言う。
リリネッドは少し驚いた表情を見せたあと頷きナギに言う。
「ごめん、無理、いらない」
「え?」
「いらない」
「なんで?」
「クロウ、行こう」
「待ってくれ~、ワシの何が嫌じゃ? 何が不満じゃ? 何が気に食わなかったんじゃ?」
「強いて言えば、あまりパーティを増やしたくないかな」
「え、それだけ?」
「うん」
「マジか、で、でも仲間がいればこころ強いじゃろ」
「う~~~~~ん、クロウの魔法だけあれば楽だし問題ない」
クロウは少し嫌な顔をした。
「いや、勇者様。馬鹿なんですか?、アホなんですか?」
「うん?」
「前に言っただろう、そんなに俺は魔法を使えない、上級の魔法は1回が」
という前にリリネッドが止める。
「そういえば移動魔法は一回って言っていたけど前に私を移動させた時に行きと帰りそしてクロウがも自分自身に使って行ったけどアレで4回ほど使ってたよねぇ。1回って嘘じゃん」
「ははぁん、気が付きました」
「嘘じゃん、詐欺じゃん」
「まぁ~、でもそんなに使うことはできないのは本当だぁ~」
「もーいいよ。ということなのでナギはパーティにはいらない」
「何がということでなんじゃ?」
リリネッドは頭を掻いてから口を開く。
「じゃ~盗賊さん」
「ああ、カイジョーです」
「カイジョーさん、一緒に旅しません? あなたの呪いを時にいきましょ」
「え!? お、俺ですか?」
「そう」
盗賊のカイジョーはナギの方を見るとナギの顔が鬼のようになった。
「あ、いや、その…治してくれるのは嬉しいのだが…俺はまだ~その~」
クロウはリリネッドとナギの腕を掴む。
「じゃ~北の洞窟だな?、何とかしといてやるからお前はこの村を守れ。わかったな」
「え? は、はい」
クロウは二人を連れてテレポートした。
●●●
北の洞窟の近くにある村『アイハイル村』に着いたとたんクロウは倒れた。
リリネッドとナギはクロウを引きずりながら宿に泊まり一日過ごした。
クロウをうつ伏せで寝かせた後、別に部屋でリリネッドとナギは腰を下ろす。
「久しぶりに布団で寝れる」
「ナギはずーっと雪が降る場所でいたの?」
「まぁ~な」
「そういえば、何百年も眠っていたらしいけどその前って何してたの?」
「普通にあの村で過ごしていたよ」
「ふう~ん」
「ああ」
「………なんかしゃべり方変えた?」
「あ!! 変えてないじゃろ」
「そっか、気のせいか」
隣の部屋のクロウはうつ伏せの状態で思った。
「(やっぱ、キャラ付けかよ・・・)」