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勇者を利用する者たちの冒険  作者: とり飼ジン
リヴァナラ篇 ~激戦開戦~
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第54章 開戦の狼煙と過去の始まり

 城へ向かう為のクロウ達が作戦を考えた。

ナギとサイガ率いる前衛軍が城の外で待つ軍勢を相手にしずつ、ユースとジャダルク率いる第2班の前衛軍が城に攻め込む。


入ったら上級魔法使いがゲート作り、残った軍隊を入れてみなが入ったのを確認したらゲートを作った者はそのゲートから出る。


勇者リリネッドを魔帝国の幹部のリヴァナラの場所に向かわせる。その他の相手をクロウ、シンノスケ、深海底国代表ヘラレス、レニダス達がする。


ポウラパーティと数人の冒険者は深海底国が攻められた時の為に待機。


最終目的と最速でボスのリヴァナラを打ち取る事がこの戦の終わり。


それが皆が話し合って決めたざっくりとした作戦である。




 ●●●



 日が昇り始めた時間帯。

軍勢の皆は今か今かとピリついていた。


 シンノスケはクロウに僧侶の魔術を受けていた。

「前にも言いましたがクロウのその呪いは誰にも溶けない厄介な奴です」

「知ってるよ」

「誰に受けたんですか?」


黙るクロウ。


「僕の魔術はクロウが使う魔力を半減にしているだけでその呪いの隙を作ってるだけに過ぎない」

「それでも助かるぜ」

「魔法使いって便利ですが面倒な職業えすよね」

「ん?」

「格闘家は魔力を体に流し込むことに特化、剣士やスナイパーなど武器を使う職業の者は物への魔力を流し込むことに特化。僕の様な僧侶や遊び人、猛獣使いなどは魔力を何かに変換することに特化しますが魔法使いは魔力を別のエネルギーへと変換してから形にして自身の魔力を使ってそれを魔術に変換するって」


話を聞きながらクロウは魔術が聞いてきたのを感じた。

「それでも誰でもなれるし僧侶や格闘家と違ってセンスがなくても誰でもなれる。下級魔法だけでも魔物やモンスターを簡単に倒せるし、生活面でも役に立つ。いずれは魔法使いの時代が来るだろうな」


と話していると城の方から法螺を吹いた音が鳴り響いた。


戦闘に立つナギが胸に手を当てながら目を瞑っていた。

少し息つぎをしたとに大きな声を上げてから刀を抜く。


「行くぞ!!」


ナギとサイガ率いる前衛軍が動くと同時にクロウが地面手をやり、召喚魔法で大きな鳥のモンスターを呼び出してリリネッドを捕まえさせて、城の中央ぐらいに突っ込ませた。


ナギたちは「はああ!!?」と叫ぶ。

城にいた数人も同じ状況で驚いていた。


クロウはアホずら下げて首の骨の音を鳴らしながら言う。

「どうせ、トラブル起こすならこっちから、逆に起こしてやろうかと思って」




 ●●●



 召喚されたモンスターは城に入った瞬間、消えた。

リリネッドは困惑しながら立ち上がり、周りを見渡す。

そこには一人の女性、魔帝国の幹部が一人のヴォワゴレレが寝ていた。


「この状況で寝ているとは舐めてますね」

「シンノスケ!!」


法螺が吹くほんの少し前ぐらいにクロウが何やら変な笑みを浮かべていたのを見たシンノスケは何か変は事を思い付いたなと感じ取っていた。


「兎に角、これでショートカットできたので早く上に向かいましょ」

「そうだね」


上に向かい階段へと動きだそうとした時、寝ているヴォワゴレレが口を開く。

「それは、無理だよ」


二人が振り向きヴォワゴレレの方を見る。

ヴォワゴレレは布団に入りながら上半身だけ起き上がりアイマスクを外して二人を見る。

目と目が合った瞬間、二人は倒れこんで寝てしまった。


「お休み、君たちの悪夢へと、いってらっしゃい」


そう言ってヴォワゴレレも寝る。




 ●●●




一部作戦が変わったがナギ達は作戦通りに動き、外にいる軍勢を相手にしてユースたちを中に入る事に成功し、ゲートを作り、クロウ達も城の中に入る。




 ●●●



城の頂上にいるリヴァナラは嬉しそうに待つ。

「入って来たね」


幹部のアイ、オーロ、エッツ、イェーリ達もそこに揃っていた。

「まさか、あんな方法で入ってくるとは、さすが勇者だね。それでもアタイの考えの計画通り。手の上にだよ。勝ち筋は変らない」


エッツは長いひげを触りながら考え込む。

「(かなり強い魔法使いがいるようじゃ。上級が数人と中堅が大勢と召喚魔法を使った奴。そいつと戦いたいわい)」


リヴァナラはオーロの肩に手を置く。

「オーロは俺のいる下の階いてよ。いつでも城を動かせるようにイェーリは好きに暴れていいから」

「アンタは高みの見物かい?」

「ひどいなぁ~イェーリ。俺もちゃんと動くよ。欲しいものは奪うし、いらない物を壊すのが俺の座右だからねぇ。それに壊れるならより残酷にしないとね」


リヴァナラは手を一かい叩き言った。

「さぁ、持ち場にみなさん向かいましょう」


幹部のみんなは動き出す。そしてリヴァナラは城から見える深海底国を見る。

「状況を見て動きますか」




 ●●●



 リリネッドは目を覚ました。

周りを見渡しどこかで見たような景色をだった。

城の中ではなくどこかの村の外にいた。

見覚えのある村に、見覚えのある村から離れた教会。

「ここ、マトリ村?」


リリネッドは自分の手を見ると透けていた。

とそこに一人の子供が血相な顔で家から飛び出してきて医者の家の扉を乱暴に叩き始めた。

「おいしゃさん、おいしゃさん!! 母さんが…か…さんが」


子供は泣きながら扉の前に座り込む。


リリネッドはその子供に見覚えがあった。というより誰かに似ていた。

「シンノスケ?」




 ●●●



 シンノスケが倒れこんでいた場所は薄暗く白い霧が掛かっていた。

流れる水が濁り、その辺にはごみが山の様に積もれ沢山あった。

ゴミの中には死体や、危険物まであった。

「ここはなんだ!?」


周りを見渡していると死体の肉を食べている幼女や男児がいた。

「なんてところだ」


シンノスケは歩き続けていた時、見かける毒を持つ虫、実験に失敗して捨てられた危険生物のような変異体もそこにいた。

「本当にここはどこなんですか?」


一人の子供に目に入って足を止めた。子供は体育座りで死体のかまくらの中にいた。

霧でよく見えない筈なのにそこだけ光が当たったかのように良く見えていた。

髪はぼさぼさで傷だらけの目は虚ろで片方はなく左腕もない、服もボロボロで今にも餓死寸前であった。

シンノスケは見覚えのあるその子供を見て名前がこぼれた。

「り、リリ、ネッド? まさか…」


子供はただ、一転を見ていた。まるでシンノスケが見えているかのように目が合っていた。




 ●●●



城内の外でナギとサイガそして、仲間たちは次々と敵を倒していくなか、敵の援軍が来た。

援軍は4.5人が馬に乗り入って来た。

「奴らの首を…サイガ!!」


サイガは名前を呼んだ人の方を見る。

「と、父さん!!」

「なんじゃと!!」


サイガは父と再会をした。




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