第51章 勇者はまたしても事件に巻き込まれる
リリネッドとアウラが戦闘を行っている時。
魔帝国に戻っているリヴァナラは今後の計画を話していた。
「ということで勇者は深海底国とより良い絆を繋ぎ、魔帝国を代表としてアウラを入れた3か国の同盟が完成すると思います」
「それは本当か?」
「はい、俺の計画通りなら」
「そうか…それはいい。うまくいくといいが」
「そうですね。(まあ~本当はアウラが深海底国を滅ばして人間との絆なんて繋がらないで大戦争を起こすってのが本当の計画だけど…アイが勇者の動きが読めないから結果がどっちの転がるかわからないって言ってたけど…まぁ~何人か内の国の冒険者が住人を連れて行かせたからまあ~いいか)」
「リヴァナラ、よくやった」
「あ? はい、任せてください。とりあえず、彼らが帰って来てからが本番なのでその後にまた報告に上がります」
リヴァナラは頭を下げてその場を去った。
魔帝王は安心して玉座に座る。
その瞬間、強い鎖に縛り付けられ、謎の籠に閉じ込められた。
「これは?」
リヴァナラが去ったあと誰もいなかった部屋に一人、柱の後ろにいつの間にかスッと現れた。
その人物は大きな黒い羽根を生やした男だった。
「魔帝王、これから起きる物語にアンタは邪魔だ。そこで事の顛末を見届けてもらおう」
魔帝王は力で鎖を引きちぎろうと動くもその力が全部が自分に戻って来た。
「衝撃が!!」
「動くなよ魔帝王…天界は独立国家へとなった時、一番最初にこの国を襲ってやる」
「待て、お前は誰だ! なぜこの国にこれた?」
「それは教えられないなぁ」
男はそう言ってその場を去っていった。
魔帝王は他にも仕掛けがあるかも知れないと思い、動くのを辞めた。
「幹部が来るのを待とう…」
●●●
現在、ホワブラ国の港近くの海に突如と現れた深海底国の一部。
深海底国は上に完全に出た後、引き寄せるようにホワブラ国に近づく、そして一定の場所に止まりそこにまるで前から合ったかのような島の様に動くがなく留まった。
近くにいた住人は驚き、世界に報じた。
数時間後、ホワブラ国の兵士が探索に行き、状況を見ると深海底国の住人と人間が助け合うように庇い合っていた。
そこに一人の冒険者の男が立ち上がり事の顛末を高らかに話し出した。
『勇者が深海底国を支配しようと動いた魔帝国の幹部を倒す為に、たった一人で乗り込んで戦い、その仲間は深海底国と共に手と手を繋ぎ結束を強くして幹部を二人倒した。幹部は怒り狂ってこの状況を作り出した by サイガ』
その話を聞いた兵士はすぐに国に戻り、世界に報じた。
サイガの高笑いで先に目覚めた、深海底国の王のリチャード・フィングスがすぐに治療と回復をする為に倒れる人々を城に入れた。
そして数日がたった時、深海底国の医療室でベッドでリリネッドが目覚める。
クロウとシンノスケが近寄り安心した顔を見せた。
「ここは?」
「まだ、深海底国の中だ。外に出たいが状況を知りたいってことで俺たちが動けないんだ」
「忘れてはいましたが僕たちは近くのホワブラ国の王を暗殺してしまったからね」
リリネッドはキョトンっとした顔を見せた。
「ああ、お前忘れているな」
「まあ~仕方がないですよね、いろいろあったようなので」
「てめぇ~の頭がパンクしない程度に整理してやるから頭に叩き込めよ。ついでにお前にこれまでの出来事も聞く」
イラっとしいるクロウはリリネッドの頭を鷲掴みにする。
そして長い話が始まって数時間が経った。
「で俺たちは今に至るってことだな」
「そうだね」
「そうですね」
クロウは部屋の窓に近寄りそこから見える光景を言う。
「本当になんでこうも立て続けに休むことがなく、事件が起きるかなぁ~」
窓の外に勇者をイメージした旗があちらこちらに掲げられていて深海底国にいる住民と助けられた人々とホワブラ国の一部の住人が集まっていて、その国と国と境目に仁王立ちで立ち尽くす、ナギが刀を掲げて大きな声で叫びあげた。
「戦争じゃーーーああぁああ!!!!!!」
●●●
ホワブラ国の城までその声が聞こえてきていた。
王子に成りすます、リヴァナラは偉そうに玉座でフルーツを食べながら待つ。
「さて、そろそろ始めようか」
リヴァナラの前に立つ4人の幹部とその兵士達。
ホワブラ国と深海底国の全面戦争が起き始めていた。




