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勇者を利用する者たちの冒険  作者: とり飼ジン
第1部 勇者始めました
5/24

第5章 暗闇から光へ


少し前に時は戻る。

 魔帝城での中で玉座に座る王はルギアラと通信で話していた。

『やはり読み通り、()()()()村に向かっているらしいです』

「そうか、それと…」

『王が気にしていた旧勇者が持っていた剣を現在の勇者が持っていることも確認しました』

「ルギアラ、それが確かならそこから旧勇者の場所を見つけ出すことができるかもしれんな」

『はい』


 と話していると一人の幹部がオラオラしながら来た。

「おいおいおいおいおいおいおいおいおいおいおいおい!! 王よー、俺様に任せてくださいよぉ」

()()()

 ルギアラが話に入る。


「ルギちゃんよ、もう遅せぇーよ」

 そう言ってオルガは一瞬にして消えていなくなった。

『アイツ』

「仕方がない。ルギアラ、お前は深海帝国(しんかいていこく)に行ってくれ」

『ですが!』

「いい、あっちはオルガに任せよう。それにあそこには十三ヶ(じゅうさんが)騎士団(きしだん)がいたはず」

『王がそう言うのであれば、了解しました』


王は通信を切ってため息をした。

それを隠れて聞いていた幹部の一人が動く。



 ●●●



 暴力的で暴言な言い方で暴行な動きばかりをするオルガはヒジナシを蹴り続ける。

「王はなんでこんな奴らをよぉ~!!!」

 オルガは蹴り潰そうとした時、リリネッドが前に立って止める。

「駄目だよ」

「あ゛あ゛あ゛ぁ!! お前が勇者だなぁ。なんでお前がこいつを庇うんだああぁ…ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ァ!!!」

「うるさぁ、顔が近っか!」

「女? 勇者が? マジかよ、あり得ねぇーわ」


とリリネッドとオルガの距離をとれせるようにクロウが前に入る。

「そーいうのマジないよ、今の時代」

「あ゛あ゛ぁ!!」

「女性差別はよくなよ。誰かは知らないけど」

「てめぇーも誰だ?まず名乗れよ」

「お前から名乗れよ」

「あ゛あ゛ぁ!!、てめぇーからだろうが!!!!!」


争っているとリリネッドがクロウをなだめてから話を続ける。


「私は、リリネッド あなたは?」

「俺りゃーは、()()()()()()()()()。魔帝国の王が認めた幹部の一人だぁー!!!!」


名乗り終わったと同時にリリネッドはヒジナシに近寄り状態を確認する。

「おいおいおいおい!!! そいつは敵だろうがぁ!!!」

「私はまだ、何もされてない」

「何かされたら見捨てるのかコイツは」

 オルガはボソッと言う。とその時、空から光の速さで降ってきた者が現れた。雪煙が消え姿が見えた所でオルガが驚いて名前を言う。


「おいおいおいおい!!()()()()()()!!?」

「いや~オルガ。楽しそうなことをしてるねぇ~で、勇者はどこだい?」

 ロヤアマーンはリリネッドをみてガッカリした顔を出す。


「オルガ~、コイツが勇者かい?」

「ああ、そうだよ」

「へぇ~………うっざ~」


 ロヤアマーンは見えない速度でリリネッドのゼロ距離で近づいた。

「へぇ~かわいいねぇ~」

「うっ息がくっさい」

「ゆ~ねぇ~」


 そこにがっと立ち上がってヒジナシが大声で叫ぶ。

「どいつもこいつもウルセぇー!!!」

 ヒジナシはロヤアマーンに攻撃を仕掛けようとした瞬間にロヤアマーンは殺気を放って口を動かす。

「お前ぇ誰?」


 ロヤアマーンは右手上げて一本の指先をヒジナシに向けてその先から光のビームを出した。するとヒジナシは煙のように姿を変えて行った。煙が集まり塊になり元の姿に戻てモコモコしたモンスターにもどった。

「王から、貰った力を自分勝手に使う、お前たちは要らないんだ~よん」

 ロヤアマーンはとどめを刺そうとした瞬間、リリネッドが止めに入ろうとしたのと同時にクロウとナギが前に立ち、ロヤアマーンの手をオルガが止める。

「もういい」

「何言って~だい、オルガ」

「あ゛あ゛ぁ?」

「コイツは100%、旧勇者を知らない。なんの情報もない。ここで殺そう。剣はお前の死体を括り付けて運べばいい」


 ロヤアマーンは魔力を全力で湧き出させる。

「僕は魔帝王が認めた幹部の一人だ~よ」


 ロヤアマーンの魔力が周囲を巻き散らしその勢いの強さでオルガも動けなくなった。

「めんどくせぇー、俺はもう知らん。 あとは任せる」

 オルガは空高く飛んで行った。その光景を見上げて独り言うロヤアマーン。

「なんだ行くのか~、さてじゃ~~そろそろ行こうか」

 ロヤアマーンは右手を前に出してビームを放つ。

 リリネッドに向かって行ったかクロウが魔法陣の壁を作り守り押し飛ばす。

「危ないなぁ~」

「じゃまだよ君。誰?」

 ロヤアマーンは続けてビームを放つもクロウが守っていたがクロウの顔が強張る。

「大丈夫、クロウ?」

「いや、無理」

「うぇええ!?」


 リリネッドはクロウの首ら辺を見ると何かが浮き出ているのに気が付いた。

「クロウ!!」

 クロウの魔法が弱まっていた。

 ロヤアマーンは先ほどとは違く大きなビームを放つとクロウがそのビームを守ることができず魔法陣が壊れた。その衝撃でナギも巻き込まれて倒れこむ。

 ロヤアマーンは両手を取り出して指先のすべてからビームを放ち爆発を起こさせる。

 クロウとリリネッドは木の陰に隠れて隙を見ているとナギに向かって大きなビームが向かっていった。ナギは剣で立ち向かおうとしたが倒れた時に剣を離してしまい足元に転がっていた。ナギが剣を拾い上げようとしても遅いと思ったのか受け入れたのか棒立ちになった。

「ここまでじゃな…すまぬ。50年は生きられなかったな。踊ることも出来ぬとは」

とその時、リリネッドがクロウの魔法でナギの近くに飛んで助けた。

「な、なんだ!!」

 驚いたロヤアマーンは攻撃をやめる。


「お主」

「大丈夫?」

「危ないじゃろ」

「まあね」

「なぜ、こんな危険な事を」

「勇者だからかな?」

「勇…者!」

「よくまだわからないけど。 勇者ってそーいうもんじゃないの?」

「はあ?」

二人が話しているとロヤアマーンが叫ぶ。

「も~いいかな~?最後の会わぁ~!」

リリネッドがロヤアマーンの方を見た瞬間にふっとナギの気配が消えたのが感じたのと同時にロヤアマーンの真後ろに立って居合の構えをとりロヤアマーンが気が付くコンマ数秒前に上に斬り上げた。

「ゔゔ!!」

ナギは斬り上げたあと、ロヤアマーン向かって剣の先を突き付けて突っ込んで攻撃して体に貫通させた後、剣が持つ能力の魔力を吸収して剣を体から離してから勢いを作って体を回転させて斬り斬撃を飛ばした。飛ばした斬撃がロヤアマーンに直撃して体が木っ端微塵(こっぱみじん)になった。

「勇者リリネッド、礼を言う…ありがとう」


曇っていた空が一光をさし始めた。

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