第43章 再開と戦闘
リリネッドが背を向けている時、十三ヶ騎士団のホーキャスが素早く、動いて掴もうと手を伸ばすも、ユースがその手を止める。
「汚い手でこの人に触るな!」
「邪魔だ、人間」
ホーキャスに魔法の鎖が巻かれ身動きが取れなくなる。
クロウが鎖の魔法を掛けて止めた。
「前々から思ってたけど、なんでそんなに主人公感が強いんだ? お前は」
クロウがリリネッドを見る。
「クロウ…」
「本当に事件に巻き込まれるくせに強運で生きてるな」
「そうかな?」
クロウは頭を掻きながらコップを取り出して魔法で水を作ってそれをリリネッドに渡す。
「で、なんで王様殺しして、次は王様を人質とったみたいな状況になってんの?」
「わからない」
「そうか、わからないのか~。それは仕方がないねぇ~。…ぶっ飛ばすぞい!」
笑顔でそうれ言うクロウは、リリネッドがどうしようとシンノスケの方を見る。
シンノスケも敵の方を気にしながらリリネッドの方へ移動する。
「本当に心配したんですよ。怪我は、感染は、どこか気持ち悪いところはありませんか?」
「頭がぐるぐるしてる」
「そうですか、このお馬鹿さん。もう大丈夫ですよ、僕たちが考えてあげるので貴方は何となく覚えていれば」
シンノスケはリリネッドの頭に手を置く。
その手をポウラが払う。
「オイラの嫁じゃ」
「やれやれ困りましたね」
そん所にリチャード・フィングスが叫ぶ。
「もう再開の話し合いは終わったか!? この縛られている奴を…」
アウロが背から黒い触手を出して攻撃を仕掛け、続けてアウロの後ろにいたヴォンズが小さく細い体に変えてホーキャスの所に向かって、素早く鎖を壊しつづ、腕を伸ばしてリリネッドを掴もうと掛ける。
油断しているリリネッドがきょとんしている。とそれ以外のメンバーはスバっと動き出した。
ユースはヴォンズの腕を止めて、サイガはヴォンズに向かって突撃してその勢いで外に落ちて腕を掴まれたユースも一緒に落ちる。
ルイバーは大きなハンマーを取り出して、縛られているリチャード・フィングスに攻撃をする寸前にシンノスケに止められる。
動けるようになったホーキャスはクロウを掴んで、外にぶん投げたが、飛ばされる寸前に魔法で鎖を作りホーキャスに聞き手に巻き付けて一緒に飛んで行った。
アウロの触手をポウラの仲間のエクエス、ルーベル、キュルアが止めるもリリネッドを捕まえて城から離れて行った。
「オイラの嫁が!!」と言っている時に後ろから魚人が襲い掛かるもその殺気を感じてポウラは剣で受け止める。
「これは大事になっているな!!」
●●●
城の外の深海底国の真下に落ちたサイガ、ユースそしてヴォンズ。
「やれやれ、なんだあの生き物は!」
ヴォンズの体がぐっちょぐっちょと体を変えた、筋肉質のある体に変え背も高かくなった。
「も、もうや、や、やめ、やめま、やめましょう。き、きみ、君を殺したくない」
「わかった、手加減はしてあげられないぞ」
二人が向き合っている時、無数の剣を羽で作ったユースが下りて来た。
「全く、サイガ。君の体はどうかしている? この高さから落ちて平然としているなんて」
「うん? ユース来ていたのか?」
「あのバケモノに掴まれてねぇ、というか君がツッコんだおかげで巻き込まれたんだけどね」
ヴォンズは両腕を合わせ、両手からエネルギーのビームを出した。
二人は瞬時に避ける。
「面白い攻撃だ!」
「これはいわゆる、かめはめ波だね」
「なんだそれは、君はわからなくていいことだ」
●●●
クロウと、ホーキャスは深海底国の2段目の暗がりの路地に落ちていた。
「さて、早く終わらせて、勇者の所に戻らないとな」
「お前、邪魔するな、雑魚」
「どうやって戻る? 幹部もいるけど瞬間移動はあと1回出来たとして、その後の事を考えると温存もして置きたいしなぁ~」
「無視、よくない」
ホーキャスが拳をクロウに振り下ろすもクロウがノールックの魔法を使ってホーキャスを止めた。
大きなため息をして頭を掻くクロウはホーキャスを見上げる。
「なんか勘違いしているようだけど…あの中でお前が一番弱いんだぜ。自覚してなさそうだけど」
「何を!!」
「俺は今考えているんだ、その姿でまだ居たいのならどっか行ってろ」
ホーキャスは血管が切れるほど怒り狂った。
「この俺は魔帝王の幹部で十三ヶ騎士団の一人のホーキャスだ!! 人間が魔物を舐めるなぁー!!」
ホーキャスはおもいッきりクロウに向かって突っ込んでいく。
クロウは杖を取り出してノールックで杖をホーキャスに向けて、魔法陣を作り破壊力のある光のビームをぶつけた。
ホーキャスは止まる事が出来ずそのままビームに直撃する。体が人型から仔馬の様なモンスターに戻りそのまま消えていった。
「さてと、下級の魔法一発で終わったけど、魔帝王はどうしてモンスターを魔物化して自分の部下だと思わせてんだ。こんな無感情の生き物たちを」
クロウは独り言を言ったあと、その場を去ってすぐに上へといける場所を探しに動いた。
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城の中の王室で戦っていたシンノスケ、ポウラのパーティはリチャード・フィングスを守りながら外へ出て、城の前まで移動していた。
だが、外には人間と魔物が大量に待っていた。
「こ、これは!?」
「外には俺の部下が待っているぜ!!」
ルイバーが大きなハンマーを肩に背をいながら言った。
リチャード・フィングスはルイバーに問う。
「なぜ、わが国の兵士であるお前がこんなことを?」
「なぜだと…俺はこの国を滅ぼすためにやってんだ。人間と仲良くしたいというヘラレスの考えが吐き気がする。だからアイツに操った人間をぶつけて絶望させようとしたが…アイツはそれを感づいたのかすぐに殺そうとしないで気絶させて戦い始めやがった。だからアンタの首を狙おうとしたんだがなぁ~」
「ルイバー…」
「人間も人魚も魚人も滅びればいい、最後に生き残るのは魔帝国だけでいい」
シンノスケはルイバーに聞く。
「人間を操っている?」
「あ!?、悪い口が滑った」
「この国は人間を嫌っているらしいですね。ここに向かっている時にそんな話を聞きました。それなのに、こんな事をして…」
シンノスケは怒り始める。
「正気ですか、貴方?」
「人間が俺に意見してんじゃ~ねぇ~よ!!!」
シンノスケとルイバーが動き出す。




