第42章 事件は事件を起こす
ヘラレスは裁判部屋から出て外へとみると、魔物と人間たちが街を襲っていた。
「どうして、いま?」
ヘラレスが困惑していると、裁判所の方で市民たちが強い言葉聴こえて来た。
「ほら、これだから人間は信用できない!」
「魔物まで連れてきて俺たちの居場所を奪いに来たんだ!」
「あっちが戦う気ならこっちだってやってやてやるぞ!!」
ヘラレスはすぐに部屋に戻り、市民たちを落ち着かせようとした時に、背後から銅器なもので人間に殴られる。
ヘラレスは殴って来た人間を見ると、黒目が廃色の様になっているのに気が付く。
「な、どういう?」
だがそれに気が付かない市民たちは人間が襲って来た事に怒りだす。
「人間たちがここまで来たぞ」
「みんなやってやるぞ!!」
「「「「うぉおおおお!!!」」」」」
市民たちは人間たちに襲い掛かった。同時に人間たちも襲い始める。
「み、みんな待つんだ!!」
だれもヘラレスの声に耳を傾ける者はいなかった。
「どうしてこんなことに…なぜ人間が」
床に手を付け残念がるヘラレス。
そこに縛られながらもがんばって近寄るリリネッドは声をかけた。
「ねぇ~、裁判終わり? 私はどうしたらいい?」
「…。」
「私は役に立てた?」
「こんな事をしている場合じゃないなぁ」
「え、がっつり無視だ」
ヘラレスは立ち上がり、外へと出て行った。
「うっえぇ~…どうしよう…」
と背後から太い木の棒で殴りかかろうとする市民の魚人。
すぐに気が付き避けたリリネッドだったが、複数人に囲まれ始めていた。
「ありゃりゃ、ヤバいどうしよう」
少し、焦るリリネッドだった。
●●●
地上から深海底国に行くためには海流の道を通る必要がある。
その通路に通る際に警戒することはいくつかある。
1つは、海の中に襲ってくる狂暴な魚やモンスター。
これからそこそこの実力のある冒険者なら問題ないこと。
2つ目は、海流の勢いに飛ばされないこと。
海流は早く勢いが有るため飛ばされて出てしまう。戻る事は出来ず、また水深が低い為上へと戻るためには浮上する魔術で上がる必要がある。魔法使いか、僧侶が必須。
3つ目は、海流に流れてくる生き物への対応。
海に生きる物なら海流に戻る事は出来きたりどこからか巻き込まれて入ってきたりすることもある。その際に毒を持つ者いるため、それに接触したら命があぶない。僧侶のような状態を回復してくれるものが必須。
特にメデギンチャクという物に触れると全身がマヒになり、少しつづ体が動かなく、目がかすみ、息が苦しくなり、そして死んでしまう危険な海洋生物。
現在は地上から深海底国に行くための気流は閉ざされてしまった行くことはできないが当時は行くためには海流にはそれ用の乗り物などに乗っていくのが最も安全な方法だった。
生身で行くようなものは数百年前じゃーなければありえない。
そうありえないのである。
●●●
数十分前の事。
唯一、残った深海底国に行くための気流に乗ってたどり着いたクロウ、シンノスケ、ユース、サイガだったが…。
死にかけていた。
クロウ、ユース、サイガはメデギンチャクに巻き疲れていて苦しんでいた。
というか死に掛けであった。
3人が苦しんでいるのをシンノスケは黙って観ていた。というか観察していた。
「なるほど、これがメデギンチャクですか、本物は初めて見ました」
クロウが苦しみながらもうなりながら怒りのツッコみを言っているが何を言っているのかわからなかった。
「問題ないですよ、もう解読は終わりました」
シンノスケは魔術で3人の状態を回復させ3人はメデギンチャクの耐性を得た3人はすぐに剥ぎ取って、身なりを整えた。
「よし無事にたどり着いたな」
「よくそんなことが言えましたね」
シンノスケはクロウにツッコむ。
とそこにサイガがシンノスケに聞く。
「なんで君は襲われなかったんだ?」
「襲われなかったわけではないですよ。私だって毒の要素を持つ生き物にぶつかったりしましたよ。まあ~僧侶なので毒の体制などはあるので」
と説明しているのにサイガは聞かずに先に行こうとしていた。
「待ってください。何してるんですか?というか聞いていきましたよね」
「うん、長い!!」
「えぇ~」
「君はくどいぞ、モテないだろう」
「モテるモテないの話はどうでもいいですが」
「わかった、お腹が空いているのだな、ならこのパンを食べるといい」
サイガは胸ポケットに入っていたずぶ濡れでびじょびじょのパンをシンノスケに差し出した。
シンノスケは一度、手を合わせたあと、パンをサッともって深海底国の外の海に放り投げた。
シンノスケはクロウの方を観て言う。
「クロウ、僕はアイツが嫌いだ」
「そうか、残念だったな」
コントが終わり、クロウ達がいるところは深海底国内の外の森の様な場所にいた。
クロウとシンノスケが会話をする。
「あの3段重ねのケーキみたいなところが」
「ああ、深海底国だ。その一番上にあるのが城だな」
「じゃ~あそこにリリネッドが?」
「さぁ~、いつものことなら変な問題起こして、変な事件に巻き込まれて、なぜか殺されかけてるんじゃ~ないか? 知らんけど」
「そんな毎度毎度、リリネッドだって事件を起こしませんよ」
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現時刻、深海底国の王、リチャード・フィングスは縛られ跪き、そしてリリネッドがなぜか人質にとっていた。
「勇者よ…」
「なんでこんなことになってしまったんだ」
リリネッドの前に、鎧に身を纏った魚人のルイバーが叫ぶ。
「何してるのかわかってんのか!!」
「ごめんなさい、理解が追い付いてないんです」
「はあ!?」




