第40章 クロウは決断する
クロウはリリネッドが大人しく深海底国にいるとは考えていない。
だが、ずっと考えていた問題をいま解いてみることにした。
「なあ~、ナギ」
「なんじゃ?」
「海の底に行くために僧侶の魔術が必要だって話し、知っているよなあ」
「ああ、だからずっとワシもそれをずっと考えていた。息をどれだけ止められるか?」
ユースはクロウに問う。
「どいうことだい?」
「コイツは、刀の契約だか呪い高で魔術が聞かない体質になっているんだ。刀を手放させば魔術は聞くんだが…コイツは絶対に手放さない。それに刀がないコイツは役に立たない、生意気なガキという名称しか残らん」
ルーベルが話に入り提案を持ち掛けた。
「紐とかで吊るしながら行けば?」
「それも考えたが大きな魚に食われたりしたら」
「ああ、それは駄目だ」
クロウは頭を掻きながらナギの方を見る。
「ということでお前は此処に置いていく」
「なんじゃと!!」
「パーティを一旦、抜けろ」
ナギはぶち切れる
「それをお前が決めるなよ!!」
「リリネッドがいない今それを決めるのは俺だ。古株だからな」
「関係あるか!! ワシは」
「じゃ~、お前は刀を置いて深海底国まで行けるのか?もし戦闘になったらお前は戦えるのかいつものように動けるのか?リリネッドを助けられるのか?」
「そ、それは…できなくはないが…」
「確信のないことはしないお前だから言ってんだ」
ナギは冷静になり座り込む。
クロウはナギの方を、見て言う。
「その代わりにナギにはやってほしいことがある」
「なんじゃ?」
●●●
クロウ達は海の近くにある林の奥の中にいた。
奥に進むと大きな池の様なところの前にでクロウ達は立っていた。
「ここから深海底国の行ける道になっているはず、切れてなければ」
「なんでてめぇ~そんなこと知っているんだ?」
「な・い・しょ!」
ルーベルはイラっとした。
「じゃ~とりあえず、再確認だ。俺とシンノスケ、サイガ、ユースのパーティが先に行って安心そうだったら、ポウラ達を俺が迎えに行く。ナギは…」
「この3姉妹と一緒に大妖精に会いに行ってくる。任せとけ」
「リリネッドの仕事だったけどな、本当は」
ナギは拳をクロウの胸に当てる。
「任せたぞ!」
「ああ、金打だ」
そう言ってクロウ達は池の水の中に入って行った。
ナギたちは歩き始める、鋳薔薇が張り固められている場所に向かって。




