第38章 それは仕組まれた罠
ホワブラ国は、中央国に並ぶぐらい大きな国。
近くの深海底国を見張る役目でもあるこの国は冒険者達の心と体を癒す為に街をつくるほどの変わり者だった。
現在は、傍若無人で我がまま、自分勝手な性格に成り代わってしまった。ある日、突然そうなった。
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ユースはホワブラ国の契約あり気のナイトとして城にいた。
だが、ある日からホワブラ国の王の態度が変わったことに不信感を抱き、見張っていた時にホワブラ国の王は魔帝王の幹部のリヴァナラに姿が変わったのだ。
ユースは考えた、いま自分が動いても誰も信じないなら誰なら信じるかを。そしてその数日後に旧勇者の剣が見つかったという話を聞いたユースはその剣を抜いたものに手を貸してもらおうと考えたユースはホワブラ国の王に剣を抜いてくるので旅に出たいと伝えたことで城を出た。
国を幹部の手から離すためにユースは勇者に会いに行った。
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ホワブラ国の城の中、騒ぎを起こす前。
ユースは小声でそう言った経緯を話している途中でリリネッドとはぐれた。
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リリネッドはなぜか地下の牢獄の場所に来ていた。
「とりあえず、迷ったらまっすぐ進めば壁にぶつかるはず」
そしてリリネッドは気が付いたらさらに地下に降りていた。
最下階に降りたリリネッドは大きな鉄格子も前に立つ。
なぜか鉄格子のなかに入り、進んでみると大きな生き物と遭遇した。
「これって…ドラゴン?」
大きな翼に大きな体、ウロコの様な皮膚、鋭い爪に大きな耳とかいろいろと思ているリリネッド。
鎖で繋がられたドラゴンは寝ていてリリネッドに気が付いていなかった。
その所に息を切らして現れたユース。
「勇者様、見つけましよ」
「あ、ユース」
「もう俺から離れないでください」
「ご、ごめんなさい」
ユースはリリネッドの右手を掴んで歩き出す。
リリネッドはドラゴンを見て可哀そうだなと思ったのか鎖を斬ってその場を去っていった。
鎖がちぎれた音でドラゴンは起きて部屋を出ていた者の後姿を確認した。
「あの背をっている剣…まさか」
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リリネッドとユースは王の部屋の前に立つ。
「いいですか、先ほど話した事をもう一度確認です」
「うん」
「僕が王の正体を暴いた後、勇者様は『偽物の王』だと指を差してください。その後は僕がどうにかすので」
「よくわからないけど、わかった。様なユースがどうにかしてくれるってことだね」
ユースは少し困った顔をするもリリネッドの肩に手を置いて涼しい顔でにっこりした。
「そうです、大丈夫です、僕がそばにいるので」
リリネッドはしっかりと頭にフードを被り、色付き眼鏡をかけて二人は王の部屋にはいる。
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壁には兵士たちが立って玉座には王が偉そうに座っていた。
「お~う、ユースじゃないか。そちらは?」
「こちらは僕の新たな仲間です」
「そうか~よかったなぁ~ユース」
「はい、それで紹介がしたく、お合わせたくここに連れて来ました」
ユースはリリネッドの手を強く握り王の前に進む。
「僕が王に攻撃します、そしたらアイツは真の姿を見せるハズです、その後は手はず通り」
リリネッドにだけ聞こえるよ話すユース。それに頷く。
玉座から降りて、ユースたちに近づくホワブラ国の王。
「で、よく顔を見せぇ」
ホワブラ国の王が顔を覗き込もうとした時、ユースが瞬時に剣の柄を握りしめるとほぼ同時にホワブラ国の王が言った。
「辞めときなぁよ、ユース」
ユースは驚く。
と続けてホワブラ国の王はリリネッドの眼鏡をとフードを取る。
「やっぱり、勇者だぁ~!!」
リリネッドはホワブラ国の王の満面な笑顔に少しピリッと恐怖を感じたことで背をっている剣を構える。
「へえ~、構えるんだ…じゃ~こうしようかな」
ホワブラ国の王は構えるリリネッドの剣に自ら刺さりに行った。
「え!」
「な!!」
ホワブラ国の王が両手を広げて人差し指にしたあと、シュッと指を曲げると同時に、壁に立つ兵士たちの首が斬られ、ポロっと落ちた。
ユースはこの危機的な状況にヤバいと思いすぐにリリネッドからホワブラ国の王を離そうと動き出そうとしたがすでてにホワブラ国の王は動き出していた。
ホワブラ国の王はまるで脱皮したかのように背中から人が飛び出した。
剣に刺さったままのホワブラ国の王はぐったりと倒れ、ホワブラ国の王から出て来た、魔帝王の幹部のリヴァナラはユースを見てニヤリと笑ったあとホワブラ国の王の息子のレゼシラ王子に姿を変える。
「皆の物ー!!王が殺されたぞ!!!」
扉を開け入ってくる兵士たちは状況を見る。
「貴様ら!!!」
ユースは動揺しているリリネッドの肩を掴んで叫ぶ。
「しっかり、気をしっかり持て!! 君は殺してない。もう死んでいる!!」
剣からホワブラ国の王のゼラム王を抜く。
「勇者様、逃げますよ」
「逃がさないよ、ユース」
レゼシラ王子は剣を構えて言った。と同時に床が大きく揺れ始めズバッコンと大きな音を立ててドラゴンがしたから出て来た。
「なんで?」
レゼシラ王子が言った。
ドラゴンはリリネッドを掴んで天井をぶち破り空へ飛んで行った。
ユースは同時に壁をぶち壊してその場を逃げる。兵士たちは逃げたユースと王を追う。
残った兵士たちはレゼシラ王子の指示を待つ。
「そうだな~、とりあえず街の冒険者たちの手を借りようかな。アナウンスで今起きたことを伝えろ」
「ドラゴンはどうしますか?」
「どうしますかじゃないよ~、追って。逃がすな。お分かり?」
レゼシラ王子は恐怖的な笑顔で伝えた。




