第32章 別れと感謝と旅立ち
クロウはデラーズの前に倒れる。
「俺、相手によくここまで戦った、終わったら俺の部下にしてやる」
そう言ってリリネッド達の方へ行こうとした時、シンノスケが剣に突き刺されているのを見て、叫びながら向かって行く。
「(やめろ!!やめろ!!、シンノスケにはまだわからないことが沢山あるんだ、これからの実験に、この次の研究に!!!ココを取り戻すために…ココ?)」
デラーズは困惑していた。いや、いつからか情緒不安定でいたことを。
「(いま、俺は誰の為に戦っているんだ? 王のため? ココの為?研究の為? 俺は何のために今いるんだ?)」
と考えている時、いつの間にか近くにいたシンノスケに気が付く。
「ありがとうございます、勇者様」
シンノスケは拳を振り被ってデラーズの心臓を狙って突き破った。
デラーズは口から大量の血を吐く。
「俺を殺してお前の細胞から復活して…なぜ、生きている?」
「もう大丈夫ですよ。デラーズさん」
「?」
「もう安心して眠ってください」
シンノスケは突き破りながら人間の体に戻り魔術を打ち込む。
デラーズの一瞬だけ電気が走った。
「何をした!!」
シンノスケは答えなかった。と目がかすむ光がデラーズを包み込む。
回りがすこしつづ明るくなり、日が昇り始めた。
だが、デラーズは笑う。
「ハッハッハ、俺が太陽の克服をしてないとでも? しているさ自分を改造してなあ」
だがデラーズの体が少しつづ消えていく。
「な、んだ?」
「貴方と何年何十年関わってきたと思っているんですか?」
「あ、」
「貴方に打ち込んだのは繋がる連鎖。分身体や同じ作られたものを一掃する為の魔術です」
「まさか!!」
「世界にどこかにいるアンデッドの中にある貴方の細胞は打ち消させてもらいました。僧侶の魔術を使ってそして貴方の心臓も打ち破った。終わりですよ」
「俺は人の姿で殺すのか? この人殺しめ!」
「人殺し? 何言ってるんですか? 貴方はバケモノだ。自分を忘れた哀れなバケモノだ」
シンノスケはデラーズの体から腕を引っこ抜くとデラーズは膝から倒れこんでそのまま動かなくなって少しつづ消えていった。
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一行とシンノスケは教会に戻ってすぐに倒れこんで4人は眠りにつく。
まさに死んだように。
4人が目覚める前に村人たちは明るくなってすぐに勇者一行が気になり山へ向かうと教会で倒れている4人を見つけ、傷を治し、他の村人たちは荒れ果てた洞窟や施設を見つける。
村人たちは終わったんだと確信して安心して眠る4人をよっくりと眠らせた。
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数時間後、荒れた施設の場所に着物の様な和風の格好をした一人の男が立っち誰かと連絡を取る。
「うん、やっぱ負けたようだよ…そうデラーズ。死んだのかなぁ?」
地下に繋がる床穴から施設に入る男。
「駄目だね、資料もなにも残ってない、ほとんど破壊されてるよ」
どんどん地下へを下りていく男。
「一度だけ来たことがるけど、まさかここまで広くなってるんなんて知らなかった。まぁ~俺、バカだから昔の事なんて覚えてないんだけどねぇ」
と男は見つけた。
「いたいた、分身体でも必要な知識だ」
男の目の前にいたのは大量のリネブウだった。
「あ、あなた様は!!」
「だから、はやく帰ろって」
「宴なんてしてる場合じゃ!!」
「や、やめてください!!」
「リヴァアラさま!!」
リヴァナラ、魔帝王の幹部の一人。
「う~ん、ダメだね。本体には悪いけど俺が全部貰うよ」
リヴァナラは一瞬にして大量のリネブウを吸収して消した。
「ああ、終わりました。はい、はい、はい。う~~~ん。まだ整理が出来ないので、出来てからお話しします。はい、勇者一行は? はい、はい、えぇ!! はい、はいはい。わかりました」
リヴァナラは魔帝王との連絡を着る。
「さて、どうしようかな~面白そうなことがわかったぞ。これはデラーズも王には伝えてなさそうだよな
ぁ~多分。なんだろうなぁ~」
リヴァナラはニコニコした顔で言った。
「転生者って?」
リヴァナラは施設からでて高く飛び上がりスーパーマンの様に、アンパンマンの様に、ドラゴンボールの孫悟空の様にに空を飛んだ。
「さて、国に戻らないとなぁ~」
と飛んでいるととある崖の所に人がいるに気が付きよっくりとその人物に降りながら近づく。
その人物は一人の男だった。男は口元や服などに血が付いていた。
「ハァ~、ハァ~…やっと出れた。あの臭い男を食べるのは嫌だったが生きるためだ」
「食べる?」
男は振りむくとリヴァナラが立っていることに驚く。
「人か? た、助けてくれ!!」
「どうしたの?」
「俺はカタハヤって言うもんだ。勇者一行の魔法使いにこの崖の奥に放置されたんだ!! あの勇者一行は犯罪者だアイツら悪魔だぞ」
「ふ~~ん、まあ~俺達からしてもそうだけど…人間にもそんなことするんだ。それは…面白いことをしったなぁ~」
リヴァナラはカタハヤの肩をがっつり掴んで食べた。
「う~~~ん、顔がかっこいいから俺のストックの一人に置いといてげるね。さて、国に戻って今思いついたことをしないとねぇ」
リヴァナラは高く飛び上がって飛んで行った。
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そして2日後の朝、リリネッド一行は状態が良くなるまで回復していた。
一行は村人たちに歓迎を送っ入った。
宴と飲み、食事で大騒ぎが始まった。
村全体が感謝を一行に言い続けた。
シンノスケは年寄りの人たちに感謝されていた。
何人かは頭を下げられて、困っていた。
なんやかんやあり、夕方にはリリネッド一行は村を出ることにした。
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一行はシンノスケに会いに教会に向かった。
「もう、お帰りになるんですね」
「うん」
「あなた達には感謝しています。やっとこの村も僕も自由になれる」
「お前はどうするんだ?」
クロウが腕を組みながらそう問いかけた。
「僕は変わらずここで神父をしますよ」
「もういらないだろう?」
「ここは師匠に任された場所ですし」
「そうか…」
と話していると村の方から演奏が聴こえて来た。
「あれ、この演奏って」
「そうじゃ、酒場で聞いたやつじゃなあ」
「村の人たちが感謝を伝えているのでしょう。僕からも本当にありがとうっと言わせてもらいます」
シンノスケは頭を下げる。
リリネッド達は教会を去っていった。
シンノスケは彼らが見えなくなるまで手を振り続けた。
教会の中に戻って、シンノスケは丸い椅子に座り十字架を見る。
「終わりましたよ、師匠…村の僕の友達にもお礼言われて今しました。さぁー」
シンノスケは立ち上がり教会の扉を閉めようとした時に風が吹いた。
後ろに気配を感じたシンノスケが振り向くと、そこにはキコリが立っていた。
「し、師匠? なんで…霊感ありましたっけ僕」
キコリは黙って微笑んでいた。
「大丈夫です。これからはここで神父として…」
と言おうとした時、キコリは黙って扉の方へ指をさした。
「何を…師匠…?」
シンノスケが師匠の方へと見直すとキコリの隣に見たことがない僧侶の姿の人物が立っていた。
「だ、誰?」
その人物は頭を下げた。
キコリはその人物を見た後、シンノスケに向かってニャって笑いかける。
それと同時に風に乗って演奏が耳に聴こえて来た。
シンノスケはハッとなって扉の方を見直すと、誰かに背中を押された。
後ろを振り向くとそこには誰もいなかった。
「ふっん、責めて準備ぐらいさせてください」
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村へ出たリリネッド一行の後姿を見守る村人たち。
フィリナはハッとなって思い出す。
「そうだった、この演奏のもう一つの意味、思い出した!!」
フィリナは一行を観て言った。
「挨拶と...感謝と…そして…」
その3人後ろを追うようにシンノスケは向かって行く。
走る、必死で走るシンノスケ。
村人達は一行が見えなくなるまで演奏を弾き続けた。感謝を込めた演奏は風になびきながら何処まで届いた。
「『いってらっしゃい』」
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そして、ほぼ同時刻の事、世界各国の会議により勇者・リリネッドは勇者を剥奪して世界指名手配と報じた。
デラーズ戦、ようやく終わりました。
次から第3部ではなく第2部の後半戦です。
ここまで読んでくださってありがとうございます。




