第31章 最後の賭け
シンノスケは決めた、この命に掛けても彼らを助けてデラーズを倒すことを。
だが、シンノスケの体は勝手に動き出してリリネッドに攻撃してしまった。
リリネッドの服をひっぱってシンノスケの攻撃から守るクロウはナギに目線で合図出して、それをくみ取ったナギはシンノスケとぶつかろうとしたがデラーズが間に入りナギに攻撃を仕掛けるもクロウが魔法で防ぐその時に、シンノスケがクロウに仕掛けると言った攻防戦が繰り広げた。
シンノスケは一瞬だけ攻撃を止めたりするも完全には止まる事は出来ずにいた。
「完全には無理か。(やはり、あの女の魔術のせいか? 完全に殺す前にアンデッドなり細胞なりをやって置くべきだったなあ)」
シンノスケは食いしばりながらも勝手に動く体を止めることはできなかった。
「ご、ごめんなさい!! ごめんなさい!!」
「誤ってんじゃ~ねぇ~よ!!」
クロウが魔法の鎖でシンノスケを止める。が、クロウも限界が来ていて魔術のコントロールが出来なくなっていて鎖が解ける。
「っくそが!!」
シンノスケは悔しがりながら叫んでナギに言う。
「ナギさん、僕が一瞬だけ体を止めますので内ポケットの中に注射を僕に刺してください」
「なんじゃ?」
「それは僕を完全に殺すための薬です」
「「「「!!?」」」」
「それをワシにやれと」
「お願いしたいです」
デラーズが止めようと行こうとするが汗を垂らしながら前に立ちはだかるクロウ。
「行かせねぇ~よ」
「そんな姿で何を!」
デラーズは大太刀と血で作った同じぐらい剣を作り出して、クロウに向かって攻撃を仕掛ける。
シンノスケはナギに合図を出し、自身の体を止めた。
その隙にナギは内ポケットの中に有る注射を取り出す。
「こ、これか!!」
すぐにシンノスケから離れナギは刺す隙を伺うとリリネッドかナギを止める。
「待って!!」
「勇者よ、男の決断を邪魔したら」
「もしかしたら他に方法が」
「ないのじゃ!!、アイツは斬ってもすぐに再生する。アンデッドの姿のアイツを止める方法は」
「あるんだよ方法が!!」
「なんじゃと!!?」
ナギはリリネッドの真っすぐな目を信用して刀を強く握りしめる。
「話すより、任せる。頼むぞリリネッド!!」
「うん、自信ないけど」
ナギは一瞬だけリリネッドを見てすぐにシンノスケに突っ込んでいき戦闘を行う。
リリネッドは右手を伸ばしてシンノスケを狙って魔術を放つ。
「えい、えい、はい、こう、はあ、どうだ!!」
リリネッドはマトリ村の酒場で習った僧侶の魔術をシンノスケに放つも何を覚えたのか、何をどうだすのかわからずあやふやの状態でぶつけまくる。
だが、シンノスケには変わりがなくナギも体力の限界が来ていた。
「やばいぞ!!」
「全然、聞いてないじゃん」
シンノスケは目線をリリネッドに向ける。
「(勇者さん)」
リリネッドは最後の魔力を最大限にしてシンノスケに放つ。
とシンノスケの真上に魔法陣が出てきて、時計の針のようなものが動き出して魔法陣はシンノスケを通り下の動き出してに消えた。
するとシンノスケは動けなくなった。
「(こ、これは死体停止)」
「よし、よくやったぞ!!勇者様、今のうちにコイツを打ち込む」
ナギはシンノスケに注射を射そうとした時にリリネッドが止める。
「待って、ナギ!!」
「どれだけ止めるのじゃ!!」
「もう一つ方法があるけど、こっちも運だけど」
リリネッドは剣を見て話す。
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リリネッドは剣と対話する。
「聞こえる」
『使わないんだろう』
「うん、でも最後に力を貸してほしい」
『都合がいいな』
「助けたいから」
『…あのアンデッド僧侶か?』
「うん。勇者の剣なのに、見捨てる?」
『見捨てるだと…』
「前の勇者なら助けるんじゃない?」
『どうだろうな…』
「じゃ~もういい。地下に投げ捨てる」
『ちょっ!!』
「うん?」
『待てよ、マジであれはビビった。マジでやめてくれ…わかったよ』
「助けられるの?」
『ああ。正し、どうなるかわからないぞ。可能性は低いぞ』
「それでもいい」
『あと…』
「なに?」
『力を今後も貸してやるから』
「から?」
『捨てるとか言うなあ』
「わ、わかった」
『それと』
「まだ、何かあるの?」
『メンテナスもしてほしい』
「うっえぇ~…わかったよ」
『成立なあ』
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リリネッドは剣をシンノスケに突き刺した。




