第30章 責任の取り方
ココが倒れデラーズが悲しみにいる時、リリネッドは剣と話していた。
「なにしたの?」
『ああ? 何ってその剣は世界最強万能型強烈甲賀剣だぞ。あんな女を元に戻すことぐらいできる』
「なんでそれ言わなかったの」
『聞かれなかったからだ。それに君に戦う覚悟を付けさせるt』
「もういい」
『もういい?』
「使わない」
リリネッドは剣を床に思いっ切り突き刺した。
『ああ?』
リリネッドは剣を置いてシンノスケの方へ向かった。
「大丈夫?」
「は、はい」
シンノスケは突き刺した剣を見る。がすぐにデラーズの体の方へと目線を移動させる。
「終わったの?」
「だといいんですけど」
デラーズの体は消えていき青い炎が吹き燃え始め灰となり始めた。
「さぁ、戻りましょうか」
「うん」
リリネッドが出口の向かう前にシンノスケはリリネッドの腕を掴む。
「勇者様、忘れものですよ」
シンノスケは剣の方へを指をさすもリリネッドは「大丈夫、もういらないから」と言った。
困惑しながら腕を離すシンノスケだった。
出口近くまで来たときに扉からアルトが現れた。
「アルトさん!?」
「あれ?」
アルトは白目を向き意識がなくここまで歩いてきた。
「なんで」
アルトは激しく妙な動きを繰り返した。
「な、なんかやばくない?」
「はい、勇者様下がって!!」
アルトは激しい動きを急にやめた瞬間、胸周から突き破ってデラーズが出て来た。
「な!!」
「嘘!!」
アルトは静かに静かに消えていった。
「こっそりと細胞を回収していた事ぐらい知っていたぞアルト」
「細胞…!!」
「そうだ、シンノスケ。俺は細胞が残っていれば俺はなんどでも復活できる」
「な、なんだと!!」
「この施設にあいるアンデッドのほとんどに俺の細胞が取り込んでいる。俺は殺しても意味はないことが分かったか」
「っく!!」
「さぁ~第二ラウンドを始めようシンノスケ。そして勇者」
デラーズは翼と角をはやした。
「これが本来の俺の姿だ。魔力を大きく解放すると出てしまうのが欠点だなあ」
シンノスケはアンデッド状態になり魔力を振るマックスにして戦闘態勢に入る。
「勇者様、僕がアイツと食い止めている間に剣の方へ行ってください」
「いや、大丈夫」
「え!?」
デラーズがクネりながら移動して一瞬にしてリリネッドの目の前に現れ大太刀でリリネッドに攻撃を仕掛けようとしたとそこへ、クロウとナギが現れ、攻撃を止める。
「ナギ、兎に角に上にあげる!!」
「わ~とるわい!!」
ナギがデラーズの攻撃を防ぎ、クロウが魔法の鎖を目にも止まないほどの速さでデラーズの体に巻いた。
シンノスケは一瞬で理解してデラーズを抑えた。
「行くぞ!!」
クロウは移動魔法を使って自身とデラーズを洞窟の外へ出した。
ナギとリリネッドを抱き抱えるシンノスケは後を追うように上へと向かう。
●●●
外に出たことを理解したデラーズは魔法の鎖を引きちぎる。
「なぜ外に?」
「オマエ、ヴァンパイアだろう?」
「だから?」
「朝日が昇るまであと数時間、ここに居てもらう」
「それでか…馬鹿な奴だ」
「ああ?」
「その数時間でお前達をやれんだぞ、こっちは」
「出来るもんなら…」
地面が崩れ落ちてそこからナギとリリネッドそしてシンノスケが上がって来た。
クロウが崩れ落ちた地面を修復した。
「やっと4人そろったな」
「そうじゃな」
「待ったくだよ」
「お前のせいだぞ」
「うっえぇ」
「うっえぇ、じゃ~ねんだよ」
「でも、みんな来てくれた」
話しているとデラーズがリリネッドの首狙って攻撃を繰り出したがナギが寸前で止める。
「戦闘中だ」
「こっちは久しぶりの再会じゃ」
クロウとシンノスケが話す。
「アイツを日の光で倒す、文句は?」
「いいですが、アイツの細胞が残っているとアイツは復活します」
「それは問題ない」
「え?」
「リネブウっていう奴が開発したアンデッドに効く薬を内緒に作っていたらしくそれを打ち込んで行ってお前たちと会う前にひととおり、俺とナギで倒した。だから多少遅れた」
「あの数を?」
「内の前衛は強ぇんだよ」
ナギはデラーズの攻撃を刀で防ぎながら攻撃を繰り出しつづける。
切り傷を与えても再生が早くすぐに修復してしまう。
「いやはり駄目じゃろうな」
デラーズは無数の血の塊の針をナギに投げつける。
ナギはすべてはじき返すも素早く動いて首を掴まれてしまう。
「な」
「子供にしては強かったぞ」
「ナメるなぁ!!」
ナギは掴まれているデラーズの腕を斬り落として少し距離を離れながら斬撃を飛ばす。
デラーズはギリギリで避けながら血の鞭をナギに向かって放つその鞭が当たり寸前でクロウが魔法陣のバリアを張って守る。
「っく!!」
クロウの体に印の紋章が浮き出て来た。
「クロウさん」
「問題ない、アイツから目を離すな!!」
「これは…(神の封印術だ、初めて見た。この人はいったい)」
シンノスケが思っているとデラーズに向かって行くリリネッドに気が付く。
「勇者様!」
「はあ! あのバカ!!」
クロウが杖を取り出して魔法を使おうとした時、シンノスケが止める。
「駄目です!!」
「邪魔するな!!」
「貴方は最後のキーです」
「何ィ!?」
「朝日が来ても僕がいたら意味がない」
シンノスケが走り出す。
●●●
リリネッドはデラーズの方へと向かっている最中に頭の中から声がした。
遠く消えてしまいそうな声。
『俺を使え』
「使わない」
『何がそんなに気に食わない』
「…。」
『あの女を殺したことか? 治す方法を言わなかったことか? なんだ?』
「どれこれもだよ」
『これからもそう言ったことが起きるんだぜ、綺麗ごとで生きていけないし、自分の手を汚してでもしないと誰でも助けられない。そう言った覚悟があ…』
「私は別に綺麗じゃないし、誰も彼も助けたいなんて思ってないよ」
『ああ?』
「助けられたのに、どうにかできたのにあなたが言わないで殺したことに怒ってるんだよ」
『アイツは敵だ』
「敵じゃないよ」
『敵だよ』
「敵じゃない」
『じゃ~なんだよ』
「生きようと明日を掴もうとした命だよ」
『命だあ?』
「もう黙ってて」
『お前、一人で戦えないぞ』
「一人じゃない」
『アイツらでも勝てないぞ』
「みんなでやるよ」
『無理だ』
リリネッドは無視してデラーズの前に立った。
●●●
リリネッドは無視してデラーズの前に立った。
デラーズは怒りと憎みを込めた拳をリリネッドに向けて殴ろうとした。
リリネッドの目が青く光り両手を広げて言った。
「話そう!!」
そう言った瞬間、一定全方位の範囲が囲まれた。
中には、リリネッド、膝を付いているナギに、デラーズそしてぎりぎり中に入ってしまったシンノスケ。
「これはなんだ?なにをした!!」
デラーズは身動きが出来なかった。
「これは私の力だよ」
「勇者の力だと?」
「使った瞬間、理解したよこの力について始めて使ったけど」
ナギもシンノスケも動けなかった。
「なんじゃ、目は動くようじゃな、声も出る口も動く」
「なら、一体これは」
リリネッドは動きデラーズの攻撃範囲から離れる。
「貴様は動くのか、まさか時間停止か、卑怯な」
「少し違うよ」
「なに!!」
「この空間で攻撃もできない。怒りや憎しみを持つ者、攻撃や殺すなどの動きが出来ない。ここは貴方と私が話し合うために空間だよ」
「なんだ!!それは!!」
リリネッドはゆっくりと座り込み正座をして頭を下げる。
「な、なんのつもりだ!!」
「ごめんなさい」
「なんのつもりだと聞いてんだぞ!!!」
リリネッドは座りながら地面に手をかざして剣を呼び寄せて地面から突き出て来た剣を掴んでそれをデラーズの攻撃は範囲に置いた。
「この剣を壊せば、多分だけど私は死ぬと思う」
デラーズは驚きながらリリネッドを見る。
「でも多分、それはできないからこれをもって魔帝王の場所に私を連れてて」
「貴様を王にだと」
「貴方は私を殺したい。私は罪を償いたい。でもどちらも叶う事はできない。できるとした物凄い力をもつ貴方のボスの魔帝王だけだよね」
デラーズは考える。
「剣は私が持つ、貴方は私を縛る。絶対に私は逆らわないよ」
デラーズは憎しみのや怒りを抑えた。そしてリリネッドが言ったことをよく考えていると体が少しつづ動くようになった。
「お前の目からは嘘やでっちあげを感じない。それは信じるし、その方法しかなとも思う。がだ」
「?」
「それはできない」
「なんで?」
「俺がこの世界から消えれば世界に俺が設置したアンデッドが解放されるようになっているからだ」
「え!?」
ナギもシンノスケも驚く。
「それでもいいというなら俺はお前を魔帝国に連れていく。それに王もお前に会いたがっている」
リリネッドは迷っている力が弱まったのか空間がなくなって切れてしまった。
「はっ!!」
デラーズはその隙を見逃さず、剣を全魔力を溜め込む腕で殴り壊そうとしたが、剣は微動だにしなかった。飛ぶことも掛けることもなかった。
「(硬い。いやむしろもうこれは!!)」
リリネッドの前に守るよにクロウが立つ。
「何をバカなこと言ったんだ勇者様」
「でもそうでもしないと」
「何があったか知らないし、誰に何をされたかもしらないけどこれでだけ言っておく」
クロウの背中越しで聞くリリネッド。
「俺は仲間なんだぜ、一心同体。相談もなしでパーティ解散はあり得ないし、無責任だ」
クロウは振り向いてリリネッドを見る。
「お前があの時、俺を選んだ。その時点でハズレくじ引いたんだ。どこに行くときも何するときも一緒だ。お前は死なない俺がいる限り、俺が死なない限りお前も死なない」
クロウは手をリリネッドに向けて指をさす。
「でも、責任は取らないと勇者だし」
クロウは怒り口調でリリネッドに向かって叫ぶ。
「勇者がどんな奴だとか、世界が前の勇者像を求めていても模倣しろと言われても、俺が世界にこれがいまの勇者だと言いまくってやる!!迷惑であろうが余計なお世話だろうが関係ない。お前が俺を選んだ、お前があの国から俺を出したんだ!!その責任はどうなんだ!!」
「クロウ…」
「勇者でいてくれ。お前が困ったり、悩んだり、その手が血で汚れても罪は一緒に被るし、罰も一緒に背をってやるだから、どこかへ行くなら一緒だ。地獄のそこまで行ってやる。責任をとれこの馬鹿勇者」
「責任か…そうだね。クロウを選んだの私だったね。ここでクロウを捨てたら無責任だよね」
「ああ」
とひょっこりと顔を覗き込んできたナギ。
「ワシもいるぞ、お主が行くところワシも行く。魔帝国には強そうなやつがわしゃわしゃいそうじゃな」
「ナギ」
3人が話している時、シンノスケは決めたした。




