第24章 廻りだす運命
67年前、マトリ村に冒険者のアルト一行が来た。
「疲れたぞう」
「ああ、そうだな。アルト、俺は宿を取ってくる」
「わかった、任せるスマザ。ガンス、しゃがんでないでスマザと一緒にいってこい」
「はいはいわかってますよ」
アルトとフンガは村を見回りすることにした。
「特に困っている人はいないようだな」
「それはいいこと」
「フンガ、また筋肉増えた?」
「わかるか、最近よくなってなあ、この右腕の所なんか」
「ああ、もういい大丈夫だ」
「そうか、聞いてくれ」
「ああ、うん、わかったから」
アルトは困っている人を見つければ手を差し伸べ、助けていった。
フンガは子供たちに怖がられていたがアルトが笑顔で接して「大丈夫だよ」といったあと、フンガは笑顔を見せるも顔が怖いのでもっと怖がってしまい困ったフンガは身に着けている防具などを脱ぎ捨てたあと、子供が持っている小さなボールをいくつか貸してもらうとフンガはジャグリングを始めて子供たちを楽しめさせた。
「すごいに怖い顔のおじさん」
「楽しかったかい」
「はい」
「フンガ、こっちに来てくれ子供たちが肩車してほしいらしい、お前の方がデカいし力があるから」
「わかった、今行く」
フンガはボールを子供に返してフンガはアルトの歩いて行った。
子供はまねしようとしたができず困っていた時、少年が近寄ってきた。
「ああ、シンノスケ兄ちゃん」
「どうした?、旅人か?」
スマザとガンスもその後、合流して子供達や村の人たちと仲良くなったその日の夜。
フード深く被った者が宿に泊まっているアルト一行に山の上にモンスターが出ると伝えて依頼を頼む。
スマザは怪しんだがアルトは「大丈夫だよ、俺様だぞ。何が起きても問題ない。それにお前たちもいる」と言って山の上へと向かった。
●●●
古びた教会前に着いた時にフード被った何者かが一瞬だけいなくなったがまたひょっこりと現れ、さらに上へと向かった。
洞窟の奥の方へ行くと扉がありその中にモンスターがいるので倒してほしいと頼まれた。
4人が中に入るとその中に入る。
「なんだこの中?」
「研究室のような」
「オラ、こえぇ~」
スマザが棺桶を見つける。
「アルト」
「なんだいそれは?」
「なんか嫌な感じがする」
「スマザ、それに触れるなよ。邪悪な感じがする」
「アルト、何が見えるその目で」
「わからないけど、これは…」
と話しているとアルトの中に何かが入った。
「アルト!!」
フンガとガンスがその声でそちらを見る。
「これで、助けられる。私はどうなってもいい」
ココがアルトの体を使って棺桶を開けた。
その瞬間、棺桶が破裂したように壊れ周りにいたガンスやフンガを吹き飛ばしてスマザを壁に蹴り挙げて3人は気絶する。ココはアルトの中に出てデラーズに近寄る。
「ああ、これをどれだけ待ち望んだか」
「ありがとう、ココ」
二人が見つめ合う中、アルトは震えながらも立ち上がった。
「な、なんだお前は!!」
「なんで?」
「ココが体に入ったのに立ち上がるとは貴様何者だ!」
「俺は魔帝王の倒す未来の勇者様だ」
アルトは剣を構える。
「そうか、不思議な力を持っているようだが、お前は実験体としての価値がありそうだな。他は~なさそうだが…まあ~俺を助けたついでに改造人間にでもしてやるよ」
「そんなことさせるかよ!!」
デラーズは羽をはやし広げてその羽の一部をアルトに向かって攻撃する。
アルトが持つ力の真実の目を使い、先読みして羽を避けながら除けきれない物は剣で塞ぎながらデラーズに近づいて行く。
「ほう」
「これ終わりだ!!」
アルトが攻撃を仕掛けようとした時、アルトの胸にナイフの刃が突き出た。
「な!!?」
アルトが後ろを見るとガンスが刺していた。
「な、何してんru」
ガンスの顔色が悪く目は白目をむいていた。
「が、ガンス?」
デラーズはそばにあった椅子に座ってその光景を見ながら話す。
「すまない、俺は手癖が悪くてなあ。お前の仲間にアンデッドになる薬を打ち込んだ」
「はあ!!」
アルトは膝を付く。
「運がいいぞ冒険者よ、この俺が改造してやるんだ」
アルトはその場で倒れこみ意識を失う。
「さてと、まずは4人をカプセルで凍結させて、魔帝王に連絡だ」
デラーズは魔帝王に10年物の連絡が取れなかったことの謝罪と最高の研究を進めているのでまた連絡が出来なくなると伝えた。
●●●
そして数日後にバノン・クゥンの娘のキコリ・クゥンがマトリ村に寄って来た。
バノンはデラーズとの戦いでの傷が酷くなり亡くなり、そこまでの旅の日記を書いた手紙をキコリが読んでいる中でマトリ村の事が気になり見に来ていた。
「ママァ?」
「イエン、大人しくしててね」
キコリは自身の子供を抱っこしながら村に入り父の話と今現在のこの村についててでの話を聞いた。
どうやら、山の上の方へ行った者は行方不明になるということで村人は近寄らないようになったという話を聞いたキコリは向かうことにした。
「イエン、お母さん少しここを離れるけど待っていられる?」
イエンは泣きながらも頷き。キコリはイエンの頭を摩って村人の人に心配されながれも「じゃ、お願いします」り告げて上へと向かった。
●●●
古びた教会を探索するとアンデッドらしき存在を発見したキコリは排除したあと、さらに上にから何やら気配を感じて向かう。
洞窟の前に着くとカメラがあって扉前を監視していた。
「何アレ?」
キコリはカメラというものを知らなかった為、そのまま扉に近づく気配が強くなったのでキコリは強い魔力を身に纏って扉を開けた。
中にはアンデッドが沢山いた。
「なんで!!」
キコリは次々とアンデッドを通路を走りながら倒していき、奥の扉まで入った時にデラーズがガンスを改造している最中だった。
「誰だ、今楽しんでいる途中だろうが!!」
デラーズが何かを動く前にキコリが魔術を繰り出して動きを止めて、もしもの時の為に小型の封印する箱を持ってきていた。
「念には念をってね」
「き、貴様はもしかしてアイツの娘か!!」
デラーズかキコリの顔を見てそう思った。
「もう一度、眠りなさい」
「クッいそおぉぉ!! 何だよおも~~ぉ!! またかよぉ~おお!!!」
キコリが封印術を使おうとした瞬間、デラーズがニヤリと笑って言った。
「なんちゃって!」
「え?」
キコリの上に天井にフンガが隠れていた。
フンガはそのまま下に降りてキコリを止める。
「俺が同じミスするわけがない」
「は、離せ!!」
「どうしたものかな…やはりお前は俺を封印した奴にそっくりだ」
デラーズがキコリに近づてきた時を狙ってキコリは魔術で光を作り出して目くらましをした。
フンガの抑える力が弱まった瞬間を見て抜け出して魔術でデラーズに攻撃を繰り出した。
デラーズはその攻撃を直撃してしまい腹半分に穴が開いて血を口から吐く。
「トドメ!!」
とその時、「ママァ?」とイエンの声がした方を見るキコリ。
部屋の扉の近くにイエンが目を擦りながらのぞき込んでいた。
「な、なんで!!」
フンガはイエンに爪を立てて肌に傷を負わしたあと、デラーズの方に向かった。
膝まづくデラーズ。イエンに泣き叫びながら寄り添うキコリ。
「やはり、10年間眠っていたせいだ、力が弱まっているの封印術のせいだ…フンガ、ガンスをカプセルの中に入れなさい」
「はい」
「入れたらここから出るぞ、一度、魔帝国に帰ります。安心しなさいあなたをそこでもっと強くしてあげます」
「ありがたき幸せ 」
フンガは言われた通りに動き、デラーズを抱えてそこから去ろうとした時にデラーズは言った。
「貴様の血をここで終わらせる」
そう言ってデラーズは自身の細胞をイエンの傷の中に飛ばして入れた。
「イエン!!」
「一生、日を浴びられない人生を送りな」
そう言って消え去った。
●●●
キコリは古びた教会に入りイエンが完全にアンデッドになってしまった事を確認日が当たらないように、誰も入ってこないように閉め切った。
キリコは脳をフルで動かして次にやる事を考えた。
キリコはまず村の人たちを安心させるため、山の上には凶暴は魔物がいるから近づくなと伝え、キリコが抑えているから長い間ここに住み着くことを伝えた。
そしてその間、教会の神父をやる事とここはあぶないからと子供は知り合いに預けることも伝えた。
キリコはイエンを教会の中に隔離してもう一度に行き戻す方法がないか探すことにした。
施設に戻ると奥で地下を作って増設しているリネブウを見つけた。
「デラーズ様いないんですか!!」
「貴方がこの建物を作ったの? 手を貸して」
●●●
2年後、キリコは教会の地下に研究室を作り、施設の資料になるものその中に入れた。
イエンは奥の部屋で完全隔離して。
「ごめんね、ママのせいで」
「気にしないで」
イエンの体がダメにならない処理と肉体への改造をデラーズの資料からヒントを経て手を尽くしていtキリコ。それでもイエンは少しつづ腐り続ける。
「あるはずよ、人をアンデッドに変えられるなら、治す方法が…絶対に」
話していると竹チャイムがなった。
「お客さんだ、待っててねイエン」
キリコは地下からでて教会の神父としてこの村を支えるために僧侶のスキルを教えていた。
「キリコ先生!!」
「今日も来てくれたんだ、シンノスケ君」
「はい、僕立派な僧侶になっていろんな人を救える人になりたいんです」
「立派な夢ねぇ。君ならできると思うわ」
「本当に!!」
「ええ、君には才能があるから」
「才能?」
「誰かを救いたいって気持ちが誰よりも強いから」
「そうかな」
「でも一番大切なことを教えてあげるわ」
「それはなんですか?」
「それは…」
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現在、ボロボロで倒れこむシンノスケの胸ぐらを掴むフンガ。
「ヨワイ、ヨワイ、ヨワイ」
そう言いながら殴り続けるフンガ。
「他人ノ為ノ魔術シカ覚エテコナカッタオ前ハ、バカダ」
シンノスケはボロボロで立つこともできない状態になっていたが一瞬にして傷が治っていった。
「僕バカなのでそんなに魔術、覚えられないので」
フンガはシンノスケの体の中に手を突っ込んでデラーズの細胞を掴んだ。
「っう!!」
「オ前モ知ッテイルハズダ。細胞ヲ無理ヤリ取レバ消滅スル事ヲ。細胞ハ脳神経ト結合シテイテ、抜キ取ルト同時ニ太陽光ガ当タルカノヨウニ効果ガ見ラレルコトヲ」
「ええ、どれだけこの体を調べたと思っているんですか」
シンノスケは魔力が噴き出しその風発でフンガが吹き飛ばす。
「(ナンダ?)」
シンノスケは噴き出す魔力を抑え込んでその力を拳に寄せ集める。
フンガは全身を固くし足元にも力をためて抑える。
「コイ!!」
シンノスケは拳を振り被ってフンガにガードしている場所に向かってぶつける。




