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第21章 王道バトル作品へようこそ!

 シンノスケがリリネッドに向かって小さくおいでおいでと手を招いた。

リリネッドが行こうとした時、クロウとナギも付いて来ようとしたのでリリネッドは二人に向かってハウスと両手で手を下におろす。そしてリリネッドはシンノスケの横に立つ。


「月が綺麗ですね」

「ああ、うん」

「そこは綺麗ですねっと返す所ですよ」

「え、そうなの?」

「ふっ…面白い方だ…」


シンノスケは月を見て話しをする。

「すみません」

「何が?」

「朝の事です、追い出してしまって」

「いいよ、こっちも悪いし」

「いいえ、僕が悪いのです」

「?」

「勇者が来ることは街の人たちが噂していたのを聞いていたんです。本当に来るとは思っていなかったので…いろいろと気持ちがあふれていまい…。お仲間の方々には申し訳ございませんでした」

「私は全然大丈夫だったんだけどね」


 リリネッドはハッキリとシンノスケに問いかける。

「アンデッドなの?」

シンノスケは驚いた顔をリリネッドに向けた。

「なぜ?」

「仲間の魔法使いがそうじゃ~ないかなって」

「そうですか…」


シンノスケはクロウとナギの方を見て少しお辞儀をする。

「そうです。僕はアンデッドでもあります。」

「でも?」

「完全にアンデッドでもないし、人間でもない感じですかね」

「ややこしいんだね」

「そうですね」


リリネッドは月とそこから見える村の光景を見て話す。

「ここから村が見れるね」

「ええ、私の生まれ故郷です」

「もしかしてアンデッドから守ってる?」

「僕みたいな者に守られないですかね」

「命を守る人に立場なんていらないよ」

「え?」


二人が話している少し離れた場所でクロウとナギが話す。


「さっきから何を話しているのじゃ」

「全然、聞こえないなぁ」


とクロウが素早く動く影に気が付きリリネッドとシンノスケに向かって叫ぶ。

「避けろ!!」


 シンノスケがいち早く反応してリリネッドの頭を下げて避けた。

「なんべに!!」


 長い舌をたらし、べちゃべちゃと涎を垂らし腰を大きく曲げた男が攻撃してきた。

「やっぱりべだ、勇者がいたべえ、俺の鼻はきくべえがな」

「ガンス…」

「まさか勇者に助けべを? バカなやつべよ。裏切りべい」

「違う、これは」

「言い訳ふよべ、ボス報告の前に血をもらべえ!!」


 犬のような爪で倒れこんだリリネッドに向かって引っかこうと攻撃、腕をシンノスケが止める。

「てめべぇ!!!」

「申し訳ないです、勇者様」

「え?」

「この先には魔帝王幹部がいるんです」

「幹部が?」

「貴方のお力を借りたいのです、一緒に行ってくれませんか?、村のためにも」

「てめべえら、オラを無視してなにを話して!!!」


 リリネッドは立ち上がりシンノスケに言う。

「まあ~幹部がいるのは初耳だけど、どーにかは、するつもりだったからいいよ」

「そうでしたか、それは変な指図してしまってすみません」

「いいえ、こちらこそ」

「だ~か~ら!!オラを無視しte」


 とガンスの体を魔法のチェーンの様なもので縛るクロウ。

「適当にあの中を探るよりはコイツに案内してもらえばよくねぇ」

「そうじゃな」

「中は僕は詳しいので、この方にはあそこまで運んでもらいましょ。この方は力があるので」

「そうなの?じゃ~お願いしようかな」


 4人はガンスを見下ろしながらニヤリと笑う。



 ●●●



 マトリ村の山の中にある教会よりさらに上にある洞窟の中の扉の奥には大きな施設となっている。

真下の部屋の大広場で魔帝王の幹部が二人いた。


 一人はオラ付きながらキレてる()()()がいた。

「てめぇ、()()()()!!!」

「オルガ」


 デラーズは魔帝王の幹部の一人のヴァンパイア。

デラーズは玉座に座ってオルガの話を聞いていた。


「もう一度聞くが、何しに来た? オルガ」

「王が近々、幹部を皆集めるらしいからその報告だぁ!!!」

「それだけか」

「オマエぇぇぇ~~も来んだよ!!! わかってんのかぁぁ!!!王への報告もいつも襲せぇぇえしよぉお!!」

「他は知らないが俺は仕事をしている」

「種族違いの交流と開発がお前の仕事だったか? 進んでいるようには見えねぇ~ようだが!!!」

「だからやっている」

「てめぇーがやってんのはよぉ~~!!!アンデッドの生産と死体の改造だろうが!!!」


デラーズはイラっとして立ち上がりオルガに近寄り睨みあう。

「これだから凡人は」

「あ゙あ゙あ゙!!!!」


とそこにデラーズの4人組の部下の一人・アルトが話に入る。

「お話中大変申し訳ございません。デラーズ様、勇者が入ってきたと報告に入りました」

「「なんだと!!」」


 オルガは少しニヤケたあとデラーズに言う。

「こうなったらお前が勇者を捕らえて汚名返上しないとな」

「貴様は?」

「俺が手を貸す義理はねぇ~よなぁ!!!」

「俺が勇者を捕らえるそして…」


と霊体の体を持つ女が言う。

「そしてその体(勇者)を私が奪う」

 デラーズの真後ろにいつの間にかいた女性が口をはさんだ。

「なんだ彼女じゃ~ねぇか、まだ消えてなかったのか?」

「消えてないし、消えないし」

「ココ、こんな奴と話なぁ頭が悪くなるぞ」

「ごめんなさい、デラーズ様」


二人はイチャイチャしているのを見てオルガは唖然としたあと体が痒くなり見るのをやめて裏口から出ていった。

「で、状況は?」

 デラーズはアルトに聞く。

「ガンスが勝手に動いて負けたとみられます。そして勇者一行とシンノスケを連れてこちらに向かっているのを確認しています」

「シンノスケも連れてか」

「はい」


デラーズは少し考えたあと、口を開く。

「私も出向かう」

「デラーズ様が!!?」

「相手は勇者だ、油断できん」



 ●●●



 リリネッド一行とシンノスケはガンスの後ろに乗っかってスイスイと山を登り洞窟の扉を勢いよく開けて中にどんどん入って行った。

「便利だ」

「そうじゃな」

「このまま幹部の所まで行こう」

「ふぃざげんべ!!もう、もうムリベェ」


ガンスは疲れてそこで倒れた勢いで一行は飛ぶされた。

「この犬野郎、急に止まりやがって」

「じゃが、かなり奥まで入れたと思うのじゃが」


地下3階の広い場所にいる事が分かった。

「おい、ここは!!」

クロウがガンスを掴んで言った。


「ここは実験室前のただの通路べだ」

「ああん?」


とそこにリリネッド一行とシンノスケの前、ガンスの仲間のアルト、スマザ、フンガが、透明女のココ、そして、デラーズが立っていた。

「お前達が勇者一行だな」


デラーズはガンスを見る。

「ち、違うんべんすよ」

「アルト、コイツの処分は任せる」


スマザが動揺する。

「はい、お任せよ」

「ココ!」

「は~い」

ココはいつの間にかリリネッドの後ろに立って体の中に入った。


リリネッドはぐったりと膝からくずれ落ちて倒れたあと、ぐっと立ち上がった。

「乗っ取り成功!!」


クロウとナギは驚く。

「「なに!!!」」


リリネッドの体を乗っ取ったココがデラーズの腕を掴んで寄り添う。

「あとはその体が何も起きなければフェーズ2に迎える」

「デラーズ様、私これであなたに触れるわ!」


姿形はリリネッドだが顔はココと重なって見えている姿になった。

クロウとナギが動く前にアルトはクロウとガンスを連れて、スマザはナギを連れて、掴むと不思議な装置で別の場所に移動していった。


「シンノスケ、お前には俺の細胞が植え付けられているのを覚えているよな」

「はい、ですが」


シンノスケはコートの脱ぎ捨てて神父の様な服を身に着けて続けて話す。

「もう、貴方たちとはこれですべて終わらせたいと思い参りました」

「そうかお前のはアンデッドというよりは…リッチって感じだったな。で、どう終わらせるのだ?」


デラーズの横にフンガが立った。

「お前には実験としてフンガの相手をしてもらう」

「え?」

「こいつは俺が作った現在で最高傑作の実験体だ。知っていよな」

「はい、何度も組み手をしました。一度も勝ったことがないですがねぇ」


フンガはシンノスケに殴りかかるも、その拳を掴んで身を守る。


リリネッド(ココ)がニコニコしながらデラーズに寄り添う。

「ねぇ~ねぇ~、デラーズ様、早くいきましょ」

「ああ、ゆっくりと楽しもう」


シンノスケが動こうとした時、フンガが前に立ち塞がる。

「オマエはオレが止メル」

「ええ、いい加減あなたとの因縁も終わりにしましょうかね」



 ●●●



 地下4階の暗がりでライトが薄く当たる場所に連れてこられたナギは相手の気配を感じながら腰の刀の剣に手を置く。

「さて、どうしようか」



 ●●●



地下2階の食堂通路にて。

クロウは杖を取り出し、アルトとガンスの首を掴んで立ち尽くす。

「勇者はこちらの手にある」

「こんなバトル漫画の王道みたいな感じあまり好きじゃ~ないけど…内の勇者様を取り戻すためだ」


かったるそうに肩を鳴らしながら杖取り出してそれをアルトに向ける。


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