第20章 死者(アンデッド)が出る村
リリネッド一行は日が完全に沈む前にもう一度、下山することみのした。
下山した時には完全に夜になっていた。
食事をすると同時に教会の話の情報を聞くため酒場に向かう一行だったが酒場に着くとひとけがないあまりなくいるのはせいぜい7.8人だった。フィリナがまだいたので話をするために一行が近づく。
「あら、旅の人」
「夜の酒場にしては少ないなぁ」
「まあ~ね、この村ではあまり夜は出歩く人はすくないから」
するとリリネッドが聞いた。
「どうして?」
「それは」
と話そうとした時、外からうめき声が聞こえてきた。
●●●
一行が外に出ると村のたいまつの灯りによって照らされて数体の人が山から下りてきているのがわかった。
「あ、アンデッドが下りて来たぞ!!」
村の人が叫びあげた。
白目をむき生気がない顔でゆっくりと歩いて村を襲い掛かった。
アンデッド達は力が強く外壁などを簡単に壊す。
「なんでアンデッドが!!」
「なんじゃ、あんでっとって?」
「死体のようなもんだ、でもこのアンデッド…」
「どうしたらいいの?」
リリネッドがクロウに上目遣いで問いかける。
クロウはため息ながらで言った。
「俺は燃やすからナギは」
「斬る…じゃろう!?」
ナギはどや顔で言った。
「私は」
「ああ、倒せるなら倒してくれ」
「わかった。私だっていろんな事を教えてもらったんだから披露しないとね」
リリネッドはアンデットのいる方へ剣をぶん投げた。
「観ててすっごい技」
リリネッドは投げた方に手を伸ばして言った「こい」と。
だが、剣は戻って来なかった。奥にただ投げただけだった。
「何してるの?」
「じゃ、じゃ、こっ…これは猛獣使いの技」
リリネッドの体から黒いニョロニョロした蛇の様なものが数体飛び出した。
「黒い影の蛇!!」
黒い影の蛇はニョロニョロしただけで攻撃しようとしないでそのままどこかへ行ってしまった。
「ねぇ、何してるの?」
とアンデッドが暴れだしたのでクロウとナギがアンデッドと立ち向かい、そしてリリネッドは投げた剣の方へ向かう。
するとそこに村の住人たちが飛び出してきた。
「何やってんだ!」
「それでも冒険者かい?」
「みんな、やっちまうぞ!!」
村の住人たちは次ぐ次とアンデッドを倒していった。
「この村の人たち魔術を使えるのか!!」
とクロウが言うといつの間にか隣にいたフィリナ言う。
「それはそうでしょ、この村のほとんどが僧侶の魔術を使えるから」
「はあ!!」
クロウはフィリナの頭を鷲掴みした。
「ちょっ痛い」
「聞いていた話が違うんじゃないのかい?、僧侶は山の上にしかいないって話では?」
「教えてくれる優秀な僧侶はって話でいないなんて言ってない!!」
クロウが話しているとアンデッドを倒し終えてナギが村人たちを連れて話に入る。
「どうやら、そうみたじゃ」
「ああ?」
「半世紀前まであの教会で僧侶を習っていたらしいぞ。この村の者たちは」
「そうなのか?」
「だからこの手を、この手をはな、離してぇ~」
クロウはフィリナから手を放す。
「それ私だって旅の物だからこの、村のことあまり知らないし」
「あ゙あ゙ぁ!?」
「ご、ごめんなさい」
フィリナは泣きそうになった。
村人がクロウたちに話す。
「アンタ達、本当に冒険者で勇者一行かい?話が違うよ~」
「なんの話だ?」
「いや、ある一人の冒険者が勇者一行がこちらに向かってくるかもしれんって話を聞いていたんだ」
「誰だ?んなこと言ったのは」
「たしか~…」
●●●
数日前の話。
ボロボロの男が言った。
「多分、道を間違ってこの村に勇者が一行がくるからその者たちにアンデッド退治を任せるといい。彼らならこの村を助けてくれるはずだ。だってこの俺ととある村をドラゴンから救ったからなあ。ちなみに俺はアンデッドは専門外だ!! ハハハァ」
金色の鎧を着た男がバカみたいないな笑い方をしてそう言った。
●●●
村人の話が終わるとクロウとナギの脳内には一人の男が浮き出た。
「「サイガ」」
「だから、期待して見ていたらこのざまあ」
「いや、それは俺とこのナギとなら余裕だったが…」
みなが勇者・リリネッドの方を見る
リリネッドは正座で剣と喋っていた。
「ねぇ、話違くない」
剣は反応はなかった。
「ねぇ、ねぇ、ねぇったら」
剣には反応はなかった。ただの物だった。
「もういいもん、その気なら置いていくから」
とリリネッドが剣を地面に刺してその場から離れようとしたらリリネッドの右手から糸のようなものが伸びてゴムのように反動でリリネッドが剣のように戻ってきて頭を剣に当たる。
「痛い!、なんなの!!」
といつの間にかリリネッドの真後ろに立つクロウ。
「なんなの…じゃ~ねぇ~よ!!」
リリネッドの頭を鷲掴みをするクロウ。
「い、いたい、当てた所も痛い」
「お前はさっきから何してんだ?」
「いや、ちょっと」
クロウはため息してそのまま村人たちのところまで連れていく。
「すまない村の人。うちの勇者はまだ未熟ゆえ、失敗もする。そのお詫びにこの村を今日中に救ってやる」
村の人たちは大喜びした。
「いや、私はみじゅくなので戦闘は…」
と言い終わる前にクロウがキレぇ顔でリリネッド見て、黙る。
「それと勇者様は僧侶の技を覚えらえるスキルがあるので誰でもいい教えられる奴はどんどんこの勇者に教えてやってくれスポンジ以下の脳だけど適当に教えればどれかは覚えるはずだ」
「お主めちゃくちゃだぞ」
「こっちの方が手っ取り早いだろう」
「そうか?」
勇者が村人たちにワッショイされながら酒場に入っていった。
クロウとナギが酒場に向かう前に倒れて縛られているアンデッドを確認する。
「気になってはいたがやっぱりこいつら」
「みんな同じ顔しているのぅ~」
と村人数人が近寄る。
「そうなんです」
「毎日ではないが山から下りてくるんだこいつら」
「太陽の日差しを浴びると消えてくれるが…」
「太陽の日差しを!?」
クロウは考えた。
「どうしたんじゃ?」
「いや、俺の勘違いかもしれないけど…」
「だからなんじゃ?」
「いやこの世界ではアンデッドは太陽に弱くなかったはずなんだけど…いや俺の勘違いかもな」
クロウは村人に尋ねる。
「なんでアンデッドがこの村に来るんだ?」
「山の上も教会よりも上の方にある洞窟の中に扉があってな。どうやらアンデッドがそこから出てきているらしんだ」
「なんで」
「そんの事しらない。わからな
クロウは4人組を思い出す。
「教会に住んでいる奴ではないのか」
「それは違う!!」
村人は怒鳴った。
「いや、すまない。彼は…違うんだ」
何か隠しているようだったがクロウは詮索しなかった。
クロウとナギはとりあえず酒場に向かった。
●●●
二人が入るとリリネッドがパンクしながら村人に囲まれながら魔術を教わっていた。
「あれ、大丈夫か?」
「とりあえず、助けてくるわい」
ナギがリリネッドの方に向かった。クロウは近くの椅子の座って見守る事にした。
すると酒場の何人かが楽器を取り出して演奏し始めた。
「なんだこれは?」
「知らないの?って知るわけないか」
フィリナが言った。
「これはこの村に伝わる曲でねえ。『挨拶』と『感謝』を伝える意味があるんだよね」
「へぇ~」
「あれ?、あと一つあったような…まあいいか」
少し、盛り上がったあと、リリネッド一行はもう一度、山に向かう事にした。
「クロウ、面倒だから一瞬で飛んでいこうよ。朝になっちゃうよ」
「う~ん、なんか嫌な予感がするんだよな」
フィリナが服を変えて一行の前に立つ。
「アレその格好?」
「そう実は私は魔法使いなんだ」
「マジかよ」
「本当にアンデッドどうにかしてくれるんだよね」
リリネッドは少し考えて言った。
「期待はしないでね、でも私の仲間は強いし頭がいいから大丈夫だと思う」
「よろしくね、勇者様」
フィリナは一行に移動魔法をかけて飛ばしてその場で倒れる。
「魔力使うのよねぇ~この魔術」
●●●
一行は教会前に飛ばされた。
「いきなりやるなよ!!」
「やるときはいうもんじゃ!!」
クロウとナギが愚痴を言っている中、リリネッドが教会の外にいるシンノスケを見つけた。
月の光が窓の反射でシンノスケを照らしていた。フードを取っていて素顔がはっきりと映りこんでいた。
クロウがシンノスケを見て言った。
「俺の予想が当たっていればアイツは…」
シンノスケは一行に気が付いた。
「アンデッドだ」




