第16章 その手に感じた物
トダイカ国のギョク城に魔帝国の幹部の一人、オルガ・サジエタンが来ていた。
オルガはギョク王を首根っこを掴んで地面に押し付けながら話す。
「おいおいおいおいおいおいおいおいおいおい!!! 俺が来た理由をよ~~~~おぉ!! わかるよなぁーーーーー!!!」
「っう…」
「 なんで勇者の剣が有ったことを言わなかったんだ…あ゙あ゙あ゙!!!!!」
城の兵士達は武器を構えるも動けずに見ていた。
「そもそも、この国は魔帝国と契約を結んでいるハズだよなぁーー!!!、俺たちの国と契約してるからこうやって幸せに幸福に安全に生きてられるんだろうがあああよぉぉぉーー!!!それなのに…俺たちに報告もなく勝手にやってよ~~~ぉ!!!世界中の戦士や英雄、各国の兵士や実力者を集めて勇者を見つけるなんて…」
オルガはギョク王の首を一瞬だけ強く握るが気を落ち着かせてから力を弱めていく。
「何をされたか俺は知らないがよぉ~、王が勇者に恨みがある。そんなことをアンタらは知らなかったとはいえ…なぁ~~~どうなんだ!!?」
「?」
「その日に見つかってその日に旅をさせて、その国に来た世界中の戦士や英雄、各国の兵士や実力者ををわざわざ、送り迎えまでして…お前は何を目的だ?、国を大きくしたいだけじゃ~~足りない要素が多すぎると俺はよぉ~~思うんだが」
ギョク王が口を開く。
「た、ただ中央国の様な国にしたいと思っただけじゃ!!本当だ!!」
オルガはギョク王を見下した目で見たあとのギョク王の首から手を離す。
「そういえば、勇者は元々この城の女って話じゃ~~ねぇ~~か…どんな奴なんだ?」
「し…知らんのだ」
「あ゙あ゙あ゙あ゙!!!!」
「いちいち、使用人の名前なんて覚えておらん」
「じゃ~~~てめぇじゃ~~~話にならねぇーならよぉ~~~使用人を早くよべぇ!!!!」
だが、使用人だけじゃなく城の人物に聞いても有益な情報は得られなかった。
城の外でオルガは棒状のお菓子を食い散らかしていると魔帝王から連絡が来た。
『オルガ』
「王よぉ、わかった事がいくつかある。まず、剣が見つかったのはつい最近らしい。それも地下が有ったことすら最近わかったとかだ。探索しているときに見つけたらしい」
『その国は100年以上前にできたばかりではなかったか?』
「たしかに中央国の血縁者だったはずで今は中央国とは絶縁関係になっていたはずだぜぇ!」
『そんな国で勇者が見つかるとはな』
「ああ、出来すぎだぁ。これで勇者がアンタの首を取ったってなったらぁあ」
『それはないよ』
「それりゃ~そうだぁ。話は戻って勇者についてまとめるとだぁ」
『ん?』
「侍女として働いていて仕事はミスが多いいが気が利いて、人とは少し距離感を作っていたとか…親しいやつもいなかったらしいから名前すら覚えられてない、新聞で初めて名前を知ったぐらいだぁあ。そんな奴が勇者だぜ…面白れぇぇ~!」
『わかった…オルガ、手間をかけさせた』
「アンタの命令なら地の果てまでやるぜぇ!!!」
魔帝王への連絡を切った。
「まったくぅよぉ~~~、さてどうしたもんか」
外で遊ぶ子供たちが木にボールが引っかかっているのを見てたオルガは子供たちに近寄る。
「なんだぁ? 取れなくなったのか、どれ少し離れてろ」
オルガは木を引っこ抜いて木を横にしてボールを落とし木を元に戻る。
子供たちは驚いたと同時に歓喜がわいていた。
「気を付けて遊ぶんだぞ」
「「「「はい」」」」
オルガ子供たちに手を振って国から出ていった。
●●●
リリネッド一行は見渡しのいい場所でソロアクの墓を作った。
3人は手を合わせ終わり、次へと歩き進める。
歩き続けて翌日に村を見つけた一行はそこへ行こうとした時、クロウが不満げな口調で話し始める。
「勇者様、お前もう勇者、辞めろ」
「えぇ~、なに急に」
「ここまでの旅で何をした?」
「う~ん…えぇ~と」
「川で溺れている人がいたよな」
「でも仲間がいたよね」
「冒険者が喧嘩してたよなぁ」
「仲違いだよねぇ」
「村の近くで子供が泣いていたよなぁ」
「自業自得」
クロウがリリネッドの頭を鷲掴みする。
「勇者の自覚ができたと思ったらこれだよ」
「まあ~、クロウよ。 これがワシらの勇者じゃはこういった奴じゃ、諦めい」
クロウはため息をしたあとにリリネッドの頭から手を放す。
「今日はお前は、顔を隠しとけ」
「うっえぇ…」
クロウはリリネッドに色付きの眼鏡を付けさせ、フード付きのコートを剣を隠すように着させた。
「今から行く村ではお前は、勇者を名乗るな…いいなぁ」
「別にこれが私なりの勇者であって、それを押し付けるのはどうk」
クロウはリリネッドの頭にチョップを繰り出す。
「イッツッタァ!!」
「兎に角、次行く場所の準備の為にも買い出しをしないといけないんだ」
「まぁ、たまにはリリネッドも勇者を忘れてもいいかもしれんのおぉ~」
リリネッドはムスっとした顔しながら村へと向かった。
●●●
クロウとナギは買い出しに向かいリリネッドは噴水近くのベンチでパンの子袋の中に入っているチョココロネを取り出し食べながら待っていた。
「なぜだろう、これに惹かれるのは?」
天気も良く空気もよく繁盛している村で幸せそうな人たちの見ながらパンを食べるリリネッド。
そこにシルクハットに杖を持ったダンディな男性が話しかけてきた。
「すみません、そこの隣よろしいですか?」
リリネッドは周りを見るとベンチが埋まっていた。
「いいですよ」
そう言って隣を開けた。
「ありがとうございます」
「この村に人?」
「いいえ、今日来たばかりで」
「へぇ~」
「その言い方だとあなたもこの村の人ではなさそうですが」
「うっ」
「すみません、変なこと言ってしまって」
「い、いいえ本当の事なんで」
少し間があった後、ダンディな男性がリリネッドに尋ねる。
「そういえば私、勇者を探しているんです」
「っう…ゆ、勇者をなぜに?」
「お話があっt…ごめんなさい、こんなに話し込んで」
「い、いいえ別に」
「私はアルr…アルと申します」
「わ、私はりr~~~……リ、リサっていいます」
「リサさんですか、素敵なお名前です」
「あ、ありがとうございます…勇者にあってどんなお話を?」
「まあー、世間の話を」
「なるほど」
「どう考えているのか、もしかしたら話している内に争うことになるかもしれませんが」
「喧嘩になるの?」
「それは私も避けたいですね。話ですむならそれがいい。今の勇者がいい人だったらいいけど…」
アルは遠い方を見て何かを考えた。手が震えているのを見たリリネッドが聞く。
「何かされたの?」
「…ええ少しね」
アルは何かに気がついて立ち上がった。
「少しお話しすぎたようです。ごめんなさい話し込んでしまい」
「いいえ」
「それはリサさん、もう会うことはないと思いますが」
アルが去ろうとした時、リリネッドはアルの手を取る。
「あ、…ごめんなさい」
「い、いえ?」
「…なんかあなたに言わなきゃいけないことがあった様な気がして」
「リサさん?」
「ご、ごめんなさい、大丈夫です」
アルは空気を換えるためにリリネッドに問いかける。
「リサさん、この世界をどう思いますか?」
「え?」
「思った通りに言ってください」
「めんどくさい」
リリネッドは迷わず言った。その回答に満足したアル。
「私もそう思いますよ。気が合いますね」
そう言ってアルは立ち去った。
リリネッドは唖然としていると袋いっぱい持ったナギが横に立つ。
「なんじゃ、アイツは?」
「あ、ナギ」
「何者じゃ?」
「アルさんだよ」
「アイツ……リリネに手を触れられて表情を変えないとはただ者ではないな。顔がよく見えないとはいえ」
「何言ってるの?」
「リリネはもっと自分の可愛さに気が付いた方がへぇぇ」
「別にどうでも…」
「どうでもいい話はその辺で、実際あの男は誰だ?」
といつの間にか現れていたクロウも話に入っていた。
「クロウ、だからアルさんだよ」
「勇者様、アイツとしゃべって何もされてないですか?、よく見せて!!」
クロウがリリネッドの顔を掴む。
「う、うっえぇ!!」
リリネッドに何もないのを確認した後、クロウは男が去った方を見る。
●●●
アルが人込みの中の歩き、ふと路地裏に入り奥の壁に突き当たる所をそのまま進んでいた。
アルは壁に当たる直前に空間の隙間が開いてその中に歩いて行った。
中はよどんでいる薄暗いところを歩き続ける。
そこに一人の人物がアルに近寄る。
「どこに行ってたんですか?」
「少し外の世界を見てきた」
「貴方が外の世界に行ったらどうなるかわかってるんですか?」
「すまない」
「本当にわかってるんですか!!、魔帝王・アルロムス様」
「ああ、わかってる。勇者の場所が特定できたから会えたらいいなって感じで行っただけだもうこんなことはしない。バレたら規定を破ることになるからな」
着ていた服を一瞬にして変えた魔帝王のアルロムス。
シルクハットを取ると大きな角が出て、ズボンは尻尾が突き破って出てきた。
「力を抑えるのは大変だなぁ」
「おお!!ご立派なお姿」
「そうか…」
アルロムスは入って来た空間の隙間が閉じるのを見る。そして思い出す出会った人物を。
思い出す触れられ握られた手を見て。その手を強く握る。
「必ず、この世界を…そのためには勇者を!!」
アルロムスは魔帝城に向かう。
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夜、リリネッド一行は宿にて。
「とりあえず、この村でクエストをいくつかやってから出るぞ」
「「なんで?」」
「金がねぇ~からだよ」
「無駄使いし過ぎじゃぞクロウ」
クロウはイラっとしてナギの頭を鷲掴む。
「お前の買い物が多いからだろうが!!」
「イタイ、イタイ、イッタイ、や、ヤメロイ」
ナギはクロウの手を払う。
「女の子はいろいろと必要なのじゃよ、なあリリネッド」
「うへえ?……。そう?」
ナギはヤレヤレって顔をクロウに見せる。クロウはイラっとする。
「もういい、寝る」
リリネッドとナギとは別に部屋に戻るクロウ。
二人も寝る準備をしてベッドに入る。
月明かりがさす窓の近くでリリネッドはアルを思い出し握った手を見る。
「何を言うをとしたんだっけ? 何か大事な事だったような」
リリネッドは窓から見える月を見て思うのだった。
16章まで読んでくださってありがとうございます。
サブタイトルをちゃんと考えよう思いましたの次からはちゃんとした感じでやります。
よろしくお願いします。




