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勇者を利用する者たちの冒険  作者: とり飼ジン
冒険の始めり篇 ~勇者始めました~

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第12章 勇者達に助けられた男と男冒険者の僧侶発見

朝となり廃寺から出るリリネッド達は道なりに進んでいくと大きな崖がある事に気が付いた。

「うわ」

「気を付けろよ、雨でぬかるんでるから滑るぞ」

「わかってるよ」


心配そうな顔で見るクロウだったが奥の方で少し大き目な村を見つけて指をさす。

「ほら、あそこだ」

「本当だ王国と比べたら小さいけど」

「いいから行くぞ」


とクロウの服の袖を引っ張るリリネッドが、村とは逆の方に指をさした。よく見えないどの遠くの方をさしていた。

「観て、観て、あそこ大きな滝」

「よし、行くぞ」


崖道を歩いているとどこからか声が聞こえてきた。

3人周りを見渡したが誰もいなかった。

だが声はする。もう少しだけ耳を傾けていると崖の下から声がした。

3人は気を付けながら崖を見下ろすと崖の木の枝につかまって登れない金色の鎧を身に纏った男がいた。

「いやはや、やっと人に出会えたよ。悪いが助けてはもらえないか」


3人は見下ろすのはやめる。

「よし、村に行こう」

「そうじゃな」

「おい、待て」

「いやだよ、面倒ごとになりそう」

「それは、わかるが…なら助けた後、全力で撒けばいい」

「そうじゃな」

「逆に一度村に戻ってからもう一度ここ戻ってくるのはどうかな」

「それ死体確認になるだろう」

「というか、私あの人どこかで見たことあるような気がするんだけど」


金色の鎧を身に纏った男がやばそうな声で助けを求め始めたところでクロウが魔法で助けた。

「いやいや、助かった。 ありがとう昨日の夜に足を滑らせてしまってね」

「「「じゃ~それでわ」」」

「待ちなさい。 俺に御礼をさせてはくれないか、命の恩人」


3人は全力で逃げるが鎧の男が先回りして止めた。



 ●●●



村に着く前に間に鎧の男は名乗り始めた。

「俺は『サイガ』だ。いずれ有名になる名だ、覚えてくといい」

「え?、あ、う、うん」


リリネッドは適当に頷いた。

「君たちはもしかシャイなのかな? 3人とも照れ屋とは愉快なパーティじゃないか。安心しなさい、俺は気にしない。 さぁー、名乗りなさい。この俺が受け止めてやる。俺は魔帝王を倒し、いずれ英雄になる男だ!!」


3人は聞こえないようにコソコソ話して話す。

「ど~しよう、付いてくる」

「あの者、めちゃくちゃ喋るではないか」

「もう村だ、御礼させて終わらせよう。バカは二人もいらないんだよ」



 ●●●




村に着くとサイがが倒れこんだ。

「おい、無駄にシーン作ってんじゃーねぇ!!!」


サイガの顔色が悪くなっていた。

「すまない、気にしないでくれ。命の恩人の御礼が先だ」

そう言って平然と立ち上がる。が3人はサイガを捕まえて教会に向かう。


歩いていくと村の中央で人だかりができていた。

村人は心配性な顔をしていた。

村人の一人にリリネッドが話しかける。

「どーかしました?」

「それが村の子供達が昨日の夜から帰ってこないらしく、いま村の人とたまたま居合わせた冒険者さんが探しに行きました」


話していると一人の男がリリネッドの剣を見て話しかけてきた。

「もしかして、あなた勇者様ですか」

「え?」

「勇者様、どうかお力を」

そう言って、村人の男はリリネッドを羽交い締めして連れてかれていった。


「(人さらいだ)」

「(リリネッドが…)」

クロウとナギはとりあえず、教会に向かった。



 ●●●



リリネッドは馬車に乗せられてから10分ほどの場所で降ろされた。

村人達は数十人いるなか冒険者が1組いた。リリネッドを無理やり連れてきた男が話す。

「あの方たちが冒険者です勇者様」


リリネッドは冒険者達に近寄ると冒険者たちから話しかけてきた。

「なんだ、かわいい子がいるじゃね~か、俺()()()()だ」

「なになに、俺たちに様かい? ()()()()

「いいね、結構タイプだわ。俺は()()()

冒険者の4人中、3人がリリネッドをナンパし始めた。その中の一人は3人を止める。

「そんなことをしている場合じゃないだろう」

「あ゙あ゙?、知らねぇ~よ」

「いいからお前はあっちいって村人たちを手伝ってろ」

「だが、みんなで探せば」

「その辺にいんだろ」


リリネッドはとりあえず、話が終わるまで呆然としていることにした。

といつの間にか話が付いたようで冒険者たちは子供を探し始めた。

リリネッドもとりあえずついて行くことにした。

探し始めて数十分もたたない内に、子供が見つかった。


滝の横にある断崖絶壁のでっぱりが出来ているところに子供が座り込んでいた。

「あんな所に」


村人たちが馬車からロープに梯子を取り出して崖まで行こうとしている時にクモグサが「梯子を持ってこいそうすれば助けられるぞ」と言い出した。

仲間の一人である()()()()が「今やってるから」と言うと不機嫌な顔をするクモグサ。


崖のでっぱりの幅は狭い為、村人の男性の一人だけ降りた。

男性は子供を抱きかかえて泣く子供をあやしながら登って来た。

「よし、あと子供は何んだ?」

「たしかあと二人だ」

「他の子は滝の後ろにある洞窟にいるんだ。助けて!」

村人たちが話していると子供が泣きながら言う。

「洞窟があるの?」


リリネッドがそう言って確かめるとよーく見ないとわからないが確かに洞窟の入り口らしきものが見えた。

「冒険者としては行かないとな。ソロアク、お前が先に行け」

「わかってますよ」

「私も行くよ」


ソロアクとリリネッドが梯子を降りて安全を確認した後、他の仲間も降りた。

「気を悪くしないでくれ、彼らなにのノリみたいなやつだ」

「大丈夫だよ、子供たちを探そう」


二人が奥へ入っていき光が当たらなくなる所まで行ったところで動けずにいる子供が二人いた。

「大丈夫かい、君たち」

とソロアクが子供たちに寄り添ったあとリリネッドが奥に何かがいるのに気が付いた。

「なんだろう?」


子供たちが怯えながら小さい声でソロアクに伝える。

「早くここから出ないと」

「奥に…奥にドラゴンが眠っているんだ。静かにしないと起きちゃう」


ソロアクが手から薄光で回りを見渡すと少し離れたところに大きな体が見えた。

リリネッドとソロアクは警戒態勢をとる。

その後ろからそれを知らずに大きな足音を立てて3人が入って来た。

「おい、何してんだ?」

「子供はいたのか?」

「ん? なんだ?」


ソロアクは魔法で仲間たちに状況を伝えた。仲間たちは奥を見てビビる。

クモグサ以外の二人が先に逃げた。

ソロアクはリリネッドに一人の子供を渡して二人はゆっくりとその場を離れて洞窟から出た。



 ●●●



村に残ったクロウとナギは倒れたサイガを教会の神父に見てもらった。

「これは私では治せません」

「なんでだよ、あんた神父だろうこれぐらいの事」

「ですが彼のは複数の毒や呪いが入り交ざっていて複雑になって。なぜここまで平気でいたのか…」

「マジかよ」

サイガは眠っていた。




 ●●●




子供たちが見つかりみんながそれぞれの馬車にもどる。

リリネッドとソロアクが一緒の馬車に乗る。

「そういえば、名乗っていませんでしたね勇者様。私はソロアクともうします。僧侶してます」

「私はリリネッド。まだ勇者って資格はないんだ。毎回、勇者様って言われたりするけどまだ慣れなくって」

「その剣があなたを選んだ理由が何となくわかりました。私もその剣を抜こうとした一人なので」

「じゃ~あなたも勇者になろうとした一人ってなるのね」

「ええ、身の程知らずの身分でなろうとした者ですよ」

「私なんかよりあなたの方があってると思うけど」

「勇者様にそんなこと言われたら光栄です」


二人がそんな話をいている中で別馬車に乗っているクモグサと他の二人が怪しい話をする。

「これ見ろよ」

クモグサは自分の持つ鞄の中を見せる。

「なんだよそれ」

「さっき眠っているドラゴンの奥に光っていたから持ってきちまった」


他に乗り合わせている人たちに見えないように取り出す。

「大きいだろう、宝石だ」

「あのドラゴンはこれを待っていたのか」

「ああ、これは売ったら俺たちは大金持ちになるぞ」



だが、その行動によりドラゴンが起き始めた。



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