第9章 Re:バースから始まる冒険生活
「死んでしまうとは何事だ・・・勇者どの・・・」
その声で床に寝ているリリネッドが目を覚ます。大きなソファに足を組みながらこちらを見下げている女がいた。
「おいおい、この私が話しているんだからそろそろ、起き上がれよ」
リリネッドは起き上がり正座で話を聞くことにした。
「お前は死んだ」
「え?……ああ、うん、そうだね」
「なんだ、驚かないのか?」
「自覚はあるよ」
「ふ~ん…。 まぁ~とりあえずお前にはいろいろ話さないといけないことが沢山あるんだ」
「いいよ、早く楽にさせてよ」
「おいおい、マジか」
リリネッドは足を崩して伸ばす。
「面倒だからさぁ~」
「マジかよ、これが今の勇者か…まあ~嫌いではない」
女はソファから降りてリリネッドに近寄り言う。
「とりあえず、言っておくが私は女神だ。 崇めろ凡人」
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気が付いた時にはリリネッドは落下し続けていた。女神と名乗る女もリリネッドの横で一緒に落下していた。
「結論から言ってこの世界を作ったのが神で、その後を創造したのが私だ。創造したからと言って想像通りに行かないのが世の常なんだが。なんだ? なんで落下しながら話さないといけないか? 安心せいよ、永遠に落下させたいだけだ」
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気が付いた時にはリリネッドは無数の階段の世界に囲まれた場所に立たされていた。
「早く言えば、お前を生き返そうと思っている」
「そんなことをして貰わなくてもいいですよ」
「馬鹿を言え、お前は勇者だぞ。 あの世界を救うのがお前の仕事だろう」
リリネッドは剣がないことに気が付いたがそのまま会話を続ける。
「あの剣に勝手に選ばれただけだよ」
「あの剣ねぇ~・・・。あれは私も規格外でね」
「規格外?」
「それは置いといて」
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気が付いた時にはリリネッドは海の中にいた。
「君は基本、顔に出さないタイプだね。まぁ~話を戻して、あの世界は現在、魔帝王の独壇場になってはいるが王はあの世界の支配に興味がないのだ」
「ネタばれ」
「いいんだよ、私の目的のためには些細な事だ。 だが魔帝界は外の世界に興味があってその世界も自分たちの世界としたいと思っている奴が数人いた。まあぁ~魔帝王の目的は勇者・・・お前だ」
「なんかそんな話を聞いたような・・・」
「正確には前の勇者なのだがな」
「私の前の勇者は何をしたの?」
「それはだな…」
と話そうとした時、何かに気が付く女神。その表情をみたリリネッドは自分の体を見ると薄くなっていた。
「え?」
「なんだ? 私はまだなにも!?」
「何が」
「どうやら、お前を生き返した奴がいるらしい。あの魔法使いか? いや、まさか…」
「私はどうすれば?」
「もう時間がないからいくつかミッションを与えてやる。冒険者で言うところのクエストだ」
「クエスト?」
「一つは深海帝国と天界国へ行き魔帝国の同盟をなくすこと、二つ目は魔帝王によって進化したモンスターの解放、三つ目は怪ぶt…」
話は途切れリリネッドは復活した。




