この世を去る勇気
怠け者は報われず
努力する者が報われる。
そんな信憑性のかけらもないことを大人は俺達に伝え続ける。
何をするにも
「頑張ればいつかやれる。」
「努力しないからできないんだ。」
「もっと頑張れ、諦めるな!」
そんな言葉言われたって誰が信じるんだよ。
努力すれば報われる?
頑張ればいつかできる??
誰が証明してくれる、そんなこと。
誰も証明なんてしてはくれない。
この世界には何億何兆何京と人間がいて全員が努力して報われているとでも言うのか?
馬鹿なことを言うなよ。
現に俺は今、報われてなんていない。
むしろなぜこんなに不幸なのか、神様がいるのなら直接聞いてみたいところだ。
どれだけ勉強を頑張ったって平均以下
どれだけ運動したって運動神経は皆無
好きな人には振られ、友達なんてほとんどいない。
父親は議員で母親は小さい頃に他界した。
今、父親が議員ならいいじゃないかと思っただろ。
親ガチャ当たりだって?
バカを言うなよ。
あいつはもう父親なんてものじゃない。
あいつは母さんがこの世を去ってすぐ口紅が真っ赤な女と出ていった。
それでも議員なんだからお金があると思ったか?
金なんて1円も俺の懐には入ってこない。
母さんがいなくなった日から俺はあいつにとってもうお荷物でしかないんだ。
いや、赤の他人とでも思っているのかもな。
その証拠に俺の今の苗字は笠原。
あいつの苗字は神宮寺。
そう、俺は今母親の姓を名乗らされている。
父親の手によってそういうことにされた。
どんなに頑張って生きたって、父親にも神様にも見放された俺はもう生きている価値なんてないって事だろうな。
生きている価値なんてないし、俺がいなくても泣いてくれる人なんて、この世にいないんだ。
だから
「......もういいよな。」
笠原 優多 高校2年生。
今日この日を持って、死にたいと思います。