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ざまあとかさせてもらえないみたいです

ざまぁと言うか天罰ってやつですかね(他人事

作者: 大貞ハル
掲載日:2021/04/17

「ざまあとかさせてもらえないみたいです」の待ってる側視点です。


「う〜、さむさむっ」

「おう、おはようさん」


白黒のいわゆるメイド服を着たアミラが宮殿から出ると、庭師のエディが声をかけた。

エディは庭師なので花などを育てるのが本職だが、今は野菜も作っているし鶏の世話などもしている。

アミラは食材を取りに来たのだ。


「エディさんは寒いの平気な人?」

「おう、以前は古傷が痛んだりしたが、聖女様に治してもらったからな」

「聖女様…、早く帰ってきてくれないですかね…」

「そうだな…、まあ、冬が終わってからでも良いんじゃねーかな。意外と寒がりだったし…」

「ふふ、そうですね…」


ここは近くに地下迷宮アビスを有するオーティスタリア帝国の帝都オーティス。

その帝城の中にある聖女の宮殿である。




「あの、聖女様? 私なんかで本当によろしいんでしょうか」

「ええ、貴方が良いわ」


アミラは魔物に襲われ怪我をして死にかけているところを聖女アンナに助けられた平民だった。

聖女の力は傷や病を癒し、結界を貼る。魔物が出やすい場所を浄化する、などがある。

本来高貴な人間の従者は身元がしっかりした下級貴族や娘の多い上級貴族の三女、四女などがなるのが普通だった。表向きは聖女の地位は王族に次ぐもの、と言うことになっている。


「私も元は平民ですもの。むしろ安心できると思うの」

「そ、そうですか?」

真面目に話をしている振りをしつつも、両手を包み込む様に持たれては照れるし興奮もする。


 うひょ〜、手が、めっちゃ柔らかくてあったかい。と言うかちっちゃくて可愛い〜


聖女は見た感じ12〜13歳の小柄な少女だった。アミラよりは少し幼い、ように見えた。


平民出だと言っていたが、小さな頃に洗礼を受けた際、聖女である事が判明してすぐに教会に連れてこられたらしく、それなりの教育を受けたのだろう。雰囲気は貴族の令嬢っぽかった。


聖女の住処は城の中の宮殿だった。城の中に宮殿があると言うのも変な感じだが、巨大な城砦とも取れるそれは、建築物が重なり合っているような構造になっていて、聖女の宮殿は二層目の屋上に当たる場所に建てられていた。政治などが行われる建物は、一つ上の階層の屋上に建っている。地面は畑ができる様な土だが、この下に空間があるらしいことも確かなので、どう言った構造なのか、どうやって作ったのかは謎である。宮殿はどうやら今の聖女様の為に建てられたと言うわけではない様で、手入れはされているもののそれなりに古びていた。



「貴方には聖女様の侍女をしてもらいたい。のですが、実際には人手不足でして…」

「すみません、そもそも侍女って何を…」


聖女に連れられてアミラがやってきた宮殿には数人のメイドが居た。

メイド長は聖女にこの宮殿が割り当てられた際に付いてきたのだと言う。

聖女を崇拝し帝国側の聖女の扱いには不満を持っているようで信頼できそうだ。


実際にはそれだけしていれば良いと言うわけではなかったが、基本は聖女の身の回りの世話をする事になった。髪を梳かし着替えを手伝い、お風呂で背中を流したりした。内緒ですよと言って逆に洗ってもらったりもした。


「あの、こんな格好で良いんでしょうか」

「むしろこの格好でなければダメです」


聖女様の外出にもお供する様になると、体型を誤魔化す服装に顔を隠す髪型、変な化粧を施された。


「王宮の者たちに目をつけられたら困りますから…」

「聖女様は心配症ですね。私なんか相手にする貴族は居ませんよ」

「逆ですよ。彼らは気軽に手を付けられる相手を求めています」

「マジですかよ」

「マジなのですよ」


聖女の宮殿の外では2人べったりくっつくようにして常に行動を共にした。

後でメイド長に聞いたらさすがにアレはやりすぎだったと笑われたが。



その後、執事に庭師、メイドなどが増えていった。聖女が拾ってきた人間も居れば、聖女に恩を感じて身を寄せるものも居た。一応の身辺調査なども行われた様だが、そもそもそれをした執事のトーマスも自分から押しかけてきた人間だったわけだが、見たところ皆聖女を崇拝するものばかりだった。この宮殿自体に聖女の敵を寄せ付けない様な力が有るのかもしれない。


人が増えればお金が必要になる。だが、聖女に割り当てられたはずの予算はこの宮殿まで回ってくる事はなかった。そのため、宮殿の周りに畑が作られ、野菜や薬草が育てられ、自給自足と薬品を作って裏でお金を作ったりするようになった。聖女も魔法薬や聖水などを作って冒険者ギルドなどに下ろした。



そんなある日、聖女が居なくなった。



「聖女様が教会の予算を横領しただの王宮から金品を盗んだだの、あり得ませんね」


執事が憤慨している。そもそもこちらが予算を横領されて困っているのだ、と。


「と言うか、横領できる様な権限ないですよね、聖女様には」

「しかも勇者に媚を売って寝取ろうとしたとかあり得ねーですよ。そもそも聖女様は「あの勇者は良くない気を感じる。たぶん偽勇者だ」って言ってましたし」


報告によると、聖女が王宮から金品を盗み、教会の予算を横領して、しかも勇者を他の従者から寝取ろうと画策していた事が判明したので追求したところ、ダンジョンに逃げ込み、地底に繋がる縦穴に転落したのだと言う。


「逃げるのにダンジョンに行く理由が分からないですよぅ」

「そもそも勇者がダンジョンで小銭稼いでいるのが意味不明です。都を守るなり、商隊の護衛をするなり、他にする事があるでしょうに。そんな偽勇者に聖女様が侮辱されるなど許せませんね!」

「この宮殿で金策しているのを知って、それを寄越せとも言ってきています」

「金の亡者ですか」


「どうしまよう、トーマスさん」

「私は聖女アンナを待とうと思っています。どのみち次の聖女を迎える宮殿は必要だろうと言って、ここを維持する許可は取ってきました」

「そうですね。あの聖女様が死ぬとは思えません…」

「はい」

「聖女様が帰ってくるかもしれないって言うのは賛成です」

「私も」「私も」「賛成です」


他のメイドたちやコック、庭師のエディもこの宮殿に残る事になった。ただし、変に金があると思われると面倒に巻き込まれそうなので、自給自足に力を入れて現金はなるべく作らない事にした。



最初に変化が現れたのは、聖女をダンジョンに追い込んだと言う勇者パーティーの面々だった。

魔法や加護と言った物が全て無効になったのだ。


続いて教会の聖職者たちの魔法が同じく使えなくなった。

教会はもともと魔法で怪我や病気を直して資金を得ていた。

そもそも聖女が稼ぎ頭だったわけだが。


そして次第にダンジョンや周辺の魔物が凶暴化し帝都で疫病が流行り出す。

聖女の宮殿は神の加護が働いていて、中にいる者は無事だった。

それに気がついた者が押しかけたりもしたが、大抵は敷地に入ることすら出来なかった。

入れるのは聖女を信じるもの達だけだった。


帝都を嵐が襲い、極寒の夏、猛暑の冬を超え、やがて帝都から人々が居なくなっていった。呪われていると言って。


なんら間違いはないのだが。


聖女の使徒たちは放棄された土地を使い牛や豚まで飼い始めた。いや、それができる人たちが合流した。畑なども拡張された。他の都市と行き来する者なども手伝って宮殿は維持された。


聖女が帰らなくなってから3年目の春が終わろうとしていた。


アミラが仕事を終え息抜きに表に出ると、待ちわびた小さな人影がこちらに向かってくる姿が見えた。


「聖女様!!」


アミラが駆け寄ると聖女アンナが笑顔で答えた。


「ただいま帰りました」




基本的に何か言われても酷い誤字以外はスルーなので、別に読みたいって言われたから書いたわけじゃ無いんだからね(いや、ほんとツンデレとかじゃねーです)

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― 新着の感想 ―
[良い点] ツンデレありがとうございます! (続きありがとうございます!) ・・・あれ?本音が・・・ [一言] やっぱり偽勇者だったんですね。でも勇者が必要になるような情勢で偽勇者やるとか、もう別…
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