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季節の終わり 終わりの始まり
去り行く夏を惜しむのは
季節と心が 冬に向かうから
暑くても 寒くても
結局俺達は 文句を言うばかり
自然は時々 そんな俺達を黙らせたくて
大雨とか 台風とか 干ばつとか
仕返しをしてくるのさ
でも
その仕返しは 平等じゃない
大都会で 暴利を貪る奴等はいつも
金の力で逃げ続ける
俺達の怒りは 大都会に向かい
そこにとどまる 持たざる者達は
今日も 息をひそめて生きている
悪くないのに 望んでもいないのに
季節の終わり 終わりの始まり
教えてもらった訳でもなく
人は 自然のせいには出来ない事を知っている
だから
今日も誰かが 誰かを憎んでいる




