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港町の出会い

 なぎさ殿、いかがお過ごしでしょうか?


 某は今ディアたんと二人、海岸沿いにある街に来ております。貿易が盛んなのか街には大きな港があり、沢山の船が港に停泊しております。そして建物の全てが煉瓦を使って建てられており、とても綺麗な街並みであります。


 海では魚介や海藻などが豊富に獲れ、水も美味しくとても豊かな街です。人々は活気に溢れ、市場や街の広場などは昼夜問わず四六時中賑わっております。


 そして某とディアたんは早速街の宿を取り、ひとまずは休息することに致したであります。


 宿を取ると、ディアたんは疲れたので寝ますと言って、一人部屋にこもってしまいました。そして某はしばらくの間、一人ぼっちになってしまった訳なのであります。


 そうそう、ご安心ください。相変わらず宿は一人部屋を二つ取っております。だから某とディアたんはまだ、一度も男女の一線を越えてはおりません。なぎさ殿へ捧げた某の操は、まだ守り通しておりますぞ。


               ❇︎❇︎


 一人ぼっちになってしまった某は、とりあえず暇つぶしに街の中心の広場へと出向きました。先ほども言いました通り、広場は活気に溢れ多くの人でごった返しております。


 するとごった返した人混みの中に、一際輝きを放つものを某は見てしまいました。失礼いたしました。それは人でございます。


 真っ直ぐで艶のある綺麗な長い黒髪に、透き通るように白い肌をした一人の少女にございます。


 その少女は優雅に舞いを踊っておりました。ひらひらとスカートの付いた蒼いレオタード姿が何ともエロティシズムで美しい。


 広場では笛を吹いたりや太鼓など楽器を演奏している人たちがおり、その人たちが奏でる音色に合わせてその少女は舞いを踊っていたのであります。


 細くて長い手足やこれまた細いくびれがしなやかに伸びたり曲がったりを繰り返す。そして何より、悩ましげな腰つきが何とも堪りません。


 アビリティ、と某は唱えました。すると某以外には誰にも見えない小窓が某の前に出現いたしました。


 これは昨晩、就寝中に夢の中で習得した某だけが使える能力にございます。


 某は自らの視線を踊り子の美少女に向けました。すると小窓の中に、某が視線を送る踊り子の美少女の様々な能力値が表示されました。


 素早さ、二十五。おお、普段から舞いを踊っているだけあって、さすがにこの能力値は高いようです。ちなみにディアたんの素早さの数値は十九でした。


 やはりあの豊満かつ清らかな乳房が彼女の動きをいささか鈍くしているのかもしれません。けれども某が思うに、ディアたんはそれで良いのだと思っております。おっと、話を本題に戻します。次に参りましょう。


 力は五。知性は十二。魔力はゼロ。踊り子の少女は、まさに舞いを踊るために特化された肉体をお持ちなのだと某は思います。


 次の小窓を開いてみます。某はこの小窓を初めて見た時、喜びのあまり興奮してしまいました。


 某の視線を例のごとく踊り子の美少女に向けます。何と、小窓の中に彼女の身長と体重並びにスリーサイズが表示されたではありませんか。


 「どぅふふふふふふ……」


 笑いが止まりません。まずは身長、百五十八センチ。体重は四十二キロ。お待たせいたしました。今から彼女のスリーサイズを発表したいと思います。


 バスト、七十。まあまあ、踊り子なのでそこはあまり期待しない方が良いでしょう。


 ウエスト、五十一。うんうん。


 最後にヒップ。何と八十三センチ。


 うおおおおおおおおおお!


 何と彼女の美尻と美脚は、某にとって理想的な肉付きをしているではありませんか。あの白くてマシュマロのようなお尻と太ももが何とも魅力的であります。某は彼女の内ももに顔面からダイブしたいのであります。


 ダイブトゥー・マシュもも!


  あ、これは失礼いたしました……。


 ちなみにですが、ディアたんの身長は百六十八センチで体重は四十八キロ。そしてスリーサイズはバストが八十八。ウエストが五十八。ヒップは八十八でございました。


 「どぅふふふふふふ……」


 さすがディアたん、ナイスプロポーション。笑いが止まりません。


 すると突然、某の額が光を帯び輝きを放ち始めした。周りにいる者たちが皆薄気味悪がり某から離れていきます。


 しかし某にはどうすることもできません。ただ呆然とその場に立ち尽くす他なす術が無いのでございました。


 すると突然、某がずっと熱い視線を送り続けていた踊り子の美少女と、視線がぶつかってしまったではありませんか。少女は某の顔を見つめております。


 まずい。不審者に思われてしまったでしょうか。ひとまず逃げなければ。しかし足がすくんでしまい全く動くことができません。某はただ、彼女と目が合い続けております。


 「勇者様……」


 すると少女は突然、某の名を呼んだのであります。


 (どういうこと?)


 某は例のごとく呆然となってしまったのでありました。



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