第4話 魔法習得
現在、俺は裸だ。別にに裸族というわけではない。この世界で目覚めてから、布一枚見当たらなかったせいだ。しかし、その問題は近々解決する。加工品を、作れるようになった俺に不可能はないぜ、やっほい。
ふう。少し、テンションがおかしいようだ。もしかしたら年齢に精神が引っ張られているのかもしれない。落ち着け俺。すぐにでも、服を作りたいところだが、焦ってもいいことはない。クールになるんだ。
まず、気をつけなければならないことがある。『場合によってはカードが消失することがある』という注意書きだ。服に加工出来そうな素材は、絹糸草だ。この絹糸草は、俺の背丈ほどの高さがある植物だ。しかし、稀少なのか数があまりない。そのため失敗は許されない。
服の作成は、新たな能力を検証してからでも遅くはないだろう。10日間も裸で過ごしたのだ。今更1日2日、裸であったとしても気にはしない。しばらくは、『何の変哲もない』シリーズを使用して実験してみよう。
実験の結果、何も考えていない時、素材の大きさよりも大きな物を想像した時、その素材では製作が不可能なものを想像した時は、カードが消失してしまった。その素材を使用して、現実で製作出来る範囲の物を、鮮明に想像しないといけないのだろう。
うん、一通りの検証は終わったかな。よし、そろそろ念願の、服作成の時間だ。鮮明に、鮮明に……。
「ばーうだだだ! (アーティファクト!)」
【名称】 絹糸草のパンツ
【クラス】 衣類
【詳細】 絹糸草を加工して作られたパンツ。赤ちゃんにも優しい肌触りで履き心地抜群。
【名称】 絹糸草の上着
【クラス】 衣類
【詳細】 絹糸草を加工して作られた上着。マイナスイオンが発生しているような気がする。高級感があり高値がつくだろう。
【名称】 絹糸草のズボン
【クラス】 衣類
【詳細】 絹糸草を加工して作られたズボン。軽くて柔らかいため、動きを阻害しない。
【名称】 絹糸草のタオル
【クラス】 雑貨
【詳細】 絹糸草を加工して作られたタオル。軽い、柔らかい、肌触り抜群と3拍子揃った優れもの。
【名称】 雑草で作られた草履
【クラス】 装備
【詳細】 何の変哲もない雑草で作られた草履。装備品ではあるが身体能力向上などの恩恵はない。足の裏を怪我する確立が減少する。
完成だ。失敗しなくて一安心だ。しかし、最後に作った草履だが、詳細を見る限り、身体能力が上昇する装備品も作成可能と考えられるだろう。これについては、後ほど要検証だな。
「あうーあ(リリース)」
うん、サイズ、履き心地万全だ。人類として大きな一歩を踏み出したぞ! これで晴れて、衣・食・住の3つが揃った。ふはははは、もう俺に死角はない。
さて、ここでの生活も、大分充実してきた。そろそろアレに取り掛かかってもいいだろう。そう、人類の夢の一つである魔法の習得だ。
実は、本棚に残っていた本の中に『魔法の習得(初級編)』『魔法の習得(中級編)』という本を見つけていた。これを発見した時は、思わず雄たけびをあげたよね。
まずは、初級からだ。
なになに? ふむふむ。ん~? ん~。あ、なるほど。
初級編には、魔力の循環・凝縮・放出について、といったことや、火・水・風・土・雷などの各種属性について書かれていた。そして、初級魔法の種類とそれの習得・コントロール方法だ。おおかた理解は出来た。内容が頭に入れば、後は特訓あるのみだ。
【火魔法】
『チャッカ』(消費MP10)
10秒間、人差し指から火種が生まれる。薪に火をつけるときに便利。相手に火傷を負わすこともできる。
『ファイヤーボール』(消費MP20)
こぶし大の火の玉を生み出す。相手に投げつけると、火傷を負うだろう。
【水魔法】
『ウォーター」』(消費MP10)
空気から水を生み出す。500ml程度の水が人差し指から放出される。
『ウォーターボール』(消費MP20)
こぶし大の水の玉を生み出す。相手に投げつけると、びしょびしょになるだろう。
【風魔法】
『ウインドカッター』(消費MP20)
カマイタチを繰り出す。最高位の魔法使いでも小枝を切断するのがやっとの威力。
【土魔法】
『アースシールド』(消費MP20)
前方に土で作った2メートルほどの盾を生み出す。攻撃力20以下までなら耐え切ることができる。
【雷魔法】
『ライジングナム』(消費MP20)
電撃を放つ。相手を麻痺させることもある。
数日間の特訓の結果、5属性全ての初級魔法を習得する事ができた。始めてフワイヤーボールを放った時は、もう興奮がとまらなかった。俺には魔法の才能があるのかもしれない。
そんな甘い考えを、抱いている時もありました。
魔法(中級編)『初級魔法の習得おめでとうございます。幼児でも習得できる、初歩の初歩であるため、1日もかからずに全て習得できたかと思います』
まじかよ。俺の興奮返せよ。しかも1日もかからずに全て習得可能って……。俺は数日間かかった。寧ろ、魔法の才能なんてないのかもしれない。本によると、中級からが本番らしい。
案の定、中級魔法は一つも習得することは出来なかったよ……。
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