第2話 誕生日
次に測定するのはネスだな。
さっきからツインテールが揺れている。きっと楽しみなんだろう。
【名前】ネス
【職業】商人の卵
【HP】10
【MP】10
【スキル】
「商才lv1」
計算能力向上
【魔法】
初級魔法
「これがうちの能力? この商才lv1って……」
「そうだよ、ネスは商人の才能があるのさ」
「わぁぁぁ」
ツインテールが一段と大きく揺れている。
将来は商人になるっていう夢がある彼女だ。このスキルはこのうえない贈り物だろう。
【名前】マルナ
【職業】料理人
【HP】25
【MP】25
【スキル】
「調理技術lv5」
味覚、嗅覚、分析力、発想力向上
【魔法】
初級魔法
「あら、調理技術なんて私にあったのね。なんだか嬉しいわ」
「これからもマルナさんの料理には期待してますよ」
「ふふ、任しておいて。今日も腕によりをかけて作るわ」
【名前】マリ
【職業】魔術師の卵
【HP】15
【MP】25
【スキル】
「真実の目」
相手の深層心理まで見ることが可能。その人の本質がわかる。
「?術」
?魔法習得可能
【魔法】
初級魔法
マリが相手を悪い人かどうか見分けることができたのはこのスキル『真実の目』の能力だ。
これがある限り、スパイや腐政など防ぐことが可能だ。ただし、あまりこの能力は人に見せていいものではない。マリには忠告しといたほうがいいだろう。
「おにいちゃん、?術ってなに??」
「うーん、俺にもわからないんだよね。多分何かの魔法が使えるようになるんだろうけど……。とりあえず、魔法の才能はあるんじゃないかな」
『?術』、これは俺の指輪でみても意味が分からなかった。能力も習得することができる、という不思議なものだ。少なくとも今まである魔法ではないのだろう。しかし、どんな魔法なのか想像もつかない。困ったものではある。まあ、今すぐに必要というわけでもないからおいおい検証していくしかない。
最後に自分のカードも創っておこう。
【名前】ソウサク
【job】発明家
【HP】5000
【MP】16500
【スキル】
「異世界言語」、「異世界文字」、「Creative card【ver.8】」
【魔法】
初級魔法
うむ、HPもMPも大幅に向上してなかなかのものだ。
さて、これで全員の能力測定は終わった。
まだ初日だ。一旦はこれで解散にして、各々好きなようにしてもらおう。
「それでは、晩御飯の時間にはあそこにある城に集合ということで!」
みんな探検をしてみたいということで、さっそく見学に繰り出した。
今いるのは俺、マリ、マルナさんの3人だけだ。
「それじゃあ、僕達は城に向かってご飯の準備をしましょうか」
「マリも手伝うね」
「期待してるわ」
城に着くと早速厨房に向かう。
途中広すぎて何度か迷子になってしまった。地図を作る必要がありそうだ。
「今日は久々に新しい料理を作りますね」
「ソウサク君の新作!?」
マルナさん鼻息あらいんですけど……。この貪欲さは見習わなければならないな。
「どんな料理?」
「ふふ、いい質問だ。マリの大好きな甘くて美味しい料理だよ。その名も『ケーキ』だ!」
「――!? おにいちゃん、早く作ろう」
ケーキといってもシンプルなショートケーキもどきだ。お菓子作りはしたことないが、これ位ならば俺でも作ったことがある。
今日、ケーキを作る理由はただひとつ。この場所が本日から国となって動きだす、いわばこの国が誕生する日だからだ。国の名前も決めないといけないな。
一度能力でケーキを作った後、レシピを書いてマルナさんに手渡す。
マルナさんはレシピ片手に目を輝せながらケーキを口に含む。
「ん~!」
「あっま~い!!」
マリ、何時の間に食べていたんだ!?そのうち大食いのスキルが身につくんじゃないだろうか。
試食後は3人で料理にとりかかる。俺が食材を用意して、マリが切ったり混ぜたり下ごしらえをして、マルナさんが調理をする。今日のメニューは白パン、ステーキ、シチュー、サラダ、そしてケーキだ。
80人分作るのは思った以上に大変だ。料理できる人を増やさないといけないよな。今のメンバーではまともな料理が出来るのは、ここにいる3人だけだ。ミハルは教えれば直ぐ出来るかもしれないが、残りのメンバーはザ・男の料理って感じで味は二の次だ。これも今後の課題だな。
夕飯の時間になると、約束どおり全員が城に集合した。
3人で料理を運ぶのは時間がかかるため、皆に手伝ってもらい準備をする。
さあ、誕生会の開始だ。
「お食事前にすみません。皆さんに相談したいことがあります」
「相談とはなんですか?」
「この国の名前を皆で決めたいと思います。いい案は何かありませんか?」
因みに俺の中では一つの候補が出ている。その名も『魔物に負けない楽しい国』略して『ママタ国』だ。うん、われながらいい名前だ。
なかなか案が出てこなかったため、自信満々に俺の案を皆に伝えると何故か却下された。何でだろう……。
「ルーナ……ルーナなんてどうかしら?」
「ルーナですか?」
「ええ、なんだか分からないけど、頭の中にふと浮かんできたの」
ルーナ、ルーナか。月の女神、良いかも知れない。
魔物によって暗くなっているこの世界を、明るく照らす国。
月は自分では輝くことができない。国も同じだ。そこに頑張る人たちがいるからこそ明るく照らすことが出来る。
「よし、今日からこの国は『ルーナ国』にしましょう」
「いいと思います」
「さすがおかーさん!」
「ルーナ国、いい名前だ」
明日からがルーナ国本格始動だな。
それにしても、何でマルナさんはルーナという言葉が浮かんだのだろうか?
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