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プロローグ

皆様お待たせいたしました。

旧作「0歳転生の創造生活~住民に幸せな生活を~」のリメイク版になります。

所々内容が違いますので、些細な変化を楽しみながらお読みいただけると幸いです。

 実験、それは未知なる物を探求する者たちが愛してやまない行為のことであり、人々はそれを生業とする者たちを科学者又は発明家と呼ぶ。彼らは魔物に取り付かれたように、昼夜問わず実験を繰り返す生き物である。

 青年もその魔物に取り付かれた1人であった。但し、彼の場合は自らの欲求を満たすためのそれとはまた違っていた。


「ふっふっふ、ようやくここまできた。後もう少しで、例のアレが完成するはずだ!」


 人間は勝手な生き物である。数少ないリソースの奪い合い、尽きることのない欲求、自分と相いれない他者の排除。世の中には犯罪や紛争、貧困、孤児など様々な問題が絶えなかった。

 青年は人を愛し、平和を愛した。そのために自分の人生は、平和を維持するためにつぎ込んできた。結果として、青年は絶望した。しかし、絶望した中でも青年は諦めなかった。諦めなければ希望はあると信じて疑わなかった。そうして青年が導き出した答えが手にもつ例のアレであった。


 現在、青年の自宅周囲は完全武装した人間で埋め尽くされていた。彼らが標的にしているのはただ一人、青年のみであった。誰がどう考えても絶体絶命のピンチ、青年の命はもうあと数秒とたたずに消滅するだろう。しかし、そんな状況の中で青年はただただ笑っていた。自分が死ぬことがまるで幸せであるかのように。


「後は液体Xと液体Yを混ぜるだけか……」


 青年は一旦手を止め、引き出しから一枚の写真を取り出した。それは、緑豊かな自然を背景にし、人々の笑顔が溢れる写真であった。今ではこのような光景を目にすることは殆どできないであろう。青年は懐かしむようにそれを眺めた後、写真をポケットにしまい、実験を再開した。


 そして、青年が液体Xと液体Yを混ぜると同時に、青年こと旁宗作(つくりこうさく)という人間はこの世界から消滅した。


お読みいただきありがとうございます。

本日は数話連続で更新させて頂きますので宜しくお願い致します。

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