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デジタルブレイク  作者: 赤猪千兎
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始まりの期待値over

VRMMOなんて存在に憧れを抱いたのはいつ頃だろうか?


現実世界に飽き飽きな日常からの離脱。何にも縛られない自分だけの世界。


そんな救済に憧れ続けていた。そして……今日。




「これがVRMMO……!」




2034年。仮想現実大規模多人数オンライン、通称VRMMO。


何十年と研究に研究を重ねて開発された次世代型VRゲームである。


従来のVRゲームとは違い、視覚や聴覚だけでなく味覚、嗅覚、触覚、人間に備わってる五感全てが脳をジャミングすることによりゲーム内にあたかも存在するような錯覚に陥ることが出来る。


実際、サイバーコントロールやブレインコネクト、電脳世界、サイコマトリックスなど専門的文字列が往々と詳細を説明していくが、そんな事を始終読む必要はない。


「楽しむ、以上!」と広告にもそう書かれていた。




「楽しみだなぁ。ずっと待ってたもんなー」




高校生活の醍醐味と言っていい長期休暇「夏休み」を利用して、幼少時から憧れていたVRMMOに遂に手を出した。


ゲーム機械本体に、先行販売の世界的に注目を浴びていたゲーム「ソード・マジック」この二つを合わせた金額は予想の遥か上空を飛んでいた。


だが、夢を叶える為に背に腹は変えられない。


バイトの掛け持ち、小遣いの前借、あらゆる使える手段を駆使して、夏休みに突入前には目標金額に達成していた。血、汗、涙を流してまで欲しかったもの、夢。


今日、そのヘッドセットに電源を入れる。


青年はベットに横たわり、その頭には白いVRヘッドセットを付けていた。それはパソコンやコンセントに接続されており、その気になれば永久に起動させれるようになっている。


ゲームチップ「ソード・マジック」を頭のガジェットに差し込み、起動音が鳴り響く。


何事も準備完了。あとはスタート合図となる掛け声を呼びかけるだけ。


その時の青年は興奮という言葉では表しきれないほどの高揚感に浸っていた。そして、口から出た掛け声はその気持ちの高鳴りと比例して大声に変わった。




「ムーブライド!オン!」




今日は家に誰も居ない状況。恥ずかしがることは無い。アレ?妹が居たっけ?まぁ、いい。


少年の掛け声に反応し、深い眠りに落ちるように意識がどこか遠くへ飛んでいく。体現するならそれはワープ感覚に近いだろう。


その感覚は、青年の鼓動を高めた。




———————これから、始めるのはバグと奇跡と企みと、様々な感情の交差する、暗黒卿デストピアである。







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