005 魔法と杖
入学して1ヶ月たつ……
ボッチのままだよちくしょう!なんか元騎士団長の権力に近づきたい奴が普通のドワーフより一回り小さいし、弱いんじゃね?って言って近寄ってくる奴全員絞めてたらボッチだよ。
自業自得か。それなりに強そうなのが何人かいるけどな。関わって来ようとしないから俺も行きづらいじゃん。結局ボッチ。以上。
ともかく面倒な基礎訓練が終わって、ようやく今日からようやく魔法だってよ。
「ふんむ!よし!皆待ちに待った魔法の授業だ!まずは、魔法についてだ!自分の中には、魔力があるだろう!それは、杖なしには、魔法に変換する事は、出来ん!杖を通し、物体化したのが、魔法だ!」
「ですが、教官!教官は、身体強化を杖なしでやっていたでは、ありませんか!」
「ふんむ!いい質問だ!レオハルト学生!流石は、魔法副騎士団長の息子だ!いいか?身体強化については、杖に魔力を変換させたように、筋肉に魔力を流し、発動させるのだ!」
「はい!なるほど!ありがとうございます。」
「ふんむ。今ので理解するとは……理解出来てないやつの方が多いな。やって見せた方が早いな。」
持っていたメリケンサックにゴリラが力を込めるのが分かる。多分普通より多く集め鈍い奴でもわかりやすくしているのだろう。
魔力を溜め終えたゴリラは、練習用と思われる木のマトに岩石を飛ばした。
「ふんむぁあああ!ふん!これが、魔法だ。次身体強化行くぞ!」
全身に魔力を巡らせ感覚を研ぎ澄ましていて、殺陣のようだった。
なるほど分かりやすい。ゴリラってかなり優秀だったんだな。今まで馬鹿にした感じで、すみません。
「ふんむ!これで分かっただろう!お前らが、学園にくるまで魔法を教わらなかった理由を!」
確かに簡単に人が、死ぬな。
「「「はい!」」」
皆緊張しながら返事をする。
「ふんむ!では、まずは、杖作りから始めようか!杖と言っても魔力の依り代となればなんでもいい!俺は、近接が得意だからナックルだ!自分の戦い方で杖を作るんだ!それでは、ラグレス教官宜しいですか?」
「あっはい。どうもラグレスと申します。我が学園では、メカニックを育てるコースもございまして、本日から1ヶ月間皆様と合同授業の方を行わせていただきます。よろしくお願いします。」
メガネの白衣を着た教官の後ろにメカニックコースの人が整列していた。
「ありがとうございます!いいか?これは、授業だ!買ったものを提出するなよ!期限は、1ヶ月だ。」
ボッチの俺に本当に厄介な授業押し付けてくるよ!ブタゴリラ!