002 入園試験
学園へ入園試験を受けに行く。
学園は、自立力を鍛えるため全寮制らしい。
両親が送り出す時めちゃくちゃ泣いてた。親になったことないからあんま分かんないな。両親は、好きだけど。前世にもいたと思うと違和感があるし。
俺の行く学園は、王都にあるらしい。
ていうか俺も一応王都に住んでたのかよ。母さんがエルフだから山に住みたいとか言って王都の山に住んでたんだわ。
どうりで友達できないわけだ。
子供の頃何して遊んでたって?
体術の稽古、母さんの魔法についての本とか学校の予習してた。
なんでかって?俺がただ単に負けず嫌いだから。
クソガキに負けたくないじゃん!
魔法も使ってみたいし。母さんに教えてって言ってもまだ早いって言うしね。
とか思ってるうちに王都の学園に着く
おぉー中世って感じ。レンガ造りの建物だ。
「受付は、こちらです!」
メガネのおねーさんが大声で呼びかけてる。
「えーと。入園試験を受けたいのですが。」
「はい。それでは、受験料とお名前をお願いします。」
あらかじめ受け取っていた。お金を渡し受付けを済ました。
「こちらは、属性紙と言います。こちらに血を一滴垂らしていただくとご自分の属性が分かります。出来ましたら、奥の会場へどうぞ。」
……ナイフ渡されたけど衛生的に大丈夫なの?
まぁちゃっちゃと終わらそ。
血を一滴垂らした。
すると紙が雷、氷、土と書いてあった。
ふんふん。まぁいいんじゃない。よく分からないけどね。
奥の会場に行くと魔法、剣術と書かれた方があった。
最初は、もちろん魔法だな。早く使ってみたいし。
「こちら魔法の試験です。属性紙もらいます。
……え!?なんで?……少々お待ちください。」
何?怖っ!なんかあったん?
「普通は、属性は、一つしかないのですが……。」
「そうなんですか。」
「とりあえずもう一回属性紙にお願いできます?」
「はい。」
属性紙に一滴垂らす。
さっきと一緒だ。
「……すっすごいよ!君ドワーフなのに3つも持つなんて。」
「へー。すごいんですね。」
「すごいってもんじゃないよ!ドワーフは、土属性しか持てないんだ!」
「土しかないならなんで属性紙使うんです?」
「持ってない人もいるからね!」
「へー。」
あんまハーフって言葉が浸透してなさそうだし面倒いから説明しなくていいや。
「じゃあ魔力量を測るね。……おぉヒューマン位は、あるよ!すごいよ!君本当にドワーフかい?これだと多分合格になると思うよ!」
「はい。ありがとうございます。」
テンション高めな試験官を後にし、剣術の会場に来た。
「ふん!君で今日は、最後だ。私が存分に相手しよう。」
……なんだこのゴリラ!強そう。普通の人間っぽいけど。この世界では、ヒューマンか。父さんより少し小さいくらいだぞ!ヒューマンかよ!前世でもいねーぞこんなん!
「……よっ宜しくお願いします。」
「ふん!腹から声を出せ!小僧!そこから好きな武器を取って良いタイミングでかかって来るがいい!」
うーん。どれにするか。おっ!日本刀あるじゃん!
前世で殺陣と剣道やってたし。コイツにするか。
「ふん!それにしたか。リーチを補うつもりか。いい選択だ。」
「じゃあいきますよ!」
「ふん!バカか?いいタイミングでと言ったろう!不意打ちを狙わんか!」
「試験官には、効かないでしょ!」
ゴリラがニヤリと笑う。
俺は、構えた瞬間突きを繰り出した。
「おぉぉらぁぁ!」
「っく!小僧!」
ゴリラは、面を食らって後ずさりした。がそれから俺の攻撃は、一向に当たらない。
「本気で戦わねばならんとは、やるな!小僧!」
「喋る余裕は、あるんですね!」
「身体強化の魔法だ。これは、試験。安全第一だからな。許せ。小僧にもいずれ使えるようになる。」
ゴリラは、悔しそうにつぶやく。
「よし合格だ。小僧!祝いだ!受け取れ!」
ゴリラの鋭い平手打ちが来た。
待ってました!俺は、攻撃よりもカウンターの方が得意でね!
刀を放り投げ腕を掴み背負い投げをした。
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「いってぇ。……どこだよここ。」
アゴがズキズキする。
「おう!おきたか!」
「おぉぉわ!ゴリラ!」
「ふん?なぜ私の名前を知っている!ふん!?私のファンか?騎士団時代名を馳せていたからな!」
名前ゴリラなのかよ!どうりでだよ!
「小僧!最後の攻撃は、なんだ?私が身体強化していなければ、やられていたかもしれん。」
あー。技は、決まってたと思ってたんだよね。身体強化チートだな。柔道ですって言うのも説明ダルいし。
「……マグレですよ。」
「ふん!生意気な!まぁいい。だが貴様には、謝らなければならない。すまん。本気出しすぎた。先程先生が診察してくれたのだが、全治1週間だそうだ。本当に済まない。」
「……はっ!?」
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