オレと彼女の異世界トリップ

唐突な話をしよう。
オレの名前は新島流《にいじま ながれ》。どこにでもいるような高校生だ。普通じゃないのはオレの幼なじみさ。

吾妻晶《あづま あきら》。パーフェクト美少女。
濡れたような黒い髪に、切れ長の一重の目は潤んだようで、白い肌には染み一つない。腰は折れそうなほど細く、足はすらっと長い。頭も良くて、運動神経抜群、性格もおしとやか。
そんな彼女にも足りない点が一つある。ペッタンコなんだよ。どこがって？ 聞くな!!

今日も部活帰りにオレは晶を送ってた。美少女の一人歩きは物騒だからな。団地に向かう長い長い階段の途中で、後ろを上る晶の悲鳴が聞こえたんだ。振り向くと空中に晶を呑み込もうとする巨大な渦があった。オレはとっさに晶の手を取り、引っ張ろうとしたところで一緒に呑み込まれちまった。

気がついたら一人きり。晶はどこだ!?
そしてここはどこなんだ!!