表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

初めてのリセ

作者: Shina Kuroe

bonjour

ホストファミリー宅についてから持ってきた荷物を片付けたりしているうちに、もう高校の入学日が来てしまった。


高校のある町は、畑じゃなくてちゃんとした駅やそれなりのブティックやスーパーもあった。

そしてその高校は、私の想像をはるかに超えて、巨大だった。

下手したら小さな大学並みの敷地の中にいくつも建物があり、その横には大きな駐車場。というのも、先生だけでなく生徒も親に送り迎えしてもらうのが普通で、その他はバス通学が大半だから。近くに住んでる子は歩いてくるみたい。話には聞いていたけど、本当に大きな高校だ。ママンによれば、もっと大きな高校もたくさんあるそうだが。

留学生と言っても、一年生に入るので、新入生に混じって並ぶ。ホストシスターも同じ高校に入学するから、いっしょにいられるのはありがたい。

まだ9月なのに朝の空気は驚くほど冷たくて、身震いした。

周りにいるのは全員新入生なんだろうか。親もいるとはいえ、ここにいるだけで私の日本の高校の全校生徒を集めたくらいの数は確実にいる。

日本と同じ感覚で、講堂だか体育館だかに集められてかったるい校長の話でも聞くんだろうとか思っていたら。一向に案内される様子も無く、大きな校舎の前で待っていたら。

時計が9時を指した時、ジリリリリリーッ!とアメリカの高校ドラマみたいなチャイムの音がした。

そして、まもなく数人の大人が出てきて台に登り、静粛を求めることもなくマイクで喋りだした。

「えー、クラス分けを発表します。呼ばれた生徒から前に出て並ぶように。

・・・・・まず一年一組、担任マダム・モーテ・・・」

マダム、とかムッシューと呼ばれているのが、フランスに来たことを実感させる。


これだけいるから、一体何クラスあるんだろう、そして私が呼ばれるのはいつになるんだろう・・・。

しかし意外にも私の名前はまもなく呼ばれた。ホストシスターと共に、一年2組。

「ARIYAMA HINO」

ここでも私はイノであった。 有山(ありやま )もなんかアリャマに聞こえるし。

もういいです、イノで・・・・。

担任の先生は太ったおばさんで、すごく豪快に笑う元気な女性だ。マダム・カルメルというらしい。

「じゃあ、教室に向かうからねー!」

ぞろぞろと廊下を歩いて2階の258と表示された教室に入る。日本の学校より大きな机が並んでいて、教室の大きさ自体もかなりゆったりとスペースをとって造られている。

所属クラスと担任は存在するものの、ホームルームも決まった教室も無いので、授業までに登校すればいいらしい。先生が時間割を配り始める。

配られた時間割を見ると、あることに気がついた。

「ん?このところどころにあるAとBって何だ?なんで同じ時間に二つ授業があるの??」

そう頭の中で問いかけたところで、ちょうどマダム・カルメルが説明を始めた。

「Aの週とBの週を間違えないように!生徒手帳に予定が載ってるからよく見ておきなさい!」

マダムは怒ってるのかと思うほど大きな声で喋る。怖いんだけど~・・・・。




評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ