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Snake Skin  作者: 中野震斗
S1表裏一体編
38/42

第三十八話鳥たち

佐鹿からメールが来た。あいつとはまともにあったことすらないのに何故こんな時間になんのようかのか?疑問を残しつつメールの内容を確認する。


「お前に伝えなければいけないことがある。どうせ住んでいるところも近いから今からどうぞ~」


「どうぞって…いくのはこっちなんだけど…」


とりあえず集合場所を決め、一番近くの公園に行く


「この時間でも結構熱くなって来たな…」


もう時期は六月…よく考えれば定期テストも近づいている。


「クソ!こんなことしてる場合じゃないのに!」


そんなことを思いながら悶々とした気持ちで待っていると。佐鹿が何やら資料を持ってやってきた


「長くなるか?」


「あぁかなりな」


佐鹿のいう話というに関係しているらしい資料、そこに目を通すと様々な情報があった。仰々しい名前の組織らしき物が管理している顧客の情報や仕入れた武器など…そして佐鹿が指をさすものがある。


「お前の話たいことって、これ?」


「あぁ…これだ」


それは下部組織を含めたメンバーの名簿だった。


「そもそもこれは何だよ?俺に何関係あんのか?」


佐鹿の鋭い眼光がこちらを突き刺す


「BIRDってわかるか?」


「知らねーよそんなもん」


佐鹿はその紙の資料から一つ渡し、説明を始めた。


「BIRDは所謂、連合って奴だ」


「連合?」


「大量の不良組織が集まり、その資金を分け管理する。そしてこれらの資料は本来奴らの上層部に渡すものだった奴を俺らでこっそり盗んだんだ。」


なんとなく鈴木とテオジンが苦労している様子が蛇山の頭に浮かぶ


「それで?俺に何を伝えたい?」


「お前を狙っているウルフガングという組織もBIRDの下部組織の一つ。お前が襲撃した光源クルーも下部組織の一つ、そして俺ら渋谷デベロッパーズも下部組織の一つだ。」


長々と喋る佐鹿に嫌気がさした蛇山は冷たく言い放つ


「結局何が言いたいんだ?」


「お前らイザコザを起こしたチームは全部BIRDにかかわってるってことだ。」


「つまり?」


ここまで言われてもなおわかっていない蛇山に佐鹿は単刀直入に言う。


「だ~か~ら~ここの組織と関わってるから!お前も狙われてっるつ~ことだよ!」


「え~マジかよ!?じゃあウルフガング倒しても他の組織が追ってくるってこと!?」


急に理解力が上がった蛇山に佐鹿は少々疑問を持ちつつ、話を進める。


「そういうこと…だからお前がこいつらからの呪縛から抜けるには…組織ごと潰さなきゃいけねぇちゅうことだ」


「あーなるほど…」


理解には数分かかったものの佐鹿がサラッととんでもないことが分かる。


「おい!BIRDってヤバい犯罪組織なんだろ!?そもそもお前もBIRDの下部組織のリーダーなのに…」


蛇山がその言葉を発する前に佐鹿が言う。


「何で俺がこんなクソみたいな組織に入ったと思う?」


「さぁ…中学…黒川と付き合う前からそうだったのか?」


佐鹿は深呼吸をし蛇山に告げる


「最初から教えてやる…」

____________________________________

中学三年の春…それは義務教育最後の始まりであり大人へ第一歩だ。そんな春に俺佐鹿純生は白髪の少女に告白されていた。


「佐鹿くん!」


「えぇ…くっ黒川さん…だよね…?」


黒川詩音。軽音部のエースで成績もいいし運動もかなりできる、そして元気な性格で可愛い…こんな俺には不釣り合いな人物…学級委員という点以外で自分と共通点もない。


「何で…俺…」


「何で…」


黒川さんの視線がズレる。


「その…気づいてなかった?」


「え?」(なに?ドッキリ?)


少し間が開いたのち黒川さんは口を開いた


「ほら学級委員でずっと一緒だし…そこから色々気になって…好きになっちゃった…」


黒川自身も自分がなぜ佐鹿のことが好きなのかもわからなかった…しかし彼が好きなことは変わらなかった。


そこから佐鹿と黒川…いや俺と詩音は学生として恋人として短かったが楽しくて幸せな日々を送った。だがそれはあの夜に崩れ去った。


それは文化祭が終わった後、詩音と俺はそれぞれ別々の友達と打ち上げをしていた。そしてその帰り道…


ガッ


後ろから誰かが金属バットでこちらを殴って来た


「カハッ」


全速力かつ複数人で殴られたからか人生で初めて吐血を経験した。


「お前さ…黒川詩音って知ってるよな」


朧げな意識の中でされた質問に俺は正直に答えることしかできなかった。


「〇〇中学の近くの…で…打ち上げしてます…」


息を切らしながらだがボロボロの状態で考えたことをそのまま黙っていくという思考が出来なかった。


「詩音…逃げろ…」


俺は奴らが去った後血まみれで俺は詩音に電話を掛けることしかできなかった。


「耳が痛てぇ…」


片耳が聞こえないまま…そして詩音ともあれから連絡が取れなくなった。


詩音の行方も分からぬまま学校に行くだけの日々…そんな日々に嫌気がさした俺は両親もいないため一人で夜の渋谷に入り浸る日々が続いた。


ある日、パーマの男に肩がぶつかった。


「あぁ…すいません…」


その時はただ謝ったが男はこちらに向かってくる


「お前…俺と一発やろうぜ」


「何を…」


男の拳がこちらに向かってくる、俺はそれをいなす


「何だ…!」


男も驚愕しているようだった。


確かに昔からずっと合気道を習っていたがこんなところで役立つとは思わなかった。


「ふざけんな!」


男の拳をまたいなしそして男の顔面にパンチを数発くらわせる。


「クソッ!覚えていろ!」


そんな小物臭いセリフを吐き、その日は事なきを得たが次の日も渋谷に繰り出すと眼鏡をかけた男があの男を連れてきた。


「ちょっとこいや…中坊」


男に連れられやって来たのは神社らしき敷地だった。


「アンタラ誰だ?」


佐鹿はそうキツく言い放つと眼鏡の男はニヤニヤと笑いはじめ、パーマの男に肩を組む


「こいつは足立、そして俺は渋谷デベロッパーズの総長太田あきらだ」


太田と名乗った男は煙草をふかしながら言う。その時、俺はあることを思いつく。


「あんたに勝ったらさ…俺がリーダーなっていい?」


その時からだろうか?よく飴を舐めるようになったのは


「いいぜ」


「そうか…」


返事をしている途中だというのに太田はこちらに殴り掛かってくる。


(下手なフォームだな…)


太田のパンチは素人目にもかなり下手だと分かる。俺はそれを難なく避ける


「まぁ、これくらい避けれて当然」


太田は何故か満足そうな顔で言った。恐らくこの雰囲気を見るようにあまり喧嘩の経験はないはずだ


「俺は合気道やってんだよ!」


太田が謎の構えをし俺は掴む。だがこんなの合気道でやったことがない。


「馬鹿」


腕を掴んだ太田の腹を蹴り上げる


「あがっ…」


これを見るに太田はかなりダメージを受けている。


(もう少しだ…)


この時俺はまたあいつらが来ると思って最終手段を用意していた。今思うとだいぶ精神とも参っていたんだろうな。


「殺すぞ!」


飛んできた太田の腕に…俺はナイフを突き刺した。


「え………………………」

「ぐぁぁぁぁっぁぁあああああ!」


ナイフを刺された太田はパニックのあまり


「分かった!もういい!総長の上げる!」


などとのたうち回っていた。こうして俺は渋谷デベロッパーズのリーダーとなり。詩音を探しながら今に至った。

____________________________________

「なるほど…それでここに入って何かが分かったと」


「ああ」


佐鹿が提示した資料のうち、名前が記されていない人物がいる。そこには手錠売りと書かれていた。


「詩音の事件に使われた手錠を売っている奴だと俺は見ている。」


「確かに手錠はまだしも拘束具なんて普通売ってないもんな」


「だから俺はBIRDの中にあの事件の犯人がいると踏んでいる。」

「だがBIRDVS渋谷デベロッパーズだけじゃどう考えても分が悪いからな…」


佐鹿がこちらに深々と頭を下げてきた


「頼む!俺に力を貸してくれ!」


そんな風に頼まれたら返事はもちろん


「……しゃーねーな…」


こんな雰囲気で頼まれたら流石に断ることなどできないだろう。


「じゃあもしウルフガングに動きがあったらこちらから伝える。」


「ああ俺からも伝える」


こうして二人は自分の家に帰ったが…佐鹿純生という男の闇がはっきりと見えた。

____________________________________

BIRDのアジト…それは中央区のとある廃墟ビルに存在する。


「ボス~毎回ここまで結構時間かかるからさ~オンラインでやらない?」


佐鹿がイライラした口調でボスに言う。


「う~ん…君住んでるのは渋谷のあたりだからここ来るはあんまり時間かからないと思うけど…」


「駅から家遠いんだよ」


ボスの顔は見えないもののそのアーマーリングと手付きで呆れていることが分かる。


「はぁ…まあいいというか…そもそも今日はウルフガングを呼びに来たから君は今はいらないんだよ」


「あそれじゃ~」


佐鹿と鈴木、そして寺尾が去っていくその時ウルフガングの幹部三人が横を通り過ぎた。


「お久~」


「久しぶりですね」


「誰?」


紀村は他のチームにそもそも興味がない、そのため他のメンバーのことなど一切記憶にないのだ。


「誰って…俺らのこと眼中にないのかよ」


そういった寺尾の額に紀村は鉄パイプを押し付ける


「だ~か~ら~俺はお前みたいな雑魚には闘志(シンパシー)感じないんだよ」


それに負けじと寺尾も食いつく


「ちょっと独り言言っただけでそれは器が小さすぎやしないか?一応”幹部”(笑)なんだろ?」


「そ」


次の刹那紀村は寺尾の顔面を鉄パイプでフルスイングする


「目覚ますなよ」


紀村乃武彦…この男は常に大量の武器を持ち歩いている。寺尾は気づかなかったが、喧嘩用のアーマーリングをはめたうえ鉄パイプを両手に持っている。


「おいおい、いくらウルフガングの幹部とは言えやりすぎじゃないか?」


ポケットに手を突っ込んだまま近づく佐鹿の手を紀村は掴む


「バタフライナイフの佐鹿…この辺じゃ有名だろ?」


佐鹿のヤギのような眼光は紀村ではなく後ろの天道と真崎に向いていた


「気づいた?」


「とめるか…」


真崎が動こうとすると紀村は真崎の腹めがけエルボーをする。


「止めんなや…真崎さんよぉ~」


年齢的には同級生、とは言え同じ組織のNo.2多少の位はあっても。普通なら逆らってはいけないような立ち位置だ


「ふっ…まあいい佐鹿さん?やります?」


真崎のその言葉は戦いの続行を意味した。


「出しなよ…ナイフ使いだろ?」


挑発か提案か、その緑髪の男真意が読み取れない


「ありがとよ」


だがどちらにせよ使わない理由はない。バタフライナイフを取り出しそれが鉄パイプとぶつかり合う。


「ちょっと待ってろよ」


佐鹿の腹を蹴りその隙を突き、アーミーナイフを取り出す


「ここで死ぬかぁ!?」


「死なれちゃ困るんだよ~」


バタフライナイフとアーミーナイフがぶつかり合う、互いの体を切り裂こうとしぶつかり合い、パリィする。そしてナイフが互いの顔面に近づくとき佐鹿が紀村のナイフを弾き飛ばした。


「俺の勝ち☆彡」


弾き飛ばされ、床に落ちたナイフは真崎が回収した。


「缶切りついてるのか…いいなこれ」


真崎がマジマジとナイフを眺めている間、天道は紀村に近づく


「負けは負け、潔く認めな?」


いつもはふわふわとした性格の天道だがこうしてみると得体の知れない圧を感じる。


「クソが…」


不貞腐れた紀村はボスの佐鹿を睨みつけながらボスの元へと向かっていった。


「ウルフガング到着しました~ボスさん」


暗闇から見えるアーマーリングの男はウルフガングの幹部に告げる


「目標は渋谷…頼むよ」


返事はないが了承の返事を得られたことが伝わった。


「厚治…紀村…行くよ」




「渋谷へ」

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