第三十二話オシャレ大作戦
激高した高橋は拳を何度も藤森に振るう
「クソがよぉ!」
高橋からの攻撃を藤森は華麗によけ続ける
「これならどうだぁ!」
しまいには自信が身に着けていたネックレスまで武器にし始めた
「お前馬鹿じゃねぇのか」
藤森はそのネックレスを掴み高橋の首に掛けなおす。そしてひぱっり始めた
「ぐがっあ…おま…やめろ…」
そして高橋の首をネックレスで絞める
「大丈夫だ、BIRDは殺し以外のすべての犯罪に手を出す組織だからな」
高橋はネックレスを潜り抜け、藤森の腹部を蹴る。
「何で殺しはしないんだ?」
高橋渾身の右フックで殴るものの、それは藤森にとっては痛くも痒くもない
「何でかって?」
すると刹那藤森が飛び上がり高橋の顔面に回し蹴りをクリーンヒットさせる。そして何も言わぬまま高橋はノックアウトした。倒れて伸びている高橋に藤森は言う
「後処理が面倒だから、ただそれだけ」
そして光源クルーの連中はサークル666を壊滅、吸収しBIRDは戦力を増やしていった
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いつも通り練習が終わった帰り際、いつも馬鹿なはずの鳴神が真剣な顔で皆を呼び止めた
「話って?」
鳴神は携帯の画面を取り出す。そこに写っていたの何かの掲示板サイト、そしてそこには蛇山に関する情報が書いてあった
「これって?」
「これは俺はみたいなパシ…不良の掲示板、通称不良ネットワークだ」
「ださッ」
一瞬澤村の辛辣な声が聞こえた気がするが、鳴神は話を続ける
「多分光源高校の一件から、俺らが狙われている」
鳴神が告げたのは信じがたい事実だった。原因は言うまでもない、二人が川の復讐のために行った光源高校でNo.2の榊原を倒し、裏番の藤森が番長の拓殖をボコボコにし藤森と戦ったからだ。
「鳴神…なんで俺の情報が!それより俺と鳴神以外の情報はそっちにいきわたってないよな!」
「落ち着いて」
川がパニックになっている蛇山を止める
「一回鳴神くんの話を聞こっか、それで誰に狙われているの」
ウィリアムという人物宛に来た画像…このウィリアムは恐らく鳴神のことだろう。そこには紫髪の眼鏡と白髪でボサボサ髪の背の高い人物がいた
「こいつらか?」
「あぁ、眼鏡の方は天道悠仁、背の高い方は真崎厚治。池袋を中心にする組織ウルフガングのNo.1とNo.2だ」
鳴神は天道の写真を次々スライドしていくと奴の情報が分かってくる。奴はかなり凶暴な性格をしていることが分かる。
「こいつの情報は?」
蛇山が聞くが鳴神は首を横に振る
「今のところ俺たちじゃまだわからないから、ライブのことだけ考えろ。今は何があっても無視するんだ」
蛇山は何も対策ができない状況でただ拳を握る絞めることしかできなかった。
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蛇山たちがライブに向けて練習をしている間にも、BIRDは犯罪組織として動いていた。藤森がいつもの場所に行くといつもは天道といるはずの真崎が一人でいた。そして藤森に伝える
「藤森…さんリーダーから伝達が」
少し詰まったような言い方で言う、すると榊原の拳が飛んでくる、それを真崎は避ける
「敬語なんて気持ちわりぃからとっととやめろ、同じNo.2として恥ずかしい」
「…辞めたいのは山々なんでだ…ですけどね…」
「じゃあ俺と榊原を呼び捨てで行ってみろ」
真崎は苦しそうな顔で
「藤…森…さ…藤森…と!」
藤森のことは呼び捨てで言うことは成功した
「「おお」」
藤森と榊原はショーでも見ているかのように反応する
「榊…原…さ…」
「行け!そのまま呼び捨てでで!」
藤森もここまでくると見てて楽しくなってきた
「さん…」
「あ」
真崎から結局敬語を抜けさせることは出来なかった。
「それで?」
「えっと蛇山という人物について、なんでもいいから情報を寄越せとのことで…」
藤森は考える。あの時の屈辱と失敗を忘れることなどできない
「それなら一つ言いたいことがある」
榊原が横から入る
「蛇山の部下っぽいやつだ、確か鳴神?とかそんな名前だったかな?俺は一回そいつに負けたことがある」
榊原は鳴神の情報を言い続け、真崎は掲示板に書いていく
「細かい情報ではないですがご協力感謝します」
「…あと敬語以外で話せるように頑張ります」
そして真崎は去っていったあと藤森と榊原の言葉にできないほどの大爆笑が場をの空気を包んでいた。
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鳴神は課題曲のドラムを練習をしていた。ドラムなど興味のない人からすれば、それは大きな音に聞こえるだろう、しかしそれはドラムを演奏する者にっとって心地が良いリズムとなる。そんな場の雰囲気を壊すほどスマホから大量の通知音が聞こえる。
「うるせぇな…次から切ろ…」
鳴神に来ていた通知はあの掲示板、不良ネットワークで自分あてに届いたものだった。天道と真崎の写真を送ってくれる"キム"というアカウントと、不良ネットワークの掲示板の"不良探し"という鳴神が見ていた板に"TMR"の言うアカウントが大量に送ったもの、それは…
「鳴神龍生…!?これ、俺のことだよな…」
それは鳴神の情報について募っている物だったが鳴神はスマホの通知をオフにしドラムの練習を続けた
(今はライブだけに集中しろ!この話はその後だ!)
しかしこの状況を無視してもいつ何が起こるかわからない。鳴神はライブの練習中に何もないことを祈るしかなかった…
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蛇山が新たに提案した三曲目の曲、それは歌い手の技術が試されるのはもちろんバックには基本ずっとッシンセサイザーが流れている。そうシンセサイザーがメインになるため川はかなり大変になってくる
「ちょっと疲れたな…休憩しよ」
川は壁にもたれながら自身の制服の学ランをハンガーにかける。
(そろそろムシムシしてくる季節だし夏服とか買いたいよな…)
(折角服とか買うならだれかと行きたいよなぁ)
ライブまで時間がないというわけでもないので少し箸休めに誰かと出かけるのもいいかもしれない、そう思い他のメンバーと一緒に行くシミュレーションをしてみる。
まず蛇山はバンドのリーダーかつボーカルでもあるので。そんなことしている暇もないだろう。
黒川もボーカルなうえあまりしゃべったことがないので少し気まずい。
鳴神は案外話せる奴ではあるが、見るからに服のセンスがない。誘ったら妙な店に連れていかれそうな感じがする。
となると消去法のようで申し訳なくなるがちゃんと話せる上に結構接点も多い、そして陰キャどうしということで気が合いそうな澤村しかいない。
(誘ってみるか?)
川は自分の胸に手を当て考える。
(落ち着け!ただ服選びに誘うだけだ…別にデートじゃない!デートじゃない!だから勇気を出せ!圭介!)
普通の人にとってはただ誘うだけと思われるかもしれないが川にとってはかなり勇気のいる行動なのだ。
(まず、澤村さんに会いに行こう)
川は澤村を探しに行く、このライブハウスは意外に広いので少し手間がかかる。
(あれ?今日はいるはずなのに…)
ライブハウス中をウロウロしていると、何やら後ろから視線を感じる。
「ん?」
振り返ると
「ひゃ!」
という声とともに誰かが隠れたが誰かはもう丸わかりだった
「澤村さん?」
澤村は壁からまるで泥棒のように出てくる。
「どうしたんですか?」
澤村はもじもじしながら言う。
「なんか…川くんがずっとライブハウスをウロウロしてて…その変だったから気になって…」
川は澤村を探すように見えて話しかけるのに戸惑い。澤村が居ても気づかないように時間稼ぎをしてたのかもしれない。と自分の心の中で思う。
「澤村さん…その」
(勇気を出せ!圭介!ここで言わなきゃ何が人間だ!)
「澤村さん…明日開いてる?」
「何で?」
「その…ライブで選ぶ服とかさ…買わない?一緒に」
少しの沈黙あった後
「ふふっ」
澤村は少し微笑む
「何だ、なんかもったいぶってたからシリアスなことでもいうのかと思ったけど…」
その言葉のおかげで川を表情筋が緩んだ。
「いいよ行こ、それでどこに行くの?」
「そうだね…」
川は今までファッションになど無頓着だったためどこに行けばいいかわからないのが本音である。
「あっそうだ、駅の近くに良さそうなところがあるんだ、行ってみない?」
そんな店言ったこともない。ライブハウスに行く途中で見かけたことがあるくらいだ。
「いいね!行ってみよっか」
明日行くこととなったが…
(うわー!凄いドキドキした!何で川くんとあんなに話せたんだろう!?)
(……でもちょっと川くんに近づけるかも?)
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(本当にこれでよかったのだろうか…)
川の心の中はその気持ちでいっぱいだった。兄に手伝ってもらったものの、所詮家にある服の寄せ集めだ。
「お待たせ~まった?」
「うっううん、全然」
(うわ~僕なんかより全然服のセンスがいい…)
ライブハウスは学校帰りに行くので澤村の学校は制服、なので外出用の服を着た澤村はいつもより一層可愛く見えた。
(ほっ本当にこれでよかったのかな…変に思われてないよね…)
澤村は川の反応を伺う。
(あでもなんか…変には思われてないかも?)
澤村は内心安堵していた。
「じゃいこっか」
そして服屋で二人は服を決めはじめた。
いくつかの服を持った川が試着室に入る。そして候補の服を試着し、澤村に見せる。
「こっちの方がいいかな?」
「これもいいかな?」
「これか?」
「これかな?」
「どれも同じじゃない?」
「確かに…」
(いやバンドっぽい感じ?いやバンドマンなんて、僕には向いてない…)
川は試着室の中で悩むがすぐにあることに気づく。
(いつも出掛ける時は僕だけだけど、今日は澤村さんがいるんだ。澤村さんのことも考えないと)
「ごめん!澤村さん!待たせちゃって…」
澤村をだいぶ待たせてしまったように感じた川は少し不安があったものの
「うん、全然大丈夫だよ」
その言葉に少し安心した。
「なかなか決まらないなら、一緒見る?」
川はその提案を飲み込んだが。今まで女子と一緒に過ごすという経験はなかったので内心緊張で心臓がバクバクと音が聞こえるほどだった。しかし
(うわー!よく言った私!よく言った私!)
澤村もとても緊張していた。
(ここまで来たんだから…今日こそ言いたいな…)
澤村は川との距離を縮めるために今までタイミングを見計らっていた。ある考えがあった。
二人がお店を回る。そこで澤村は今まで言いたかったことを川に打ち明ける。
「ねぇ…」
「どっどうしたの?澤村さん?」
心臓の鼓動を感じながら。澤村は言う。
「こっこれからさ…名前で呼んでもいい?」
「え…うんいいけど」
(よかった、了承してくれた…)
「けっ圭介くんはさ…どういう服がいいとかある?」
澤村は早速名前で呼んでみる
(あ~なんか凄い変な感じがする~)
「う~んやっぱりもっとカジュアルな感じがいいかな。」
「さ…ひっ日和さんは?」
川も澤村のことを名前で呼んでみる。
その後少しの沈黙が続く
(うわ~ミスったか…)
もう少し沈黙が続いたが川には澤村が微笑んだように見えた。
「ふふっ、なんかその呼び方先輩みたいだね」
「そっそうかな…」
その後、二人は服屋でライブ用の服と夏服を買った後。互いの家に帰った。
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川が家に着くとそこには兄である圭一郎がいた。
「どうだったか?」
「まぁ…上手くいったかもね」
二人はまだ恋人というには程遠いが友人以上の関係にはなれたのかもしれない。世間で言う”友達以上恋人未満といったところだろうか…同じバンドで過ごす者同士として、かなり距離が近くなったのかもしれない…




