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Snake Skin  作者: 中野震斗
S1バンドバトル
29/42

第二十九話THEドラマー

やあ!俺は鳴神龍生!早速だけど俺には好きな人がいる、その人はバンド一石一鳥の柳田ロイさん、キモイと思われてしまうかもしれないが俺は止まらない、だってそれが恋心だから!!





バンドバトルに出場するメンバーたちは休日でも家で練習をしていた、そしてドラムやシンセサイザーなどの大型楽器はライブハウスでの練習を余儀なくされた


「せっかくの休日なのに…」


愚痴をこぼす鳴神を後ろから小突こうとも考えたが


(こんな如何にも奴小突いたら逆に殴り返されそうだな…)


と思いつつ反射神経でやってしまう、すると


「ん!?」


いつものように威圧感のある雰囲気でこちらを睨む


「せっかく出させてもらってるんだから、まじめにやらないと」


川は平静を保っていたものの


(あ…流石に殴られるかな…)


内心とても焦っていたところ鳴神が立ち上がった


(あ、終わった)


立ち上がった鳴神の特攻服やリーゼントと金髪が目立つ、そしてかなり身長が高いことが分かる


だが鳴神は頭を下げた


「そうだよな…俺も一ドラマーだし、まじめにやらないとな…すまん!」


「う、うん…僕も小突くのやりすぎかな…わはは…」


川は再認識した、鳴神は見た目のわりに結構内面はまともな奴だと…


ガチャ


後ろからドアを開ける音が聞こえると川が振り向く


「ん?ああ柳田さんこんにちは」


「ども」


その言葉にすぐさま鳴神が振り向く


「おっおはようございます!!」


「おっおはよう?今昼だけど」


やっと会えた柳田に少しきょどりながら鳴神と川は坦々と練習を続けていた





鳴神龍生はその奇抜な見た目に気を取られがちだが、れっきとした高校生バンド、スネークスキンのドラマーである。


しかしそのドラムの実力は一般人より少しうまいレベル、そのことに鳴神は悩んでいた


「なあ川、どうやったら俺ドラム上手くなると思う?」


「僕に聞かないでよ…まあでもいっそのこと柳田さんとかに聞いてみるとか?」


そこで鳴神に電流走る


「分かった!聞いてくる!」


「ああ!ちょっと!」


その一言を聞いた瞬間鳴神は電光石火で柳田のとこに向かっていった





もくもくと自身の曲と照らし合わせながらドラムを叩く黒髪の少女柳田ロイ、そして彼女は後ろをそろりそろりと歩くものの気配を感じる。


「そこにいるのは誰?」


「あ」


気配を感じ取られた鳴神がこそこそと出てくる


「君誰?」


「今度バンドバトルで対戦するスネークスキンのドラム、鳴神です…」

(えー俺のこと覚えられてないの…)


柳田は冷たい視線を送る


「それで?対戦相手の僕を後ろから不意打ちしようって?前時代的ヤンキー君」


鳴神はものすごい勢いで首を横に振るう


「あの…その…」


鳴神は気まずそうに言う


「俺…まだドラムを初めて一、二か月くらいで…だから柳田さんに少し教えてほしいことがあるんです!」


頭を下げた鳴神に柳田はため息をつきスティックを渡す


「一回やってみて」


柳田が先ほど座っていた椅子に座り音楽を流し叩き始める


「なるほど…」


ドラムを叩く鳴神を柳田はまじまじと見つめる


(あぁ…好きな人に見つめられるってすごい変な気分だな…)


そして演奏が終わった鳴神に柳田は一言突きつける


「君下手だね」


その言葉を受けた鳴神は心を槍で突き刺されたような気分になった


「へ…た…」


「しかも君はこの調子だと何も変わらない」


鳴神はさらに心に弾丸を打たれたような気分に陥る


「あぁ…心に来る~」


とてもショックを受けている鳴神の肩に柳田は手を置く


「まぁ僕が指導しなければ、だけどね」


鳴神のボロボロになった心に光が差した


(一人称僕なんだ…かわいい)


そこから柳田の指導が始まった


「まず練習の仕方はいいから練習するうえで重要なことができてないことが多いね」


柳田は鳴神の手に自身の手を置く


「力が入りすぎてるね、同じことばっかりやってると腕か疲れちゃうからね」


鳴神は力を抜こうとするが好意を抱いている相手が手を乗せている状態で力など抜けるはずがない


(力を抜け!力を抜け!力を抜け!)


鳴神の力が抜けたことを感じ次のステップに移る


「バスドラムの大きさは初心者にしてはいい感じだから逆にスネアをもうチョイ小さくひてみよっか」


そのことを鳴神は疑問に思う


「音は全部大きい方がいいんじゃないんですか?」


「スネアはハイハットよ大きく、バスドラムより小さい方がバランスがいいんだ」


そして体の力を抜きスネアを叩く


「そうそう!いい感じ!」


その後も鳴神は柳田に練習に付き合ってもらった。


「ふーちょっと疲れたし休憩しよっか」


鳴神はドラムを叩く手を止め床に寝そべる


「何で練習に付き合ってくれたんですか?俺らは一応敵なのに」


その言葉を聞いた柳田は


「芸術にそんなのないよ、全員が見方で全員が敵だから」


柳田と話すことが目標はずっだった鳴神はそんなことも忘れて途中からドラムに熱中していた


「そういえば俺めちゃくちゃ熱中してましたね」


「まあこれで君も立派なドラマーだね」


柳田は不思議そうな目で鳴神を見つめる


「何でそんな恰好してるの?衣装?」


「俺、昔特攻服着た人に助けられて…その人にあこがれてて…」


恋心を抱いていた人物と話せたことはうれしかったものの生理現象には逆らえない


「あ、ちょっとトイレ行ってきますね」


「あ、僕も行こうかな」


そして川は完全に鳴神に忘れ去れていた


「全く本当に教わってもらったのか…」


すると川は衝撃の現場を目撃した


「え…」


そして鳴神は後ろを二度見する


「…柳田さん!?何でついてきてるんですか!?」


かなり困惑している鳴神に柳田は打ち明ける


「あれ?知らないの」

「僕一応男だよ」


鳴神は不思議な気分になった。今まで恋心を抱いていた相手は何と同性だったのだ…


(俺は今まで男を好きになっていたのか?)


鳴神の中で様々な考えが頭をめぐる


だが結論は決まった


「……………なんで女装してんすか?」


失望されても、失礼だと思われてもいいただ彼女…いや彼のことが気になる


「……………私さ…心は女なの…」


性同一性障害、体の性別と心の性別が一致しない者のこと


「だからって配慮しろとかいうわけじゃないけどね?形だけどうしても…一応公表はしてるけど」


必死に弁明しようとする柳田の言葉を鳴神は遮る


「どんな柳田さんでも俺は好きですよ」


「え?好き?」


つい口走ってしまった…柳田に鳴神の行為がバレてしまった


「いや…好きってのはその…」


「好意を持ってくれるのはうれしいけど…僕は男だよ?いいの?」


鳴神は長時間悩んだのち


「俺は柳田さんを尊重します、だから性別何て関係ありませんよ」


柳田は


「ありがと…」


「あそういえば俺らトイレしに来たんだった…」


そしてその一部始終を見ていた川は気づいた、柳田が流していた涙に…


(鳴神くんは男だな…まだ少ししか会ってない人から急にあんなこと言われても動じないなんて…僕だったら上手く対応できないな…)


こうして鳴神の恋は破れたのか続いているのか曖昧になったものの柳田とはかなり打ち解けたようだ。





鳴神と柳田が練習してる時、川は一人でシンセサイザーを続けていた


「ここはこっちだな…」


するとドアを開けて見知らぬ黒髪ロン毛の男が入って来た


「ふーやっぱり変な場所だな、一秒もいたくない」


失礼な態度をとっている男は川を見つめる


(なんだこの人?)


「君みたいな感じの人でもここ来るんだ?」


そう川を見下すような発言をする


「あぁどうも…」


内心ムカつきながら受け流す


その男は別の場所に行ったが川はかなり根に持っていた、そして鳴神と柳田の会話を目にした





平日の昼間、普通なら高校で五時間目の授業をしているような時間、黒川は学校に行けていないためGOD立川におびえながら来ていた。


「あの怖いやつまだあるかな…」


オブジェを何とか切り抜け黒川は一人作曲をする、そして学校が終わりいつもの面々が入ってくる、これがいつもの日常だった


「詩音、今日合わせをしないか?」


「川くん?ちょっといい?ここのベースの時…」


これがいつもの日常だったが


ガチャリ


「……………」


(あの人だ……………)


前にも来ていたあの嫌な感じな人だ


(こいつの存在が蛇山とか鳴神に突っかかったらきっと乱闘とかになりそうだな…)


「おっあの陰キャ君じゃーん」


そしてあの男が川を馬鹿にするような発言をする


「友達?なんかちょっとなれなれしいけど」


澤村が川に耳打ちをする


「ああえっと…」


(あの第一印象だしな…ここで誤魔化しておいた方がよさそうだ…)


「そうそう…あんま大声で言わないでね…」


そこで誤魔化しきれたと思ったのも束の間


「あれ?君仲間いたんだ?」


そして鳴神の特攻服の袖を引っ張る


「というかすごいね、これ衣装?」


鳴神の顔がイラついているのが分かる


「なんだぁ…てめぇ…」


川にはそう小声で言ったのが聞こえた、そしてその男は蛇山と黒川の肩に慣れ慣れしく手を置く


「なになに?両方とも銀髪でペアルック?」


「いい加減してください」


川以外のメンバーとは初対面だというのにデリカシーゼロの失礼な男の態度にイラついたのか、蛇山が立ち上がった


「あなた本当は圭介と仲良くなんかないでしょ…明らかに嫌がってるしあなたの話なんか聞いたことありません」


そして鳴神も立ち上がる


「つかお前マジで誰だよ?」


二人の威圧に男は反撃に出るかすごむかと思われたが


「ちっ」


そう舌打ちをした後


「んだよノリわりぃーな」


男はバツの悪そうな顔で去っていった


(私は眼中になくて良かった…)


澤村は一人心の中で思うのだった





どんなことにも休憩は大切だ、もちろんこのとち狂ったバンド一石一鳥も休憩はする


「千穂李ちゃ…千穂李ちょっといい?」


リーダーの千歳を呼び出したのは柳田だった


「どうしたのロイ"ちゃん"?」


ジュースを飲みながら聞く千歳に柳田は少し気まずそうにしながら打ち明ける


「そのさ…一応…公表してるじゃん?僕の性別、それでスネークスキンの鳴神くんっているじゃん?」


「あの凄い衣装の子ね」


「そうそう」


そして柳田は真っ赤になった顔を抑え恥ずかしそうに言う


「その子がさ…僕のこと女子だと思ってたみたいで…その…」

「好きって言われた…」


千歳は固まって手に持っていたペットボトルを落としてしまう、そしてその会話を後ろから聞いていた海堂と沖野もそのまま硬直し動かなくなる


「それでどうすればいいのかぁ…こんな事例初めてで…」


そして先ほどまで固まっていた千歳が動き出す


「いや!これは私たちを蹴落とす罠かもしれないよ!」


「そーだ…多分」


その言葉に海堂が賛同する


「こうなったら私たちであのバンドについて調べようよ!」


沖野が元気いっぱいに宣言し、スネークスキンに探りを入れることになった…一方柳田はというと


(どうしてそうなるの~)


このバンドは本当に頭のおかしい連中らしい…

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