第二十六話嵐の前
今回から今作の一話一話の文字数を大幅に増量します、そのため投稿頻度の減少がみられると思いますが、今後とも何卒よろしくお願いします。
立川光源高校はその後拓殖がトップから退き、藤森が新しいリーダーの新体制として今もなお光源クルーとして立川を支配していた。だが蛇山たちにはもうそんなこと関係ない、リーダーを倒したのだしもう不良たちと関わるなんて金輪際ごめんだ、と思いながらケガも回復した川に向き合あい、鳴神は頭を下げた
「すまん!俺がすぐ負けちまったからお前にケガさせちまった!」
そう深々と頭を下げる鳴神に川は戸惑いながら
「いいよ頭上げて」
「そもそもあいつらが悪いんだから鳴神君は謝んなくていいよ」
(つーか謝る態度じゃない!)
そして後から来た三人と合流する
「川君!?もうけがは大丈夫なの?」
「うん僕は大丈夫」
「もう退院したの!?」
黒川も心配して話しかけ来る
「まあ入院はしてないから」
「圭介ー!大丈夫かぁ!」
現在進行形でケガをしているわけでもないのに蛇山もあわててやってくる
「もう治ってるから!そんなに大したことなかったし!」
心配してくるみんなを少し煩わしく思うも
(自分てこんなに心配されてたんだな)
内心少しうれしい気持ちもあった。そんな気持ちを抱えながら行くはずだったライブハウスに五人は足を運んだ。
一方そのころ、映画館から紫髪の眼鏡をかけた男と白髪の髪をしたごつごつとした男がいた
「もごもごごごもももご」
「ホットドッグ食べながらしゃべるなよ」
紫髪の男はホットドッグを飲み込み、しゃべり始めた
「どうだった映画?」
白髪の男は少し悩んだ後
「うーん…俺はあんまりかな?中盤あたりに展開を詰め込みすぎて、最後の方よくわからなかったな」
「俺もー」
紫髪の男はホットドッグ食べ進めながら、答えた
そんな二人の会話を遠くから見ている男がいた
「あいつら…そうかここが縄張りだったのか」
この男の名は山野一ここ池袋の組織風利宇須のリーダーだ、まだ高校生だというのに車を運転している
「俺はあいつらのせいでボコされたのに…」
山野は青信号だというのに二人に追突しようとする
「ゆー!」
「え!?」
車に気づいた紫髪はよけ、なんと白髪は車のボンネットの上に乗る
「え!?」
そしてかかと落としをし破壊する、男があっけにとられていると窓ガラスを破壊し山野の首を掴み質問をする
「お前、風利宇須の山野だな?」
「はっはい…」
「二度と俺たちに近づくな、クソが」
そして手を離すその時山野は恐怖で怖気づきながらも足をアクセルに乗せようとするが
「おい!もうわかってるぞ」
なんと紫髪にバレてしまっていた
「はっはい!申し訳ございません!」
そういって山野は惨めに帰りながら思う
「すげぇ洞察力だ…そして何であいつはあんなバケモン従えてんだよ!」
ここは池袋、不良という名の狼たちの住家だ。そんな狼たちが大量にいる組織は狼の道、通称ウルフガングと呼ばれている
「山野…弱いくせによく来るな」
この大きな体をした白髪の男がNo.2の真崎厚治
「多分根性だけはあるんだろ」
そして紫髪の髪と眼鏡をかけた方がウルフガングリーダー天道悠仁だ
すると二人の元に一通のメールが届く
「誰だ?」
その真崎からの問いに対し
「リーダーからだ」
そしてスマホの内容を読みあげる
「藤森がやられた」
「あの藤森が?」
真崎が驚愕する
「誰に?」
そしてスマホをのぞき込むが
「蛇山?」
それは二人も知らない人物だった
「まあ」
天道は眼鏡を拭く
「取あえず俺らの敵ってわけ」
天道は眼鏡をかけ、にやりと笑顔を浮かべた
建設中で廃棄されたビルがここ歌舞伎町にある、そして藤森と榊原はそのビルで行われる会議に来ていた
「ここ来るのは久しぶりだな」
「そうだな」
榊原は煙草に火をつけると藤森は何も言わずに手を差し出した
「何だ?」
「火」
「ああ」
榊原はライターを差し出し藤森の煙草に火をつける
「お前タバコはもう吸わないんじゃないのか?」
その問いに対し藤森は鼻で笑う
「そんなんあの馬鹿どもを欺くために喫煙してただけ」
「そうか」
その後二人がビルの中に入り階段を上り部屋に着くと藤森達以外は皆ついていたようだ
「遅いじゃないか」
机を脚に乗せて話しかけているのは渋谷デベロッパーズの佐鹿と鈴木
「別にいいだろルールなんてねぇんだ」
あの時と同一人物とは思えない言葉に対し佐鹿は言う
「というか立川のリーダーってこんな奴だったんだな」
「お前なんか眼中にない」と言われているように感じた藤森は佐鹿に近づく
「どういう意味だ」
すると真崎が割って入る
「佐鹿さんは最近になってこちら側にきたのであなたのことは知らないんですよ」
その発言にも藤森は突っかかる
「お前さぁ…天道以外に敬語なの気持ち悪いんだよ…」
今にも喧嘩になりそうな二人を見た天道は
「こいつ最近ボンネット破壊したよ」
その話を聞いた榊原は藤森を真崎から引きはがす
「クソが」
そして藤森は粗々しく席に座る
佐鹿は目が隠れていて得体のしれない雰囲気を持つ男だ
「というかさ肝心のリーダーが来てないんだけど?これっておかしくない?!」
そして妙に明るい、たいして天道は…
「そんなのどーでもいいじゃん?俺らは暴れたいだけだから」
かなり適当な性格でいわゆる昼行燈というものなのだろうか?女子だったらかわいいが正直こういう男はむかつく、と内心藤森が思う中ついにボスが自身の席につく
「みんな集まったな」
大量の不良たちで構成され幹部などのくくりもあるチームの中のNo.2とリーダーをまとめる組織BIRDいわゆる不良の連合だ、その連合をまとめる"ボス"と名乗る人物
「すまないね俺は昼には行動できないから」
「夜行性かよ…」
そのボスは素顔一切不明、いつも何かしらの仕切りで顔を隠している
「今日の本題は最近BIRD所属の組織のリーダーと次々戦っている人物のことについてだ」
すると横から出てきた青髪の女がモニターにある人物の顔を映す
(こいつもこいつで誰なんだ?)
そう思う藤森が見た顔は予想通り蛇山葉月の顔だった
「この人の名前は蛇山葉月、大堂高校の軽音部で佐鹿と同じ渋谷にいます」
と女が説明を始めた
「なんでここまでの情報を知ってるんだ?俺は何も行ってないぞ」
いつもと違い落ち着いた口調になった佐鹿にその女は言う
「そこの鈴木君が教えてくれました」
「はい!」
昇進でもあるのかと期待していた鈴木だったが
(余計なことしやがって…)
と佐鹿は思っていた。そしてモニターに映し出された蛇山に対しボスは言う
「この銀髪を占めてきた奴は…幹部に昇進させてやる」
その言葉が藤森の言葉を掴んだ
「なら…」
「おい!バカ!」
榊原の静止を振り切り藤森は立ち上がる
「俺が倒してやる」
そして、そう高らかに宣言した
「なんだこれぇ…」
GOD立川に来た蛇山たちはそのあまりの光景に愕然としていた
「何にあのギター…めっちゃいいやつ…」
と楽器の品質に驚愕する澤村
「なんてこんなに広いんだ…なんかお兄ちゃんに申し訳ない…」
とライブハウスの広さに衝撃を受ける川
「血…?」
となぜか壁一面に血のようなものがあることを疑問に思う鳴神
「ぎゃぁああ!くぁwせdrftgyふじこlpzxcvbんm!」
とステージの脇に置いてあるリアルな生首の置物に恐怖しいつもの彼女なら出さないような声を出し、倒れる黒川
「大丈夫か?」
「うっうん…こういうの結構苦手で…」
そして倒れた黒川を支える蛇山。と周りは混沌を極めている中
「おっよく来てくれたね」
オーナーの神谷さんが現れた、神谷さんはこの奇抜なライブハウスの見た目と名前からは想像もできないほど一見見た目は穏やかそうだ
「さて本題に入ろうか」
神谷さんはチラシをこちらに手渡す
「バンドバトル?」
「ああ君たちのオーナーにバンドバトルの審査員のことを聞いたら、なんか了承してくれたんだよね」
(え?何でそのこと実の弟が伝えられてないの?)
川もそうだがみんなそんなこと伝えられていなかった、しかし
「えへっへさぷらーいず!」
と笑って誤魔化すオーナーの顔は容易に想像できる
「で君たちも出てみないか?」
突然言われたことだったので蛇山たちは行ったん隅に集まって相談することにした
「どうする?突然変なこと言われたけど?」
「とりあえず神谷さんに聞くことにする」
しかしその話を神谷さんは後ろから聞いていたようでぬるりと顔を近づけてきた
「わぁ!怖っ…」
さっきのほどではないものの驚いて倒れそうになる黒川を蛇山は支えながらひとまず神谷さんの話を聞くことにした
「バンドバトルってものここGOD立川を中心に日本中のバンドたちが集まって技術を競い合うんだ」
「このバトルはアイチューブ、ツイッツ、ネコネコ生放送とかにも配信されているから、優勝すればかなりの注目を浴びることができるんだ」
注目を浴びる…それはアーティストにとって最も重要なことかもしれない
「……」
その後暫しの沈黙が続く
「参加するしかないな」
蛇山の発言が鶴の一声となった
「そうだな」
それに鳴神をはじめとするメンバーが賛同した
「じゃあ今日からそれに向けた練習をしないとね、私も新しい曲作らないと」
皆が前向きに次の目標へと向かい始める中川は一つ疑問に思っていることがあった
(そういえばライブハウスKAWA立川進出計画はどうなったんだろ?)
そう疑問に思うことがあるがそんなことはどうでもいいと割り切った
だが一つ割り切れないことがあった
(藤森たちがまた攻め来る可能性がある…)
今度こそ誰も気づけさせない…そう蛇山は決心した
藤森と榊原はあの会議の後二人で帰っていた
「榊原…藤森…」
すると二人の前に立ってる男がいた
「暗いからわからんな…誰だ?」
藤森が目を細めて暗い夜道をじっと見ると…
「会いたかったぜ…」
そこにいた人物は金属バットを持っていることに気づいた
「何かヤバい!逃げるぞ」
そんな榊原の声は届かずその男が金属バットを振り回す
カキンッ!
鉄板入り藤森の靴とその金属バットがぶつかり合う
「誰だてめぇ?」
「すっかりその口調が板についたなぁ!」
男は止まらず金属バットを振り回す
「だからお前は誰だ!!」
その返答をした直後、街灯が奴の顔をスポットライトのように照らす
「お前のせいだぞ…元々俺より下だったはずなのに…」
そいつは顔が傷だらけになった柘植だった
「拓殖!?何でそんな傷だらけに!」
榊原はあの時いなかった、だから拓殖が顔をガラス片に押し付けられたなど知らなかった。そして拓殖はジリジリと藤森に詰め寄った。
「お前のせいで俺の地位は落ちたし、顔にこんな傷までついちまった…どうしてくれんだ?」
「うるせぇな…」
藤森が柘植を殴り飛ばしバットが吹き飛ぶ、そこで榊原は思う
(柘植…あいつはただふんぞり返ってるだけで、実力はないと思っていたが…なかなかの実力者のようだ)
藤森がいなす拓殖の攻撃を榊原は観察する
(あの感じを見るに…あいつは俺と同じMMA、足が肝心のテコンドーとは相性が悪い)
そうこう見えて藤森は意外に押されている、そして拓殖の実力に驚いているのであった
「お前なんでこんなに強いのに裏で動いてたんだ?」
バットを拾い拓殖が藤森を殴る
「お前みたいな馬鹿を前に建てるためだよ…そうすれば俺は裏で暗躍できる」
その言葉は拓殖の逆鱗に触れた
「裏で暗躍ゥ~?ふざけんな!」
そして金属バットで藤森を殴り続ける拓殖を榊原は殴ろうとした次の刹那
「ド~ン!」
そんな間抜けな声とともに拓殖を蹴り飛ばす
「あれ~君たち久しぶりぃ」
藤森たちの前に立っていたのは煙草を吸っているキャップとフードを被った謎の人物だった…




