第二十五話嵐が巻き起こる
先ほどから大量の飛び蹴りを浴びせてくる藤森
「名前も知らねぇやつだが面白い!」
その虎のような威圧感に押されながらも蛇山はカウンターパンチを繰り出す
「俺は蛇山だ!覚えろ!」
藤森は蹴り上げた脚を止める
「蛇山?もしかしてあの…」
蛇山も殴ろうとした手を止める
「なんだ?」
藤森は思い出したかのように高らかに笑う
「お前あの死んだクソボクサーの息子だったな?蛇山葉月くん!」
その直後蛇山の中で何かが切れた
「…………」
父親を馬鹿にされたショックや怒りで蛇山は覚悟を決めた蛇山はメリケンサックをはめる
「ん?お前も武器使うか?」
藤森は落ちていたガラスの破片の中で一番大きなものを拾い上げ蛇山に直進する
そしてメリケンサックとガラス片がぶつかる、藤森はあることに気づく
「このメリケンサック、トゲついてるな」
その発言に答えようとしたため、蛇山の集中力と体制が崩れ藤森に腕を切りつけられる
(クソッ!ここからどう立て直せば!)
「うぉおおおおおお!」
蛇山は藤森の腕を狙い殴る
「やべ!」
藤森は給わずガラス片を落としてしまう、蛇山はそのガラス片を踏み潰す。武器を失った藤森に蛇山はタックルをする
(ヤバい!このままだと負ける!)
藤森は壁に激突し追いつめられたところを蛇山は殴りつける
「まだだ!」
蛇山の首を掴み反対側の壁まで追い詰める
「こっちの番だよ!」
蹴り上げた脚を避け、足を払う
「おっと」
こけそうになった藤森が体制を直そうとするとメリケンサックをはめた拳のアッパーで顎を直撃する
「クソがぁ!」
藤森はもう前の性格なんて忘れたような荒々しい口調で叫ぶ
「黙れ」
蛇山は今までにない全力のボディーブローを藤森の腹に叩きこんだ
数時間前、蛇山は澤村に腕を掴まれた
「蛇山くん、本当に行くの?」
「情報も掴んだし、このまま奴らの好きにさせない」
澤村は蛇山から少し目をそらし、腕を離す
「私…本当に心配なの、鳴神くんも行くっていうし、詩音ちゃんは止めないし…」
「でもそれがみんなの選択なら私は反対しないよ」
蛇山は澤村の目を少し見る
(本当に心配なんだな…)
そして澤村の肩を叩く
「大丈夫だ、俺たちは行ってくるよ」
蛇山が去ろうとしたとき
「待って!」
澤村が呼び止める
「…気を付けてね」
「…うん」
その言葉に蛇山と鳴神はうなづき、光源へと向かっていった
「あの二人…大丈夫かな」
心配そうにする澤村に黒川は言った
「大丈夫だよ、きっと」
藤森は蛇山の仲間の思いがこもった拳をもろに受け言葉を発することなく、倒れた
「…………クッw」
少し藤森が笑ったように見えた
「何がおかしい」
その問いに藤森は答える
「あーあーきちまうな…」
蛇山が去る直前に藤森は言った
「嵐が」




