01 プロローグ
周りだけが騒ぎ立てて自分だけ取り残されているような感覚に陥ったことはあるだろうか。
ルネスは自室の机の上に伏せながら
「 勇者の呪いってなんだろう…」
そんな事を考えていた。
2日前、僕の家に遊びに来たガルフ爺さんは僕の姿を見るがいなや、父と母を呼んで何かを話した後、急いで僕を連れ出した。
ガルフ爺さんに連れられ首都ルードルストに来た僕はこの国で1番大きい教会で司祭の診察を受けていた。
ガルフ爺さんによると、本来は突然尋ねて診てもらえる様な物では無いらしい。
診察後、目を閉じていた司祭が突然驚きと疑問の表情を浮かべ口を開いた。
「これは……勇者の呪い…??いや、そんなはずは…」
その言葉を聞いたガルフ爺さんは僕を家に帰し、両親へ何かを告げた後その足で何処かへと行ってしまった。
司祭の言葉を思い出したルネスは呟く。
「僕は勇者になれるのかな…。」
小さい頃にガルフ爺さんの家で聞いた勇者の冒険譚を思い出し、僕もあんな勇者になりたいと思った事を思い出す。
「そうだと嬉しいなぁ…」
窓を覗くと赤い夕焼けと領地で働く農民の姿が見えた。
「そうだ!!!父に勇者の呪いについて聞いてみよう」
そう思い立ったルネスは急いで自室を飛び出した。