ショートショート「魔女師匠と弟子と魔女師匠」
ショートショート「魔女と弟子」
弟子少年「師匠が好きなんです!」
魔女師匠「すまない。わたしは人の心がわからないから答えてやれん。私の複製体を作ったからこれと恋愛ごっこでもしてろ」
魔女師匠B「弟子すき〜❤️」
弟子少年「……」
魔女師匠B「弟子すき〜❤️」
弟子少年「……やっぱりだ。クソ雑に自分のガチ複製を作ったあとでそれに強力な催淫魔法をかけることで知能と人格にデバフかけてるだけだ。催淫魔法を解除すれば完全な師匠のコピーになる。でも待てよ……?」
魔女師匠B「弟子すき〜❤️」
魔女師匠「おや、人体複製と呪い解除を先に習得するなんて、よくわからないねえ」
弟子青年「やっぱりあのことを忘れてますね。どんだけ人の心がわからないんですか。仕方ないなあ」
魔女師匠B+C「仕方ないさ。『私』はそういうやつだからね」
魔女師匠「この人は誰だい?」
弟子青年「あなたがご自分を複製して私の性欲を満たそうとした複製体を私がさらに複製して片方の催淫魔法を解除し、さらにそれらを融合させてちょうど良くした存在です」
魔女師匠「へえ、すごいじゃないか!」
魔女師匠B+C「あーやっぱりこの人純粋に魔法的な興味しかないね」
弟子青年「……」
弟子青年「こっちの師匠は私との健全なラブコメを通じてゴールインする過程で人の心を学びました」
魔女師匠「そうなんだ。それで?その明らかに私の上位互換になったそいつがいれば私はいらないじゃないか。どこへでも行くがいいさ。お前は卒業だ」
弟子青年「何言ってるんですか」
魔女師匠「?」
弟子青年「私はもう十分幸せになりました。もう何もいりません。後の望みはこっちの師匠と家庭を築きつつあなたにお仕えすることです」
魔女師匠「理解できないねえ。まあ弟子がここに残るなら私は助かるけど……」
魔女師匠B+C「私も分裂前はこうだったんだなー。むしろ庇護欲を感じる」
弟子青年「では師匠、これからもよろしくお願いします。あ、あと子供が生まれるんですよ。隣に家を建てますね。毎日師匠の研究室に出勤しますから」
魔女師匠「夜に術式を思いついた時に実験を手伝ってくれるかい?」
弟子青年「喜んで!」
魔女師匠B+C「妥協する」
fin