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空の愛し子  作者: uta
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腹拵え

 ガールドさんを先頭にエーテル、フェリスと後ろで肩を並べながら歩いていると、ガールドさんが立ち止まった。目の前にあるのは、木造で2階建ての居酒屋のようだ。入り口の上に大きな看板が吊るしてある。


「ここが、ヴァールグ1の居酒屋、バルハルドの居酒屋だよ。」


「すごいわね、外まで賑やかな声が聞こえてくるわ。」


「食べるなら、お魚食べてみたい。」


「フェリスちゃん、バルハルドのとこでは、生魚も扱ってるから楽しみにしてね。」


 それを聞いたフェリスはうんと頷きながら、大きな看板をじっー、と眺めていた。エーテルはもう待ちきれないのか、先に入り口に入っていってしまった。


「ガールドさん、僕たちも入りましょう。ちょうど、お腹も空いてきましたしね。」


「よし、いこうか。」「うん。」


 ガールドさんとフェリス、そして僕も続いて店の暖簾をくぐり中に入った。


「凄いですね、人も多いですし、繁盛しているのでしょう。」


「確かに、ざっと40人はいそう。」


 店内は広く多くのテーブルに人が座っていた。テーブルの上には、焼き魚や魚の切り身のような物や更に肉類など数多くの料理が皿に並べられていた。皆、美味しそうに食べているようだ。


「グレイス!、フェリスとガルードさんも、ここに座りましょ。」


 声のする方を向くと、先にエーテルが席を取っておいてくれたようだ。


「っと、ありがとう、エーテル。」


「気にしなくていいのよ、ところで、ガルードさん。おすすめの料理とかってありますか?」


 それを聞いたガルードさんは、まるで待ってました、そう言わんばかりの顔をした。


「よく聞いてくれた、ズバリ、生魚の切り身だ!。」


「生魚、って珍しいわよね。」


「食べた事ない、楽しみ。」


「ですね、それにガルードさんのおすすめです、期待できますね。」


 ガルードさんは、したり顔のまま話を続けた。


「ここの店長は、僕の初級兵士時代の友人なんだけど、水属性を得意としていてね、上級魔法、アイシクルを使えるんだ。それで、生魚を凍結して鮮度を保てているから、ここでは生魚を食べれるんだよ。」


「ってことは、店長さんも強いのね!」


「上級魔法、凄い。」


「では、僕はその生魚の切り身定食と、リンゴのジュースで。」


「私も!、あ、でもジュースはオレンジがいいわ。」


「私は、生魚の切り身定食と、水。」


 店員さんに声をかけ、注文を済ませると店員さんが、ガルードさんの方を向いた。


「そちらの方は、ご注文はどうされますか?」


「ああ、僕も彼と同じ内容でいいよ。」


「かしこまりました。」


 店員さんは厨房の方へと歩いていった。特にすることもないので周りを眺めていると、


「ねぇ、ガルードさん。初級兵士時代は、どんな訓練を受けていたの?」


「そうだね、やっぱり最初は、剣に関する物が多かったかな。後半になると、魔力操作の訓練を受けるんだ、そして、中級への昇格試験は、みんなも知っての通り、魔法剣の習得だね。」


「大変そう。」


「そうね、ガルードさんは、やっぱり中級兵士なの?」


 そう、兵士には四段階の階級が存在する。兵士訓練生、初級兵士、中級兵士、上級兵士だ。定義上は、上級兵士の上に騎士が位置するらしい。


 基本的に、初級兵士はEからD級相当。中級兵士はC〜A級相当。上級兵士はAからS相当。そして騎士はS級また規定外に相当するとされている。規定外の魔物等は特定の異能を持ち合わせていること、これが条件とされているらしい。


「そうだね、魔法剣の習得には、とても苦労させられたよ。まぁ、そのおかげでみんなを守れたから、よかったけどね。」


「ありがとう、ガルードさん!」


「ですね、ありがとうございました。」


「うん、ありがとう。」


 ガルードさんは、少し照れくさいのか、顔をそらした。


「そう言われると、頑張った甲斐があるね。あ、そろそろ料理が来るみたいだね、楽しみだ。」


 店員さんがコチラまできて、テーブルに料理の乗ったトレイを置いた。


「お客様方、生魚の切り身を食べる際は、トレイに載っております調味料をかけてから、お食べください。」


「わかったわ。」


「うん。」


「ええ、承知いたしました。」


「じゃあ、みんな、食べようか。」


「美味しそうね、これは、雑煮と、生魚の切り身、あとは付け合せの漬物かしら。」


「ですね、このソースのような物をかければいいんでしたね、いただきます。」


 口に運ぶと、溶けるような柔らかさでとても噛み切りやすく、少しの塩っぽさと脂の乗った魚の味がした。フェリスに関しては、もう黙々と食べ進めている。だが、顔はとても幸せそうにしているのだった。


________________________


「みんな、バルハルドの料理はどうだった?」


「とても美味しかったわね、味も濃すぎなかったし、また食べに来たいわ。」


「うん、あのソース、凄かった。」


「ですね、また皆で来ましょう。」


 店の外に出た私達は、ヴェルス総合学園に向かう為の飛竜に乗せてもらえる場所に向かっていた。ヴァールグから東にでて10分程歩くとガルド海の砂浜がある。そこに、飛竜乗りの方が待っているそうだ。砂浜へ向かう為に、私達はヴァールグを出るのだった。

 


 

 


 

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