21人のバイオリン⑥
ヤンキーは二人。
片方は金髪のいかにも頭が悪そうな奴。鉄パイプを持っている。
もう一人は眉毛を全部剃っている。茶髪だ。
「お前は金髪の方を頼む」と、時元が言った。
「あぁ。わかってるよ。」
「やめたらどうっすか?」と近づいていって僕が言った。
「あぁ?」と金髪。
眉毛全剃りの方は僕等に気づいたようで
「おぃ!こいつ等も参加者だぞ!?」
「まじでぇ!ヤベー!鳩が豆背負ってきたよ!」
鴨がネギを背負ってくるの間違いだろうか?
どちらにしろおつむは良くないようだ。
そのときお姉さんも僕等に気が付いたようだ。
「はやく逃げて!!」
と言うので僕が
「すみませんそういうわけにも行かないんですよ」
と言った。
そんなことも知らずに金髪は
「おっしゃー!3人捕まえれば300万もらえんぞ!!」
「おとなしくすれば痛くしねーでやるよ~キャハハ~」
「おとなしく?おとなしくねぇ・・・・・ふふふ。」
・・・・時元のスイッチが入ったようだ。
仕方がない。やるとするか。
と、思ったときにはもう時元は一発パンチを入れていた。
「グフゥ!」と苦しそうな眉毛剃り。
「なにしやがんだてめぇ!!」とすかさず金髪が時元を持っていた鉄パイプで殴ろうとする。
カチン!!
僕の自在箒とぶつかる。
「あぁ?」「おにーさんは俺♪」
ガスッ!
僕は金髪の太ももをおもいっきし右から棒で殴る。
そしてうずくまりかけた背中にひじ鉄を入れる。
「??」と倒れるヤンキー。
その背中に乗って仰向けにさせた。
すかさずお姉さんが持っていたひも(どこから出したか?それは迷宮入りだ。)で両手首を縛った。
・・・・このお姉さんただ者じゃないな・・・・。
時元の方を見ると眉毛野郎は気絶していた。ご愁傷様です。
10分後
ヤンキー二人を近くの物置の中に入れて任務完了!!
「助けてくれてありがとうね」とお姉さんが言った。
「いえいえ。」「なんのなんの。」と照れる僕たち。
「私はF大の教育学部にいる荻谷宇美と言います。あなた方も参加者なの?」
「はい。僕は神柳春志といいます。」
「あ。俺は時元正義と言います。」
「交渉人ね・・・・」
「はい?」と時元が聞き返す。
時元はわからなかったが僕には交渉人の意味がわかった。
荻谷さんは映画が好きなようだ。
「とりあえず、立ち話もなんなんで避難しません?」と時元が言った
「どこに?安全な場所があるの?」
そこで僕等は映画館の話をした。
「そこなら安全ね。じゃぁいきましょうか。」
僕等は今度こそ映画館に向かった。
少しだけ更新しましたw
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