21人のバイオリン⑧
はい!お久しぶりです!
切って当然だろう?イタズラ電話よりも疲れる。
「もーしもーし?」
「はい・・・・」
「なんで切ったのぉ?」
テメェの電話がイラッと来たからです。とは言えなかった。
「すみません電波の調子が悪くて」
「そーなんだぁー」
相手の声は若いようにも年を取っているようにも聞こえる。
「あらためまして、わんばんこ。@のエリコでおま。アハハハハ」
年いくつだ?
「で、僕たちが何故こんな目に遭わされて居るんですか?」
「えーとねー・・・・・企業秘密なのだ!」
「・・・・・・・」
はっきり言ってこの人。かなりウザイ。絶対にともだちにはなりたくないタイプだ。
(と、言うか関わりたくない)
「質問を変えます。あなたは誰ですか?」
「エリコ。さっき言ったじゃーん」
「そうじゃなくて!」ついつい語尾が強まる。
「オペレーター。あなた達のサポート的な役割よー。具体的には、お金とか監視とか人質の世話&処分とか」
「!?」
処分だと?何をされるんだ・・・・・
「大井川達は無事なんですか?」
「誘拐犯みたいに言わないでよー」
「誘拐犯じゃないですか。」
「そーだった。アッハッハー」
「無事なんですか!!」
「いまわね~薬で眠ってるけど。でもこれからあなた達次第でどーなるかはわからないけどね~」
「そ、そんな・・・」
「ダイジョーブダイジョーブ。ほかの奴と比べて私は優しいから。良かったねー私でほかの担当だったらマグロの餌にでもされてるよ?私は酷くて肝臓を売り飛ばすくらいだもん。」
「十分酷いじゃないですか!」
「とりあえずお金のことで困ったらここに電話してね」
こっちの話は無視か。
「ほかにも何か困ったら私に連絡しなさいね、坊や達。チュッ♪」
「ちょっと待ってください!あなた達は何者なんですか!」
「@よ。」
「だからそうじゃなくて!」
「ああ。1つ忘れてた。私たちの仲間は最年少が五歳で最年長が82歳。そこら中にうじゃうじゃいるからね。種類もいろいろ。サラリーマンに小学生。漁師にホームレス。警察や消防士何かにもいるわね。おもしろい人だと県庁の幹部とかサーカスの催眠術師」
「催眠術師?」
「そう。催眠術師。これはおもしろい人なのよ~。この間”私にかけてみて!”って言ったら30分後私は屋上から飛び降りようとしていて慌てて催眠術師が止めてたわ。」
「ちょっと意味が・・・・・」
「私に向かって鳥になれ!って言ったみたいよ。不思議よね~あんなに簡単にかかるなんて。」
催眠術は馬鹿ほどかかりやすい。と聞いたことがあるが本当だったようだ。
「あと、自己催眠なんかもやるみたいよ。あれもおもしろかったわ。自分がバレリーナだ!って言うと本当にバレエができるようになるのよ。」
「へー・・・・ってそんなことよりあなた達はどこに居るんですか!!」
ピッ
電話が切れた。
時元を見るとかおから血の気が引いている。
「これって夢だよな・・・・・現実じゃないよな・・・・」
プルルル
エリコさんから電話だ。
ガチャ「ところがどっこい夢じゃありません!!」ガチャ
何故こっちの会話がわかるんだろう?
プルルル ガチャ「勘!」ガチャ
盗聴されてるな。間違いねぇ。
プルルル ガチャ「あ。いっとくけどあなた達には盗聴器付いてないからね。あちこちにおいてあるだけだから。そこんとこよろしく!」ガチャ
やっぱし盗聴してるんじゃねぇか!!!!!
と、神柳と時元が心の中でシャウトしている頃。ほかの物語もスタートしていた。