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【僕のパパは皇帝陛下の愛人?】 side アロマ  

シングルファーザー娘1人息子1人で。子供にも部下にも内緒で皇帝陛下の愛人?本人に自覚はないみたいだけどね。

 

 うちのパパが僕‘アロマ’と姉の‘マコーレット’に禁止するのはたった2つ。


「フリーセックスはダメ!」


「薬は使うな!」


 一般家庭の親と違って、我が家の憲法はこれだけ。


 パパは、危ない裏家業をしているんじゃないよ。


 この軍事帝国で、皇帝陛下のお側近くで至極全(まっと)うに働いている。


 あはは、でも重火器取り扱いって点ではマフィアのボスよりも危ないか?笑


 パパのこの帝国でのお仕事は、色々な物を作る帝国の‘頭脳’としての側面。


 防御装置システムの設計開発、軍事施設の設計とか、パパの作った数々のもので、この帝国は何世紀も発展したって言われているんだって。えっへん。


 もうひとつのパパの仕事の柱は、国家規模の《トラブルシューター》。


 ご近所トラブルを仲介するんじゃないよ。


 戦争回避、内乱平定はもちろん、でもほとんどは誰か高位の偉い人がしくじっちゃった仕事の後始末に駆り出される事が多いんだって。


 パパは、この帝国では士官学校卒業のエリートコースの出身ではなくて、士官学校下部の幼年学校を14才で退学した後は、若年傭兵部隊の特殊工作部門で仕事していた。


 だから、普通と違う技術と能力の玉手箱を身につけたんだろうね。


 普段は、皇帝陛下のお側近くでお仕事をする事が多いから、家に帰れることはほとんど無いんだ。


 だから、パパが僕たち姉弟に話す言葉に、無駄なことって無いから、よーく耳を傾けて聞いてきた。


 パパの名前はサリュー·ターラン 現在39歳のシングルファーザー中です。


 パパはボサボサ頭をやめて、キチンと軍服着たら超絶イケメンでカッコいい。


 なのに普段はヤンキーの兄ちゃんに混じっても浮かない事が自慢らしいけど、違うと思うよ。


 僕はアロマ·ターランです。


 パパよりちょっと明るい髪と目の色はライトブラウン。


 最近ショートボブの髪を短めカットにしてから、女の子に間違えられることはなくなったよ。


 危ないほどパパ大好き。


 開き直りファザコン13歳。


「アロはお利口だし。

 マコはともかく、カンだけはいいか。


 何かの時には2人で力を合わせれば、何とかなるんじゃないか?


 パパの留守にピンチになった時には、アロが隊長。

 マコはアロに素直に従うこと。


 アロが頭使って考えて作戦立てて。

 それでも《万事休す》のその時はマコが『エイ!』って迷わないで道を選べ!

 アロは、マコにぐちゃぐちゃ言って逆らわないで一緒について行けよ。


 それが、一番生存率が上がる。」


 マコのカンて何さ?


 マコのことなら、まあいいやってスルーしちゃったけど。

 いつか聞いてみよう。


 そもそも、生存率の上がりを伝授するのって、いくらパパが若年傭兵部隊上がり高級将監だって、相当おかしいよね。


 でも、その時は、パパに一人前扱いされたみたいで嬉しくて、おかしい環境を疑問に思わなかった。

 マコよりパパに誉められたいって、そればっかり。


 マコ(ねぇ)が、8歳の時にママが研究所ごと爆発して亡くなった。

 その後にマコ(ねぇ)は、パパのところに宅配便の荷物みたいに、DNA親子鑑定と一緒に届いてきた。

 僕は、ママのところで育ってはいない。ずっとパパのところ。


 マコ(ねぇ)が来たとき僕は2歳で。

 僕はママに嫌がらせのように産み捨てられたそう。

 嫌がらせとかちょっとよくわかんないけど。


 それからずっと、《生存率を上げるため》パパに言われてきた。


 パパとママの間に結婚歴はない。


 パパはずっと独身のシングルファーザー。


 僕はママの顔は覚えていないけど、気がついたらパパのところの子供でいられて、結果ラッキーって思ってる。


 実際その当時、パパを邪魔と思う、後ろからの敵(うーん味方のはずだよね?)はいっぱいいたみたい。


 それとも僕達が存在する事自体が、パパのペナルティみたいなものだったのかな。

 それはちょっと残念だけど。


 だから実戦演習みたいなピンチは日常茶飯事だったんだ。

 でも、僕もマコ(ねぇ)もけっこうそういうパパの子供をやってるのを楽しんじゃってたんだけど。


 そうこうしているうちに、家には心強い見方!の執事さんがいてくれるようになった。

 無表情がちょっと不気味?だったけど。


 その途端にそういうバタバタは無くなった。


 何だかその前の落ち着かない生活が遠い夢だったみたい。


 でもそのミニ戦時中みたいな頃は、マコ姉と逃げてる途中もピョンピョン敷石飛んでるウサギ気分で。

 無性にキャッキャって笑いたくなって、変なハイになって。

 なんかそれはそれで楽しかった。


「薄気味の悪いガキども」


 言われたのさえ、何だか嬉しくなっちゃったもんね。


 3歳になる前はパパを独占していた僕には、マコの登場は寝耳に水。


 マコは、ママが目の前で吹っ飛んだ心的外傷後ストレス障害だかで、夜中にいきなり泣き叫んだりして。


 パパ奪還まで数年かかったよ。


 今まで僕だけのものだったパパの膝を横取りされちゃって面白くないし、悔しいし。


 マコの発作が起きると、パパが一晩中マコにつきっきり。


 朝になるとパパは仕事に行っちゃって。

 僕は全然かまって貰えなくなっちゃった。


 だからマコのことは、普段はこいつどっかに消えてくれないかな?って思ってたけど。


 いざピンチになると絶妙の連携でチームプレー、そこだけ見ると仲良し姉弟みたいに思われるのも心外。


 でもパパが何だか嬉しそうな目を僕たちに向けて見ているから。


「アロは偉いな。パパの自慢!」


 パパに誉められると、しょうがないかって感じで。

 なし崩し、仲良し姉弟。


 それに、確かにマコはしゃべってるとトンチンカンのあんぽんたん。


 だけどいざって時のカンだけは不思議と冴えてて、身を隠す場所を選ぶのだけは凄く上手。


 誉めるといい気になるから絶対に言わないけど。


 だって、その当時僕たちには、誰がパパの味方かなんて全然わかんなかったし。


 孤立無援の時に、いきなり

『宰相閣下のお屋敷に飛び込もうよ』って言うマコの勇気に脱帽だよ。


 ちょうど結婚2回戦終えて戻って来ていた、宰相閣下のお嬢様に守ってもらえるとか、その確信どこから出した?


「私は相手が好い人か悪い人かは全然わからないけれど、味方か敵かは何となくわかるのよ!えっへん」


 マコの、根拠の無い自信って、根拠無いから崩れる心配もないっていうあれなやつだね。

 でもうちの姉ちゃんはちょっとすごいかな。


 傭兵上がりで、超のつく高級将監に出世しちゃったパパ。

 それを面白くない軍閥貴族のおっさんが、今もちょいちょい出没。


「お嬢さんは女だてらに医者ですか。

 出来の良いと評判のご子息は、立身出世の’お’早いお父上の君等の賜物ですかな?


 いやいや独り身で偉い方のお側近くにおいでになりながら、どのような教育を?是非とも拝聴させていただきたいものですな。」


 うん、嫌みとモラハラ全開の絡みだよね。これって。


 パパは普段は相手にしないけれど、稀に気が向いた時だけ我が家の憲法2つをご披露にすると、相手は面白くない顔。

 からかったわけじゃないのにね。


 実はパパは大真面目。


 何せ、お酒に弱いパパは昔から、自白剤の1本2本打たれたって、拷問耐性はバッチリ負けないんですと。


 パパの傭兵時代の仲間のおっちゃんが言ってた。

 今は、居酒屋マスター。


 なのにワイン2本も飲ませれば、べらべらしゃべって寝つぶれちゃうんだって。


 これは身近の人間だけが知ってる重大秘密事項。


 そもそも姉のマコーレットがこの世に在るのも、パパが酔い潰されて、大学の先輩のママに押し倒されて。


 意識のないうちに、『種泥棒されても気がつかなかった』って本当かな。


 マコ姉が産まれて暫くは、存在も知らなかったのって、パパ脇ユルすぎじゃない。


 確かに《フリーセックス》、ほんと怖いね。


 この帝国の絶対君主に『他人と2度と酒を飲むな!』って言われたとか言われないとか。

 酔っ払いパパの言ってることよくわかんないけど。


 でも皇帝陛下に御相伴させていただくのは例外なのかなあ。


 パパ大丈夫なのかな?


 お仕事モード切れちゃったら、絶対にいつもの調子が出ちゃうよね。


 パパ、不敬罪とかなっちゃったら困るよね。


 時々へべれけで御前から下がって帰った日には


「仕事やめてえよ!」パパぼやき全開。


 酔っ払ってるパパにチャンスだから僕聞いてみちゃった。


「ねえ パパって皇帝陛下の恋人って本当?」


「帝国の最高支配者、相手は《選り取りみどり》だって。


 傭兵所から買った野良犬に手なんかつけるかよ。

 あの超絶潔癖な方が。」


「なに?アロどっからそんな下品な話聞いてきた?」


 パパがちゃんと、答えてくれたのはびっくりだよ。

 でもどっから僕が聞いたかは内緒ね。


 薬の方も、自業自得のジャンキーの話ではなくて。


 理系頭の突き抜けたタイプのいわゆる『行きはよいよい帰りは怖い』現象を教えておきたかったみたい。

 特に僕には。


 その『行きはよいよい~』現象ってね。


 いわゆる天才っぽいタイプが、集中に入ると、本人はすっごいエクスタシー気分になるらしい。

 僕はまだ経験無いけど。


 プログラム組む時に限らずけっこうあることらしいけれど。


 その集中に入るためにと、行きに薬使うのは自業自得。

 勝手に滅びて下さいね。


 だけれど、本当に恐いのは、入るのは自力で入って行って、集中し過ぎで帰って来れなくなっちゃうこと結構あるんだって。。


 生命維持のために『こっちに戻ってこい』って薬使われているうちに癖になってしまって、いつの間にかずるずると落ちて行っちゃうんだって。


 鎮痛剤とか必要で使ってるうちに中毒になっちゃうやつの、何倍もひどいやつみたいな?


「そういうのって超もったいないじゃん。」


 パパらしい言い方。


「だって権力者に使い捨てにされてんの本人はわかんないで落ちていくんだぜ!」


 ってボソッと口をとがらすパパを、超かわいいって思う。


 パパ大好き。


 うん、僕危ないファザコンの自覚あるかも。


  マコにはわかっちゃいないよね。パパは絶対僕が1番かわいいって思ってるもんね。えっへん


 パパは僕が質問したら、どんな事でも絶対にごまかさないで答えてくれる。

 うちのパパは最高です。


お読みいただいてありがとうございます。

目に入れて下さった方が、どう思って下さったのだろう?

今日の暇潰しや気分転換になってたりしたら嬉しいなあと思っております。


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