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人は何故魔術を学ぶのか

人は何故魔術を学ぶのでしょうか。そもそもファンタジーに持ち込まれる前の魔術について考えてみましょう。

分野によっては呪術(ファンタジーにおける意味とは異なる)とも称される魔術ですが、基本的にはある事象についての法則について、未知の部分を超自然的な解釈をするものだと思っています。よくわからんけどAしたらBになる!をよくわからん部分をよくわからんまま法則として扱うようなものだと解釈していただければ。

よくわからんというのは主観に基づく感覚ですので、多分に思い込みや個人の思想に左右される部分が出てきます。地域性にも左右されますし、魔術を使う人の生活にも多分に左右されたでしょう。ですから原始的な魔術は比較的発展しませんでした。これが時代を進めて宗教的な感覚を多くの人数が共有するようになると、儀式的なものとして広範囲のコミュニティに同じ考えが伝播する様になります。

金作ったり不老不死になりたい!という中世ヨーロッパにおける錬金術は、こういったある程度の共通認識を元として、印刷技術の発展に支えられて最盛期を迎えました。原初のものと違ってより体系的であり、その在り方は科学により近いものとなっています。よくわからん!と言っていた部分をある程度法則を立てて解釈するようになったということであり、いわゆるファンタジーで扱われる行使の際ちゃんとした手順を踏み、その手順が共有されていたりする魔術はこれ以降のものであるでしょう。

 この後錬金術は神秘性を失い化学として発展しますが、いまだにそれを神秘学的にとらえる考えの集団がいました。薔薇十字団です。彼らの考えは、19世紀後半の黄金の夜明け団に引き継がれることとなりました。彼等は古今東西の「魔術」にカテゴライズされるものをかき集めて、さらなる高次元の存在へと至るためにいわゆるオカルト的なものへと進化を遂げました。

軽く知っている流れだけを説明しましたが、現代魔術とそれ以前では大きく異なる部分が存在します。それは魔術を行使する目的です。生活を楽にするという手段としての魔術から、それを窮めてより高い位相へと至るいう目的へとすり替わっていくようになったのです。

とまあわかっているようでわかっていない人間による説明でしたが、これは魔力が形として認識されていない現実世界での話です。実際にそれが存在して、目に見えるようになったとして同じような発展を辿るとは言えないでしょう。目に見えないからこそ、オカルトはありとあらゆる方法でそれを主命しようとしたのですから。

 ではファンタジー世界の住民は何故魔術を学ぶのか。自分なりに考えたものを書いていこうと思います。

 まず挙げられるのは戦闘のためです。これはファンタジーに最もよく見られる理由であると思います。魔術というものは基本的に人間一人でできることを瞬間的には大きく上回りますから、わけわからないくらい強いドラゴンなどの個が存在する以上、そういった面で発達することもあるでしょう。

現実世界における武芸のように、教養にも似た形で戦闘力は求められることもあります。ハリーポッターのように魔術の行使に多くの装備を必要としない世界線であれば、個人の携帯する武器としては現存のものを大きく上回るのではないでしょうか。問題があるとすればパワーバランスの塩梅が難しいことでしょうか。あんまりにも強すぎると、国同士勢力同士の拮抗関係は複雑なものになりますし、旧来の戦争の形は壊れます。あんまり弱すぎると、魔術じゃなくてもそれ良くない?が発生しうる点です。

 次にあげられるものは科学としての発展です。生活を楽にする道具を作るものが多いように感じます人間、暮らしを楽に楽にとする生き物ですから、魔術が発展するにつれて、旧来複雑な手順を踏んでいたものも魔術によって単純化されているかもしれません。しかし、このような目的を与えるには、作品における制約が必要となります。それは、誰にでも扱えるという前提です。日常生活を魔術の行使によって簡略化するには、その方法が普遍的である必要があります。10人に一人しか学べないような世界では10人すべてが扱える本来の化学が発展するでしょうし、直感的に操作できるものでなければ識字等が誰にでもできる必要があるでしょう。また、科学になり替わるようになったとして、個人の使用できる力は現実のものよりはるかに大きくなります。軍隊や戦闘の仕組みも変わるでしょうし、政治のやりかたや階級制度、産業すら変わっていくかもしれません。そのあたりの塩梅を見極める必要があるのがこの設定の厄介なところだと考えています。

 三つ目には、現実のオカルティズムにも通じる何らかの目的のために魔術を学ぶ、というもの。有名な作品ではTYPE-MOONの世界観における根源とかですね。より高次元のものに至るため、という目的などを設定すると、彼らは個人のために基本的に社会で役に立たないことを学ぶこととなります。また個人の目標に必死なので、あまり外には情報を漏らしたりしなくなり、より隠匿された発展を遂げるでしょう。この場合、より複雑さを求めて、儀式的に、また多くの体系を作った魔術が生まれることとなるでしょう。普遍的なアプローチではその目標へと至ることが不可能であるのは明らかだからです。また、この場合、~ガ系とかラ系とかの魔術はあまり発展しないことが考えられます。またそもそも実用性を求めていないので戦闘力はダダ落ちするでしょうし、手間をかけて時間をかけるので血が長く続いて道具などをそろえるための資金や立場が必要になり、敷居がかなり上がることが予想されます。農民からの成り上がり!とかが使いにくくなるのも問題です。

このほかいろいろあると思いますが、とりあえず思いついたのはこれだけでした。正直わかりやすさは何よりも優先されると思うので考える必要がない部分ではありますが、魔術を学ぶ仕組みがある世界では何かしらの目的を与えてやると世界観も作りやすくなるのではないでしょうか。

こんにちは。ほぼ日記レベルで思ったことを書きました。次は魔術の体系(属性とか素材とか錬金術とか魔法陣とか)に関する設定について話したいと思います。

もしよろしければブクマ評価感想等々入れていただければとても喜んで続きを書きます。

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