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薬物依存は人間の本質

作者: 明日香狂香

 最近の事件は、一旦やめたはずの薬物に再び手をだすケースが多い。これは中毒ではない。ましてや病気でもない。

 一般人は、理解できないために、病気とか意志が弱いからとか、自分で納得のいく理由を見つけて安心する。これは。薬物に限ったことではない。人とは再犯を犯す生き物だということだ。


 人の記憶は、当時の感情と共に蓄えられている。目を閉じて今より幸せだった頃のことを思い出してみよう。できるだけ当時のことを具体的に。

 恋人と一緒に居たとき、事業が成功したとき、あるいは母親と暮らした幼少期。人によって幸せだった瞬間は異なるが、心は落ち着くだろう。体の力が抜けてリラックスする。


 普通の生活をしてきた人なら、少なくともその頃は健康だったはずだ。さて、人によっては、薬物や犯罪などで脳が快楽と記憶したした時の場合もあるだろう。人は、記憶を呼び起こすことによって、現在の苦境から一時的に逃避することが出来る。普通、その状態はすでに手に入らないことが多い。

 当時の恋人は、いつまでもあのときのままではない。自分も年をとっていく。過去のあの時に戻ることなどできないのである。そのため、人は一時の想像だけで、再び現実世界に復帰する。


 ところが、物を使った快楽は、その物が再び手に入る可能性がある。そして、その時の感情を再現することができる。


 どんな人も、幸せだったころの感傷に浸ることはよくあるだろう。それは、人間の本質だ。多くの人は、すでに手に入れることができないとあきらめる中、一部のものは再現する方法があるために、実行してしまう。

 だから、薬物や犯罪などの再発はなくならない。ダルクなど再発防止の取り組みはあるものの、復帰が難しい。それは、そのとき以上の幸せが記憶されているかによる。その記憶を呼び出す練習が必要だ。

 薬物や犯罪は心の病だから治療できるというのは、間違っている。誰もが行なっている精神活動の中で、手段が不適切であるということだ。


 幸せだと思える経験と、その時を思い出す手段。これを正しく覚えることが必要なのではないだろうか。

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