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言葉系エッセイ

令嬢言葉も『山の手言葉』という『方言』の一種が元になっているのだそうですが、ご存じでしょうか?

 喧嘩を売るつもりは、全くありません。

 どうも、皆様。ご機嫌麗しゅう。




 初見の方は初めまして。




 前回のエッセイ、『あなたのところのご令嬢、または敬語キャラは、どちらの地方出身なのでございましょうか?』をお読みくださった方は、お久し振りですわね。




 前回同様、今回のエッセイでも、このような言葉で語らせて頂きますので、ご容赦くださいませ。




 (しば)し、わたくしのこの戯れ言(・・・)にお付き合いくださると、嬉しく思いますわ。










 さて、ご挨拶も済みましたところで、早速本題に入らせて頂きますわ。




 今回も、不躾(ぶしつけ)ながら皆様へお伺い致します。




「令嬢言葉も『山の手言葉』という『方言』の一種が元になっているのだそうですが、ご存じでしょうか?」




 前回のエッセイであれだけ、『方言』、『若者言葉』、『ら抜き言葉』を『標準語』ではないと挙げつらって参りましたが、実はわたくしが使用しておりますこの『令嬢言葉』も、『標準語』ではなく、元は『山の手言葉』という東京地方(、、)の『方言』に当たるそうですの。*お時間があるのでしたら、前回のエッセイをお読みくださいませ。読んでくださらなくても、特に支障はございませんわ。




 ご存じだった方には当然のことかもしれませんが、そのことを知らなかった方には、驚きの事実かと思われますわ。



 ちなみに、『山の手言葉』とは、元は江戸の上層の武家が日常で使用していた『武家言葉』と『京言葉』が混ざり合ってできた『※中流階級の言葉』なのだそうで、敬語に特化した『方言』とされているようですわね。



 敬語に特化しているのでしたら、方言に当たるのか少々疑問に思いましたが、「○○でございます」という言い方が省略、または(なま)って、「○○でござぁます(、、、、、)」となり、更に『ご』が省略されて訛ると、「○○ざます(、、、)」と、なってしまうようですわ。



 『ざます』は、某青い猫型ロボットのアニメに出て来るお金持ち子息のお母様や、教育ママなどのキャラがよく使用されている言葉のようですが、確かに『ざます』は訛りだと感じますわよね?



 ※なので、この『令嬢言葉』も、東京という地方(、、、、、、、)の、敬語に(、、、)特化した(、、、、)『方言』ということになるようですわ。



 まあ、『ございます』ならまだしも、ご令嬢が『ざます』を使用するのはちょっと……と、わたくしも思いますけれど。



 と、語って参りましたが、実はこの『山の手言葉』は日本語の『標準語』を作るため(、、、、)の母体(、、、)となった言葉なのだそうですわ。



 ※そして、この『令嬢言葉』とは明治時代の女学生(女学校に通っている時点で上流階級のお嬢様)の間で普及し始めたそうなのですわ。けれど、普及し始めた当初は「よくってよ」や「~~だわ」などの言葉は『芸者』が使うような『異様な言葉遣い』だと知識人からは認識されていたようですの。要は、下層の言葉遣いだと思われていたようですわ。



 ※というのも、芸者さんや遊女が『ござんす』、そして『ざます』や『ざんす』などの言葉を使っていたからなのですって。(わたくしは、遊女の(くるわ)言葉よりも芸者言葉の方を推しますが)



 ※なぜ、そんな言葉(、、、、、)が女学生の言葉として流行したのかというと、明治政府の官僚や幕末の士族階級(後の華族階級)だった方々が芸者さん達を娶ったから、という説が有力なのだそうですわ。つまり、『明治時代の上流階級のお嬢様方のお母様方に芸者さんがいたから』ということになるそうですわ。お母様が使っている言葉を、その娘が使用するのは自然かと思われますもの。



 ※『令嬢言葉』は『芸者の遣うような(、、、)言葉』として、最初はあまり歓迎されていなかったそうなのですが、流行ってしまってからは、『お嬢様が使用する言葉』として広く認識されて行ったそうですわ。



 ※最近の若い子は……という状況は、いつの時代でも聞かれるものなのですわね。



 ※なんだか、ぐるぐると何周も回ってしまったような気が致しますが、この『令嬢言葉』が『上流階級の言葉』である、ということが証明された……のかもしれませんわね。




 ※以上、前回のエッセイで頂いた感想を元に、軽く調べてみた情報を元に、わたくしの意見を語ってみましたわ。




 以下は、わたくしの個人的な感想になりますわ。




 今更この『令嬢言葉』という『方言』の使用をやめて『普通の丁寧語』を使用しますと、『令嬢特有の優雅さや気品』、そしてどことなく醸し出される『高飛車感』という『キャラ付けのスパイス』が薄れてしまうと思うのですわ。




 なので、わたくしは『令嬢言葉』はまさしく、『令嬢が令嬢キャラで()ることを示すのに相応しい言葉』だと思いましたの。




 ()くも日本語とは、難しくも奥深く、興味深くてとても面白い言語だとは思われませんか?


 これだけ『キャラ付け』のし易い、豊富な(、、、)喋り方(、、、)のある言語は、あまり他にないのではないかしら? と、わたくしは勝手に思っておりますの。


 そして、皆様の描くお嬢様方が生き生きと話されることを願っておりますわ。


 それでは、これにて失礼致しますわ。



 皆様の貴重なお時間を、わざわざこのような戯れ言(・・・)に割いて頂き、誠にありがとうございます。




 ※追記。実は杜撰な調べをしていまして、誤情報を載せてしまっていましたの。大変申し訳ございません。

 ※の箇所は訂正や追記箇所ですわ。ごめんあそばせ。


 では、皆様ごきげんよう。

 読んでくださり、ありがとうございました。


 前回エッセイで頂いた感想を元に、軽く調べた情報で書いてみたら、なんだか前回よりもかなり国語の授業っぽくなりました。追記部分はちょっと歴史っぽいですが。


 蛇足エッセイですが、感想を頂けるのでしたら、お手柔らかにお願いします。

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[一言] 感想欄のやり取りが気になったので、私も少し調べてみました。 『令嬢言葉』の定義がよく分からないので話がずれるかもしれませんが、明治期の女学生の言葉についてです。 以下にまとめます。 明治期…
[気になる点] 「武家言葉」といえば、ナントカにて候(そうろう)、なんてのは聞きますが、 女性つまり武家の妻が話す時にどういう言葉を使っていたかはよく知りませんでした。 ちょっと調べてみると、ちょっと…
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